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金属アレルギー



ピアスやネックレス等のアクセサリー同様、歯科で用いられる金属材料の中にもアレルギー反応をおこしやすいものがあります。

最近では金属アレルギーに加えて重金属※の体内蓄積による健康への影響が問題視されるようになってきました。

※ただし、金、銀、白金、一部の白金族元素などは重金属というよりも貴金属として別枠で扱う傾向にあります。

これは他の重金属と比較して単位あたりの価格が非常に高いこと、またイオンとして溶け出すことが少ないためです。

ここでの重金属とはイオン化しやすく溶出しやすいものをいいます。

(出典:Wikipediaより)



金属アレルギーは、金属をお口の中に装着してから何年もあとに突然発症することも多く、必ずしもすぐに症状があらわれるわけではありません。これ等を遅延性のアレルギー疾患と言います。

アレルギー反応により金属が直接触れる部分に症状があらわれるだけでなく、手足や全身まで影響が及ぶことがあります(掌蹠膿疱症・全身性接触皮膚炎など)。

これは花粉症やぜんそく、アトピーに代表される抗原抗体反応が起きる体液性免疫反応(I型アレルギー)とは異なり、免疫細胞(T細胞)の働きで生じうる細胞性免疫反応(IV型アレルギー)という、タイプの異なるアレルギー反応であることによります。

それでは歯科では具体的にどんな金属がアレルギー反応を起こさせやすいのでしょう?

お口の中には…

‖単佞篁肉からの浸出液(しんしゅつえき)の存在
血液、その他の体液
細菌が産生する酸や毒素
た物残渣
グ杣鏘眤阿梁減漾蔑磧Г口の中に金歯と銀歯・アマルガムなどが2種類以上共存する場合)
Σ硬戞湿度など

金属の溶出を促す因子がいくつも存在します。

免疫細胞がどの金属を感作(かんさ)※したかによって、金属アレルギーの原因となる金属はさまざまですが、一般的に金属材料の中ではよりイオン化して溶出しやすいものほどアレルゲンとなりやすい傾向にあるといえます。

金属アレルギーはだれでも起こるというわけではなく、その発症はお口に装着された金属とその環境によって左右されます。

なかでもニッケル、コバルトクロム、アマルガム(水銀)、などは、とくに成分が溶出しやすいため、より金属アレルギーを起こしやすいといわれています(逆にいえば口腔内で金属イオンが溶出しない場合は金属アレルギーは起こりません。金属が溶け出してイオン化することによってはじめて金属アレルギーが引き起こされるのです。)

また、多汗性の人、皮膚や粘膜の薄い人、アトピー疾患の有る人などもアレルギー反応を起こしやすい傾向にあります。

※体内に入った異物(ここでは金属とします)が異物として認識され、同じ異物が再び侵入すること防止するために記憶されること

反対にアレルギーの原因になりにくい金属にはどのようなものがあるのでしょうか?

貴金属である金や白金はイオン化傾向が極めて小さくアレルゲンとなりにくい金属です。 チタンも同様にアレルギーを引き起こしにくく耐食性に優れた生体への親和性が高い金属といえます。 ただ最近は特に女性においては ピアスによって感作されたり 女性ホルモン等と金は作用しやすいので金によるアレルギーも増えています。注意が必要です。 また 、革等も革なめしにクロムを使用しますので、革は隠れた金属アレルギー・(クロムアレルギーを起こします。)と言われています。 また マーキュロクロム(赤チン)なども以前良く使われていたので水銀に対して感作している年代の方もみえます。アマルガムなど注意です。 また噛み合う歯に違う金属が入っていると(片方にアマルガム・片方に金銀パラジウムなど)ガルバニー電流と言って電流が流れますので 金属がイオン化しやすくアレルギーを起こしやすい状況になります。そう言った注意も必要です。 出来れば口腔内にある金属は種類が多く無くて、出来るだけ統一された物の方が安全です。




【歯科における金属アレルギーへの対応】

金属が異物として一度感作されると、長期間持続し金属アレルギー自体は治療することが事実上できません。

対症療法になりますが、パッチテスト等で特定の金属に対して感作しているということがわかったら、原因となった金属を取り除きアレルゲンとならないもので修復しなおすことにより、その症状は緩解します。

しかし、人によって金属に対する反応性が異なるため、問題となった金属を除去したあとでどのような歯科材料を使うべきかここですべての事例を網羅することは困難といえます。

最近では歯科用金属(合金)中に含まれる微量元素に対してもアレルギー反応を示す人が出てきています。

このような場合、セラミックやハイブリッドセラミックなど金属以外の歯科材料に置き換える例が増えてきました。 ただし 歯科用の接着剤(レジンセメント)等に対して化学物質のアレルギーを起こされる患者様も稀にみえます。慎重に材料の選択をしていかなければならない場合も有ります。



01.jpg掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや足の裏に繰り返し多発する小さな膿疱(水膨れ)を特徴とする難治性の皮膚疾患をいいます。
02.jpg金属アレルギーだけでなく外界と体内とが交通する上気道や扁桃腺・口腔、そして歯などに細菌性の慢性炎症が存在することにより、それが原因となって発症することもあります(病巣感染)。
03.jpg金属アレルギーによって引き起こされる症状には、掌蹠膿疱症以外に接触性皮膚炎や湿疹なども比較的多くみられます。これらは口腔内に金属を装着した後すぐに症状が現れるのではなく、ある程度期間を経てから金属イオンが口腔内に溶出することによって体内に取り込まれ、やがてアレルギー反応が起こることで発症します。
04.jpg手足の水疱は数を増し、それらがつぶれたり爛(ただ)れたりを繰り返すことによって、皮膚が赤くなる、カサつき、皮が厚くなる、角質が剥がれ落ちる、などの症状が現われてきます。これらは不快な痒みや痛みを伴いやすく、経過がよくなったり悪くなったりを周期的に繰り返します。手足だけでなく膝や肘などにもこのような症状が表れることがあり(掌蹠外皮疹)、場合によっては糖尿病や甲状腺疾患を併発することも。
05.jpg上の画像と同様の所見が手のひらの皮膚に現れたもの。これらの症状は季節を問わず、ほぼ1年を通して現れるので非常に辛いものです。
06.jpg掌蹠膿疱症は、見た目は水虫によく似た皮膚疾患といえますが、水虫との大きな違いは水疱部分に細菌が存在するか否かです。水虫は白癬菌(はくせんきん)による感染症であるため水疱部分には白癬菌が存在しますが、掌蹠膿疱症の場合、水疱から細菌は検出されることはありません。このため掌蹠膿疱症は水虫とは異なり、他人に感染することはないとされています。
07.jpgこちらはパラジウムによる全身性接触皮膚炎のケースです。最近ではピアス等のアクセサリーによる感作のほか、女性ホルモンのエストラジオールが金に反応しやすいため、金に対してのアレルギー反応を示す女性が増えてきています。また、革製品等は革なめしにクロムが使われているため、革製品によるクロムアレルギーが引き起こされることもあり、このように革は隠れた金属アレルギーのアレルゲンとなっている場合があります。いずれにせよこれらの症状に対して自己判断による誤った対処によって症状が治まらないばかりかより悪化し、深刻な事態になる例が最近増えつつあり問題になっています。「おかしいな。」と思ったら自己判断せず、必ず専門医での診察を受けることをおすすめします。
08.jpgパッチテストを行っているところです。皮膚の表面に金属サンプルまたは試薬を浸みこませた絆創膏を貼り、アレルゲンとなりうる種類の金属を知るために行われる検査です。
09.jpg上の画像と同様にパッチテストを行っています(歯科用金属以外のアレルゲンに対しても検査が可能です)。掌蹠膿疱症等の場合、金属アレルギーは第3の原因で、第1は扁桃腺・蓄膿症・歯の病巣・歯周疾患等頭頚部の慢性炎症が原因となる事が多く、金属アレルギーとともにそう言った原因の検査等も必要となり、レントゲン・血液検査等も金属のパッチテストとともに大切です。
10.jpg30分後、24時間後、7日後に判定し、そこにアレルゲンとなる金属があれば、試薬を貼った皮膚が赤くなり、陽性と判定します。パッチテストで陽性反応が現れた場合には、口腔内に装着されている当該金属の除去または置き換えを考慮します。本来は金属イオンの溶出傾向を調べるDMA検査を行い金属イオンの溶出が認められた金属より置換するのが良いのですが現在DMA検査の機器を作っている会社が無くなってしまったのでこういった機器を置いている歯科医院とか歯科大学が限られているのも問題です。また金属の組成が分からないとき等は口腔内の金属を少し採取してX線マイクロアナライザー等で金属を特定する方法も有りますが 特定する機器が高額なのと検査費用も高額等で実施出来る施設は歯科大学病院等限られた施設しか出来ない場合も多いです。また、パラジウム等は遅延性に反応が出ますので必ず1週間後にも判定をしていただく事が大切です。またパッチテスト期間中 最初の72時間はお風呂に入れませんし 汗等でかぶれる事も有りますので特に夏場はパッチテストの時期としては適していません。秋から春先にかけてがパッチテストの時期となります。ご注意下さい。
11.jpg掌蹠膿疱症全体の約10%の症例において胸肋鎖骨関節や脊椎に関節炎の併発がみられ、しばしば痛みを伴いやすいということが知られています。人によっては首や腰にも痛みが出ることがあります。掌蹠膿疱症性関節炎とも言われます。







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Last-modified: 2009-01-20 (火) 22:03:01 (3021d)