Top / 「歯科医師需給問題」に関する国会質疑

第165回国会 厚生労働委員会 第4号 平成十八年十一月二十八日(火曜日)

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/165/0062/16511280062004c.html

○中原爽君

 ありがとうございました。

 それでは、恐れ入りますけれども、資料の配付をお願いいたします。

   〔資料配付〕

○中原爽君

 よろしいでしょうか。

 資料番号が右の上に数字で振ってございます。先ほどちょっとお願い申し上げました歯科医師の過剰問題につきまして、私なりの御意見も申し上げたいと思っております。

 一番の資料でありますが、「確認書」となっておりまして、平成十八年八月の三十一日付け、文部科学大臣と厚生労働大臣の両方の方によります確認の内容であります。「歯科医師については、以下のとおり、養成数の削減等に一層取り組む。」ということでありまして、「(1)歯学部定員については、各大学に対して更に一層の定員減を要請する。」と、これは文科省関係であります。入口の方であります。それから、「(2)歯科医師国家試験の合格基準を引き上げる。」、これは出口の方でございます。そういう確認書が、これは厚生労働省の医政局の総務課から私がちょうだいした確認書でございます。

 これについて御質疑をお願いしたいと思うんですが、現在、厚生労働省の医政局歯科保健課の方では、今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討会を今開いておられまして、それの検討事項の中にこの歯科医師の過剰問題が出ております。

 現在、平成十七年の歯学部の総募集人員、国公私立全部でありまして二千六百六十七名、これに対して今度の十八年の国家試験の合格者数でありますけれども、二千六百七十三名でありまして、出口と入口ほぼ同じ人数になっております。今後この状態が続くと大変な状況になるということでありまして、これを四五%減らせというわけなんですね。この四五%というと大体千二百人程度であります。入口が千二百、それから出口も千二百にしろと、こういうことになるわけであります。そうしないととんでもない状況になってくるということであります。

 まず厚労省の方として、出口の方の問題でありますけれども、歯科医師の国家試験の合格基準を引き上げるということであります。資料の二をごらんいただきたいと思います。

 これが直近の合格基準でありまして、九十九回、これは十八年、九十八回が十七年の基準であります。四角く囲っておりますところがその基準の点数になろうかと思います。随分違っているということでありまして、九十八回よりも九十九回の方が合格基準は高くなっているというふうに見取れるわけであります。

 ところが、試験問題でありますので、一応不適切な問題が出るわけであります。どうもこれは採点上的確でない、そういうことで採点除外をするというものが出てまいります。九十八回の試験のところをごらんいただくと、B問題の二問目を削除、それからC問題の一問目と二問目を削除、それからD問題の六問目を削除するということになりまして、計四問を採点除外すると。出題総数が三百六十五問中でありますけれども、ところが、この四問というのはの必修問題の中での採点除外でありまして、,琉貳面簑蠅△襪い廊△領彎下唾鰐簑蝓↓い箸、そういった問題については公表されていないわけであります。必修ということについて不適切な問題を公表したということになると思うんですが、実際には四問以上に不適切な問題があって、恐らく採点除外をされているんだろうというふうに思います。それから九十九回も同様でございまして、九十九回のときの必修問題の採点除外は六問ございました。

 こういうことでありますと、基準を決めるわけですから、合格基準、歯科医師として具有すべき知識と技能についてこれを行うという歯科医師法になっているわけでありますので、その合格をさせるかさせないかという内容についても、これも医師法あるいは歯科医師法で決めてあるわけでありまして、例えば歯科医師国家試験は、臨床上必要な歯科医学及び口腔衛生に関し、歯科医師として具有すべき知識及び技能についてこれを行うと、こうなっているわけであります。この合格の決定については、やはりこの基準をどうするかということも検討課題になっているという条文があるわけであります。

 そうしますと、合格基準が毎年毎年違ってくるということになると、これもおかしなことでありまして、去年よりも今年の方が合格基準難しい、それはそれだけの実力のある方が歯科医師になるということは大変結構でございますけれども、毎年大幅に点数除外の問題が出るというのも、これも大変困ったことであります。

 大学の入試センターの試験がありまして、私も入試センターの試験委員を長らくやっておりましたけれども、大学入試センター試験で不適切な問題が出ますと大騒ぎになるんですね。マスコミはわっと騒ぎます。というのは、入学試験というのは一定の人数しか入学できませんので、ですから、そこで不適切なセンター試験の問題が出ちゃうと自分がどうなるかということで大騒ぎになるわけですね。ところが歯科医師の場合には、これは入学試験ではございませんので、ある一定の合格基準を満たせば何人であろうと合格するわけなんですね。

 しかし、この不適切な問題をこれだけ出てくるということは、私は、合格基準が狂うということになるので、合格基準を高めるというのは大変結構でございますけれども、不適切な問題が出ないように、これ是非きちっと始末をしていただきたい、これをまずお願いしたいというふうに思います。これは厚労省についてのお願いでございます。

 それから、次の三番の資料でありますけれども、これは文科省関係でございまして、大学設置基準というのがあります、十八条。

 大学の収容定員というのは、学科又は課程を単位として学部ごとに学則で決めろと、こうなっているわけですね。ただ、学則で決めるといいましても、教員の組織であるとか校地とか校舎、入学定員、収容定員が入り切れないような狭い校舎じゃ困るわけでありますから、そういった基準が別にあります。それが別表のロというところで、医学又は歯学に関する学部に係るものということで、左側の方に歯学関係がございます。一番下の段が収容定員九百六十名の場合の基準でありまして、校舎の基準と附属病院の面積の基準が書かれてございます。

 これで、さらに一番左側の縦書きの数字のところの一番下の段をごらんいただきますと、収容定員が九百六十人、これ学則上で九百六十人を決めるということですから、その六分の一が入学定員になりますので、百六十名が入学定員になっているということであります。以下、上の方で、八百四十名の収容定員で入学定員が百四十名ということになるわけですが、現在、私立の歯学大学関係ですとこの百六十名とか百四十名、あるいは百二十名の入学定員を更に二〇%自主的に削減しているわけであります。そうすると、入学定員百六十名の場合二〇%削減しますと百二十八名、それから百四十名の入学定員で二〇%削減すると百十二名と、こういうふうになっていくわけであります。でも、これでも今足りない。結局、こういうふうに自主的に二〇%、学則上の定員を更に二〇%削減して今募集しているわけなんですけれども、これはただ単純に自主的に削減しているだけの話でありまして、法的な根拠は何もないということになります。

 次の四番の資料をごらんいただきたいと思いますが、カラーの資料でございます。これは文科省がお出しになっている資料でありまして、一番左側の方ですけれども、定員割れ大学に対する助成の見直しということで、一般補助となっています。定員割れ等が続いている大学等については、一定期間で改善が見られないということであれば私学助成を削減すると、こういうことでなっているわけですね。現実問題はもう十八歳人口が激減しておりますので、もう来年、再来年辺りで大学総数の入学定員と受験者数が同じになってくるという状況になります。

 そうしますと、歯科大学の場合も、二〇%削減をしているのはいいんですけれども、自主的に削減していてもまた更に志願者が来ないという歯科大学、歯学部が出てきます。そうしますと、私学助成との関係はどうなるのか。学則上はまだ百六十名の入学定員、収容定員が九百六十名、しかし募集人員は百二十八名ということになって、そのところで受験生が来ないという状況になると私学助成をどういう形で受けるのかということでありまして、学則上の定員で受けるのか、あるいは二〇%削減したところで受けるのかと、こんな質問が私のところへ来るわけなんですね。私も返事のしようがない。

 これを解決するのは、一つの方法として申し上げたいのは、やはり学則上の定員を二〇%削減するのではなくて、二〇%削減に見合った学則上の定員に直すということがまず先決問題だろうというふうに思います。その御提案をしたいというふうに思うんですね。

 例えば、収容定員が九百六十名の学則上の定員であると、現在二〇%削減して入学定員が百二十八名で募集しているということである、こういう歯科大学、歯学部については、これ、どうでしょう、例えば収容定員を四百八十名まで下げまして、それで二〇%削減をしないということで正規の八十名で募集するか、あるいは収容定員を六百名まで学則を変えて、入学定員を百名で募集するとか、そういうふうにしないとこの私学助成との関係が明確でなくなるということと、今の自主的に二〇%削減するのでは明確でないということが一つという問題と、十八歳人口が激減しているというのはもう目の前の問題でありまして、受験生が来ないということにつながるわけであります。

 そういう意味で、それと、更に四五%削減しろと言われているわけですから、それを現実問題、法的にきちっと整理をするのは、取りあえず九百六十名の現在の学則定員を収容定員七百二十に下げる、あるいは収容定員六百名に下げると、そういう形できちっと学則を整理されるということがまず当初の必要なことでないか。くどいようですけれども、十八歳人口が激減しているということと、それからこの私学助成の在り方、定員に満たない大学については私学助成を削減するという方向性がうたわれていると。この二つをつかまえまして、このところを何とか改善をしていきたいというふうに思うわけであります。

 これは先ほどの一番の資料にございましたように、「歯学部定員については、各大学に対して更に一層の定員減を要請する。」と、これは文科省が要請されるわけでありますけれども、要請するのは簡単ですよ。文書一枚で四五%減を目指して削減をしてくれという文書が来ますよ。だけど、今申し上げたような状況で、現在も自主的に二〇%下げている、これを更に四〇%まで下げるということがあっても学則上の規定はそのままということでは、またちぐはぐした状態が続くということになります。この辺のところを文科省としてきちっと整理をしていただきたいというふうに思います。

 そういうことで、お答えをしていただくことがございましたら、あとわずかな時間でございますので、お答えいただいて、五番の資料はまた次の機会でお願いをしたいというふうに思いますので、今回は五番の資料については質疑を取り下げさせていただきたいと思います。  ただいまの定員問題について概略お答えがございましたら、もうわずかな時間でございますので、お答えがなければそれで結構でございます。

○政府参考人(辰野裕一君)

 お答え申し上げます。

 私立大学歯学部の入学定員につきましては、昭和五十七年の閣議決定や平成十年の当時の厚生省から示されました歯科医師数の考え方等を踏まえまして、現在まで学則上の収容定員数又は募集人員数について一定の削減が進められてきているところでございます。この場合、学則上の収容定員数を減らさずに募集人員数を減らした場合には、在籍学生数が収容定員数に満たないものといたしまして、現行の私学助成上は補助金額の一定の減額が行われるという仕組みになっているわけでございます。

 収容定員数と募集人員数いずれかを削減するか、これは各大学の判断に最終的にはゆだねられているものでございますけれども、文部科学省といたしましては、各私立大学が今後の十八歳人口の減少やこのような私学助成との関係等も踏まえた適切な対応を取りつつ、歯科医師の養成数の一層の削減を図るよう、様々な機会を通じまして要請を行ってまいりたいと考えております。

○中原爽君

 ありがとうございました。

 終わります。


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Last-modified: 2008-01-18 (金) 16:13:26 (3388d)