Top / 「神奈川ルール」についての国会質疑その2




前回(平成20.2.27 第169 回国会第1 号)に続いて、
坂井学・衆議院議員(神奈川5区)が神奈川県における歯科診療報酬算定について質問しました。
神奈川県診療報酬支払基金での審査が他都道府県と相違があるとい う水田局長の答弁を引き出しています。


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坂井学(自由民主党)
開会日 : 平成20年4月21日 (月)
会議名 : 決算行政監視委員会第三分科会

衆議院ビデオライブラリから「坂井学」で検索してご覧ください。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm?ex=VL


2008/06/18追加

第169回国会 決算行政監視委員会第三分科会 第1号

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/169/0043/main.html

○木村主査

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井学君。

○坂井分科員

 自民党の坂井学でございます。

 前回、予算の分科会で質問させていただきました。二カ月近くたつのですが、検討結果の報告がなかったので、残念ながら、改めて質問という形でお聞きをしたいと思います。

 お手元に資料をお配りしておりますけれども、歯科、歯医者さんの問題で、査定の点数、神奈川のものが大変多いということで、これは飛び抜けて多いわけであります。裏の資料を見ていただけば、これは歯医者さんが多いから多いだろう、こういうことでありまして、一万点当たりの平均をとりました。平均をとっても、一番少ない新潟と比べると十四倍程度、平均から比べても四、五倍という、大変に大きな格差がここにあると私は思います。これは、全国公平にやらなければいけない審査の状況、査定の状況の中で余りにもおかしいのではないかということで、質問を局長にさせていただきました。

 前回の議事録を見ていただけばわかりますが、局長は、査定が多いのは承知をしている、分析をしていないので理由はわからない、算定ルールの解釈に各県ごとの違いはない、こういう答弁をされました。私はこれはちょっと納得できないもので、それで、予算の分科会のときも分析していないということなので、私が分析をしまして、ちょっとお示しをさせていただきました。

 次のはアンケートでございまして、これは裏表で今刷ってありますが、これがいわば、医療機関、歯医者さんの側が行ったアンケートでありまして、細かくはちょっと説明しませんが、一から裏十五まで項目があって、そのうち、神奈川だけの独自の解釈が十五のうち十ありました。これは余りにも多いんじゃないか。しかも、その十が全部厳しい解釈です。  これを受けて、いわば役所の方もアンケートをしてくださいまして、これは各県の支払基金の事務局が答えていると思いますが、これも結果を教えていただきました。私、わざわざ丸を左の数字のところにつけておりますのが、この下に棒線を引っ張っているところが神奈川のルールなんですが、この順番の中で、これは厳しい順にちゃんと並んでいないものですから、見ていただいて、厳しい順になるとどうか、こういいますと、丸がついているものは最も厳しいルールの解釈だということらしいわけです。

 そうすると、丸がついている、要は神奈川が一番厳しい解釈をしているのが少なくとも十三、はてながあるのは、もう少しどういうことか中身を聞いてみたいということでありましたが、少なくとも十三。そして、右に星マークがついているのは神奈川だけの独自ルール。これは、役所が、支払基金の事務局でやった調査においてもこれだけの違いがあるということがわかりました。

 これはやはり、もう同じにやっているとは言えない、違いと認めていいんじゃないかなと改めて思いまして、きょう質問をさせていただきました。

 それからもう一点、前回指摘をさせていただきましたのは、こういったことがないように、各県におきましては、保険者の代表、それから医療機関の代表、それから学識経験者で審査委員会というのをつくっておりましてやっているそうでありますが、これがこのままほったらかしになっているということは、審査委員会が機能していないからじゃないかということを質問させていただきました。これは、内容を検討する、こういう御答弁だったと思います。私は、この改まらない理由は何かということを改めてお聞きをしたいと思います。  前回にもう一つつけ加えまして、一番最後の資料でございます。これは、査定となった事例に対する返戻の扱いです。返戻というのは、治療をして書類を社会保険に出したけれども、要は、軽微な記入漏れ等があって書類として完璧じゃなかったものに対しての扱いでありますが、一から十二の項目、これは神奈川では全部査定ということで、保険からお金が一切歯医者さんにおりておりません。もうこれはおりませんということで決着済みになってしまったものであります。

 ところが、他都県の取り扱い、これは関東甲信越でありますが、これも役所の方が各支払基金に調べていただいたものですけれども、見ていただけばわかりますように、請求どおり、それから返戻、ほとんどこの二つですね。返戻というのは、書類を戻して、また出してくればこれは請求どおりにお金がおりるわけでありますから、神奈川のように、お金をおろさない、要は渡さない、査定ではじくというのはほとんどないというのがわかります。

 この返戻の取り扱い一つ見ても、神奈川は、十二、この項目すべて査定の件数が上がるわけですから、この取り扱い一つ見ても、査定が多くなるという理由が私は明らかではないかなと思っておりますが、この三点、まとめて局長から改めて御答弁いただきたいと思います。     〔主査退席、松野(博)主査代理着席〕

○水田政府参考人

 お答えいたします。

 まず、歯科診療報酬の算定ルールの解釈に関する調査の件でございます。

 前回の質疑におきます委員御指摘の事例に関しまして、神奈川県における算定ルールの解釈、他県の解釈の違いにつきまして社会保険診療報酬支払基金に調査をさせましたところ、一部の事例につきまして、神奈川県の解釈が他県とは異なっているということが認められました。

 こうした差異は、算定ルールの解釈が十分に認識されていないことや、審査運用上の取り扱いにつきまして支払基金の支部間の差異の解消を図るための取り組みが必ずしも十分でなかったといったこと等が原因でないかと考えてございます。

 こうした状況を踏まえまして、厚生労働省といたしましては、算定ルールの解釈に誤解が生じている、または生じるおそれのあるものにつきましては、できるだけ早く算定ルールの疑義解釈に関する文書を関係機関に発出する等、適切に対処してまいりたいと考えております。

 いま一つお尋ねの、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金における審査委員会の委員の選任についてでございますけれども、これは、先生御指摘のとおり、社会保険診療報酬支払基金法第十六条等の規定に基づきまして、診療担当者代表、保険者代表、学識経験者各十六名の三者構成となっておりまして、診療担当代表者につきましては神奈川県歯科医師会に対しまして、また、保険者代表につきましては、社会保険事務局、健康保険組合、共済組合等に対して推薦依頼を行いまして、各団体から推薦された者に対して委嘱をしていると承知してございます。さらに、学識経験者につきましては、学識経験者審査選考委員会における選考を経て委嘱されていると承知をしております。

 こうした手続を踏んでおりますので、神奈川県における社会保険診療報酬支払基金におきます審査委員会の委員につきましても、適正に任命されており、御指摘のような、審査委員の選任経緯が原因で審査委員会の運営が不適正になっているという結論には至ってございません。

 それから、三点目、査定と返戻の扱いでございますけれども、神奈川県の審査におきまして査定となっている主な事例の他県での取り扱いにつきまして、社会保険診療報酬支払基金を通じて調査をいたしましたところ、神奈川県におきましては、主に治療を行った部位や治療を行った月日の診療報酬明細書への記載漏れにつきまして、返戻とすべきと考えられるものが査定となっていることが認められました。

 この原因といたしましては、社会保険診療報酬支払基金が各都道府県の支部に対しまして返戻と査定に関する基本的な考え方を示しているところでございますけれども、この審査運用上の取り扱いについての周知が必ずしも十分ではなかったこと等が考えられるわけでございます。

 こうした状況を踏まえまして、厚生労働省といたしましては、社会保険診療報酬支払基金等関係機関に対しまして適切な審査の徹底について指導を行う等、適切に対処してまいりたいと考えております。

    〔松野(博)主査代理退席、主査着席〕

○坂井分科員 ありがとうございました。

 解釈のルールは、一部違いをお認めいただきまして、ありがとうございました。また、返戻に関しても、はっきり言えば、これは、違うところと認められたところは直すということでよろしいわけですね。それから、返戻の取り扱いについては、他都県と同様の取り扱いに今後周知徹底をさせていくということで、局長、よろしいんでしょうか。

○水田政府参考人

 まさに、この返戻と審査に関する基本的考え方を徹底したいということでございます。

○坂井分科員

 そうしたら、最後というか、間にお話をいただきました審査委員会の件ですが、その選任の件はともかくとして、結果として違いがある、そして、この返戻の取り扱いに関してもこういう状況であったということは、審査委員会が機能していないということは私は明らかだと思うんですね。その理由は何かということを私はお伺いをしているんですが、局長は、その理由は、何で機能しないんだ、その機能しない理由はどうお考えですか。

○水田政府参考人

 お答えいたします。

 この点につきましても、私ども、神奈川県の社会保険診療報酬支払基金に尋ねたわけでございますけれども、この基金におきます審査運用上の取り扱いは審査委員会の合議によって決められることになっていることから、一部の審査委員の意見により左右される仕組みにはなっていないということでございます。支払基金からも、現にそのように聞いているわけでございます。

○坂井分科員

 そういったことで神奈川の支払基金さんの方にも十分な調査を前回の分科会のときに私お願いしまして、今回、調査をいただいていると思いますが、局長は、昨年の秋から、神奈川の診療機関、要は歯医者さん側が、支払基金に対して申し入れを行っているのを御存じですか。それは、私が今指摘したような申し入れを何回行ったか御存じですか。

○水田政府参考人

 そういった申し入れの回数につきましては、承知はしてございません。

○坂井分科員

 では、その申し入れがあったことは御存じですか。

○水田政府参考人

 そういった申し入れ、内容を私個々に知っているわけではございませんけれども、そういった御意見があるということは承知をしております。

○坂井分科員

 これは結構大事な問題だと私は思っておりまして、一つは、支払基金の件、また審査委員会の件に関して調査をお願いしてはいますが、こういうこともちゃんと御存じないということは、ちゃんと本当にこれを調査しているのかなという気がいたします。恐らく、支払基金の事務局に話を聞いて終わりじゃないかな。審査委員会の各先生方に話を聞いているとは到底思えない調査結果であります。

 昨年の秋から三回にわたりまして歯医者さんの側は申し入れを行っています。そしてその答えは、ここにありますけれども、これはもう簡単に述べさせていただきますと、今も局長がおっしゃったように、審査委員会というのがあって、合議制で行われているので適正に行われているということ、それから、審査上問題になります事例は、今後とも、審査委員会に諮りながら、監督官庁であります社会保険事務局の御指導、御助言を受けながら適切に行っていく、いわば、社会保険事務局の御指導、御助言を受けながらやっていたということを言っているわけです。

 そうすると、私これを聞いたら、この査定の状況は、ことし、去年の話じゃなくて、もう数年前からこの状況は続いているということですよね。御存じですか。数年前から続いているのをそのままにしておいたということは、神奈川というのは、担当の指導医療官というのはいないんですかね。指導医療官の仕事というのは、さっき局長がおっしゃったように、こういうことがないように、周知徹底していないということがないように、他府県と比べて神奈川が特別不利なことがないように、しっかりとこれを指導するのが指導医療官の仕事じゃありませんか。

 この点、指導医療官の仕事、これは大変に職務怠慢じゃないかと思いますが、その責任についてはどうお考えでしょうか。

○水田政府参考人

 先ほど申し上げましたように、その算定ルールの解釈について他府県の場合と解釈に違いがあったことは事実でございますので、先ほどの委員の構成のことにつきましては、やはり、まずはその解釈がきちんとなされれば、おのずと公平と申しますか、他府県とかなり近くなってくると思われるわけであります。

 ただ、個々人がそこでかかわったことかどうかというのは、まず、どうしてこの解釈が徹底しなかったかということについて、今この時点ではよくわかっておりません。  したがいまして、お求めでございますので、どういう経緯でこのような事態に至ったのか、もう少し調べてみたいと思います。

○坂井分科員

 それはそれで調べていただいて、今度はほったらかしじゃなくて、報告をちゃんといただきたいと思います。

 それと、私が申し上げたのは、この指導医療官が仕事していないんじゃないですかということを言ったんです。個人の影響力がどうのじゃないんですよ。指導医療官というのはこういうのをちゃんと是正するのが仕事じゃないですか、神奈川では医療指導官が仕事していなかったんじゃないですか、その責任があるんじゃないですかと聞いたんですが、それはどうですか。

○水田政府参考人

 その点につきましても、社会保険事務局の職員でございますので、確かめてみたいと思います。

○坂井分科員

 こういった形で今回ちょっと質問をさせていただきました。この指導医療官の制度、神奈川でもどうもちゃんと機能していないようでありますが、実は、昨年には東京で、この指導医療官が余りにも高圧的に、また強引に、脅迫的なものもあったのではないか、こう言われておりますが、そういった形で歯医者さんが自殺をするという事件が起きておりまして、この指導医療官の制度自体、一回しっかり見直していただくことが必要ではないかなということを提言させていただきます。

 そして、舛添大臣にお伺いをしたいんですけれども、今までこういう経緯をお話しさせていただいて、聞いていただきました。私は、やはりこの査定の点数、場所によってこれだけ差があるということは、どこで開業するかによって大変に不利にもなります。それから患者にとっても、歯医者さんがこの治療をしても保険がおりないと思うと、患者に今一番いい、最善の選択肢を提供できない、提案できない、こういう悩みもあるし、また、当然一回で済むものを二回、三回と必要になる場合もございまして、入れ歯の問題とか、それから、スケーリングといって歯垢を取るような話にしても、神奈川は一日で口の中が全部できないというようなことがありますと、二回、二日にわたって来なければいけない。

 そのようないろいろなことがありますと患者、県民にも不便がかかるということで、私、これはぜひとも全国公平になるように御指導いただきたいな、こう思うわけですが、御意見をちょっとお伺いしたいと思います。

○舛添国務大臣

 委員のお示しいただいた資料を見たら、神奈川だけが極めて異常ですね。こういう診療報酬を適用するときに、全国一律で決まったものが現場でこれまでの違いがあるというのは、これは公平ではない、公正ではない。

 したがって、なぜそういうことに立ち至ったか。今、返戻、査定といった専門的な言葉も出ましたけれども、いずれにしても、もう一度、個々の事情をつまびらかにすべく調査をさせたいと思います。

 その上で、解釈の幅はそれは一定程度あるかもしれないけれども、ここまで開くというのは極めて異常だと思いますので、そういう認識のもとにきちんと指導をし、是正すべきは是正する、それからまた、委員に対しても、またこの委員会に対しても必要な報告はするということをお約束したいと思います。

○坂井分科員

 どうもありがとうございました。

 それでは局長、今後またしっかりとこれは対応していただきたいと思っております。よろしくお願いをいたします。


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Last-modified: 2008-06-18 (水) 17:33:30 (3202d)