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「むし歯」についての解説コーナー・目次

むし歯について (基礎編) !

ウ蝕:dental caries :カリエス
歯科の二大疾患の一つ(むし歯・歯周病)

  • 定義
    ウ蝕とは「口の中に存在するある種の菌」によって、歯の無機質(カルシウムなど)が脱灰されて歯が破壊される病気です。

    脱灰(だっかい):酸によって無機質が溶けること

  • むし歯の発生メカニズム
    口腔内には多くの細菌が存在していますが、この中には複数の虫歯原因菌(むし歯菌)が存在しています。
    これらの細菌の働きによって歯の構成成分である無機質と有機質が分解されていきます。
  • 歯の硬さのもとであるハイドロキシアパタイトが、ある種の細菌が出す酸によって、カルシウムイオンとリン酸イオンに分解され、無機質が脱灰されます
  • さらには、細菌の作り出すタンパク質分解酵素によって有機質も分解されます
  • こうして、ついには歯に穴が開いてしまうのです。


1mgの歯垢には、およそ300種類・10億個もの細菌が棲みついています。さらに唾液1mlの中にも1億個から10億個。
これらの細菌は通常1日に5回分裂・増殖していて、口の中には数千億個もの細菌が棲みついています。
手入れを怠ると1日1兆個近くの細菌が棲みつく場合もあります。


むし歯の進行の様子


teeth.jpg虫歯のない状態
teeth1.jpg C1:エナメル質に限局したむし歯の状態です。まだ症状はほとんどの場合でてきません。
teeth2.jpgC2:象牙質までむし歯が進行した状態で水がしみたりしてきます。出来るだけ早く処置を受けることが大切です。
teeth3.jpgC3:むし歯が歯髄に達した状態です。歯髄(神経)に炎症がおきていて、ひどい痛みがでてきます。歯に痛みのある方は「歯が痛い人に」を読んでください。
teeth4.jpgC4:残根の状態です。場合によっては抜歯しないといけないこともあります。ここまで来ると痛みが出ないことも多いのですが、根の先が化膿して腫れてくることもあります。


「むし歯」のお役立ちリンク




今まで書いてきた事は、基本的な「むし歯」についての考え方です。それに対し、近年は「カリオロジー」として、もっと「むし歯」を科学的に捉えようと言う考え方が広がってきています。テレビのCMでも、「カリオロジー」という言葉を耳にする事がありますよね?これについて解説しましょう。

むし歯について(応用編) !


  • 1.実は歯の表面は食事をするたびに溶けています。

    <なぜ溶けるのでしょうか?>
    ほとんどの食事では炭水化物(でんぷんや砂糖など)が含まれています。それが口の中に入ると、唾液中の酵素(アミラーゼ)によってブドウ糖に分解されます。このブドウ糖は細菌類のエサとなり細菌類はえさを食べるとすぐに排泄をします。つまり細菌類のウンチですがこれが強い酸でありこのウンチによって歯の表面が溶かされます。ここまでの過程が2〜3分程度の短時間で行われます。つまり食事を始めるとすぐに歯の表面は溶けるのです。これを脱灰(だっかい)と言います。

    <歯が溶けて無くならないの?>
    それを防いでいるのが唾液です。とても重要でいろんな働きをしてくれますが、この唾液には酸を中性に戻してくれる働きと、溶けた歯の成分を補ってくれる働きがあります。でも細菌類のウンチが溶かすパワーにはかないませんが、食事が終わると細菌類もウンチを排泄しなくなりますので、それから2〜3時間かけてじっくりと溶けた歯を元通りにしてくれます。だから歯が無くならないのです。これを再石灰化(さいせっかいか)と言います。

  • 2.唾液の力の限界をこえた時に虫歯が発生します。

    歯が溶けても元通りになる、これは恒常性(ホメオスタシス)と言って生き物が本来持っている大事な性質です。しかしこの性質にも限界があります。
    歯について言えば、この限界をこえた時に虫歯になるのです。すなわち唾液が歯を修復する力を上回るほど歯が溶けた時なのです。
    その主たる原因は間食、夜食です。1に書いてあるように、歯が溶けるのは数分ですが元に戻るには数時間かかります。ですから間食が多いと元に戻る前にまた溶け始めてしまうのです。また寝ている時には唾液だほとんど出ないので、夜食つまり就寝前に飲食をすると朝まで歯が溶けることになりかねないのです

    ※狭義には恒常性(ホメオスタシス)とは本来細胞レベルの生理・生化学的動態における言葉です。分かりやすく解説するためにあえて広義に使っています。

  • 3.砂糖を食べるから虫歯になるの?

    本来人間は一日一食、せいぜい一日二食程度しか食事をしない生き物です。食事の間隔がそれだけ空いていれば虫歯になることはほとんど無いのです。
    しかし文明の発達と共に食料が容易に手に入るようになってきました。そしていつでも食べられる時代になるとそれに比例して虫歯が増加してきたのです。また砂糖が精製されるようになりその価格も下がってきて庶民の手に入りやすくなると、間食が多くなり虫歯もさらに増加しました。それが砂糖が虫歯の原因と言われてきた所以です。発展途上国では砂糖の消費量と虫歯の増加には相関関係があります。
    しかし日本を除く先進国では1970年代からフッ化物(いわゆるフッ素)を虫歯予防に応用してきたため、砂糖の消費量が日本より多いにも関わらず虫歯は日本より少ないのです。近年日本もフッ化物利用を徐々に行ってきていますので虫歯も少なくなりつつあります。
    (フッ化物については別に説明します。)

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ステファンカーブ 間食多し2.png再石灰化と脱灰のアンバランス.png







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Last-modified: 2009-03-25 (水) 08:28:30 (2922d)