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インプラント(人工歯根)

最近テレビや新聞、雑誌、そしてネットなどで「インプラント」がよく話題になっています。
それがどのようなものかはわからなくても、インプラントという言葉自体は知っている という方は、多いのではないでしょうか。
それだけ急速に浸透し、一般的になったと言っていいと思います。
では、歯科におけるインプラントとはいったい何なのでしょう。

虫歯や歯周病、そしてケガや事故などが原因で失われた歯のかわりになるものとして、 従来は取り外し式の入れ歯やブリッジといわれる装置が用いられてきました。
しかし、このようなものをお口の中で機能させるためには ブリッジの場合、隣や周辺の歯を削らなければならなかったり、 入れ歯の場合は自分の残された歯のうちで、土台となる歯の負担が過剰になりやすく、 やがてはその歯から失っていくことになりやすいといった欠点がありました。
それから、お口の中に装着する装置が大きくなるほどそれに伴う異物感や咬みにくさ、 そして味覚障害や発音障害も大きくなりやすいといった問題があり、 必ずしも受け入れやすいものとはいえない部分もあったと思われ、 これらの諸問題を、ある程度解決へと導くものとして、 めざましい発展を遂げているものが「第3の歯」ともいわれるインプラントなのです。

それではインプラント治療の流れについて、簡単にご説明しましょう。
治療方法には1回法と2回法がありますが、ここでは2回法について述べます。
(一般的な治療の流れを網羅できるよう、心がけましたが、 今、インプラントは国内で流通しているものだけで30種類以上あります。 医療機関やインプラントシステムによって、治療の流れが異なる場合があるため インプラントをご検討の方は、あらかじめ治療の流れを必ず担当医にご確認下さい。)





1.診査と治療計画
 ここでまず、インプラント治療が可能か否かの診査を行い、可能と判断した場合、今後の治療計画を立てます。
 より詳細な検査やインプラント手術前に前処置が必要になることがあります(※)。

      ↓

2.インプラントをあごの骨に埋め込む手術(1次手術)
 麻酔をして歯茎の粘膜を開いてあごの骨にインプラントを埋め込みます。
      ↓ 

3.あごの骨とインプラントが結合するまで待つ。
 おおむね2〜6ヶ月間隔をあけ、あごの骨とインプラントをしっかりと結合するのを待ちます。
 (上あごの方が下あごより、少し時間がかかることが多いです。)

      ↓

4.土台となる部分をインプラントと連結(2次手術)
 インプラント(フィクスチャー)の上に、人工歯の土台(アバッチメント)となるものを取り付けます。

      ↓ 

5.型どり
 歯型をとり、人工歯を製作します

      ↓ 

6.人工歯の装着
 土台に製作された人工歯を装着します。

     ↓

7.メインテナンス(定期的な検診・ケア)



【インプラントのメリット(ベネフィット)とデメリット(リスク)】

インプラントには従来の入れ歯やブリッジと比較して…


入れ歯のように取り外しによる煩わしさがない。

現在残っている歯の安定や保護をすることにより、あごの骨のさらなる吸収を抑えて骨の活性化も促し、老化を防ぐ効果も期待できます。

入れ歯やブリッジに比べ、より天然歯に比較的近い感覚で咬むことが可能となります。

歯があった時のように、味覚や発音がより自然な状態に近くなります。

より審美的で、自然な仕上がりが可能。

 …など、多くのメリットがあります。




ただ、インプラントに過度の期待は禁物です。
このようにインプラント治療には、従来の治療に比べて大きなメリットがありますが、 同時にいくつかのデメリットやリスクもあります。


現在のところ保険外診療であるということ。

最大のデメリットは、現在のところインプラント治療は健康保険が適用されておらず、 その診断から術後のケアにいたるまですべて保険外診療(※)になるために、 治療費が高額になるということです。
インプラント1本あたり、おおむね25万〜50万円前後の費用がかかり、  加えてあごの骨にインプラントを入れる環境を整えるための前処置や付加処置が必要な場合、 より詳細な診断が必要となるような場合にはさらなるエクストラコストが発生することになります。

(※)ただし、高度先進医療の承認を受けている医療機関でインプラント治療が行われる場合、インプラントそのものの手術や義歯(人工歯)等に健康保険は適応されませんが、 高度先進医療の適応症に該当する症例に限り、特定療養費として、再診料、検査、X線撮影、処置、投薬などに健康保険が適応されるため、自己負担が多少軽減されることがあります(2008年12月現在)。

すべての人に行える処置ではないということ。

 次のような方はインプラント治療ができない、または制限される場合があり注意を要します。
 ・重度の歯周病、糖尿病、心疾患を持つ方
 ・高血圧、血液疾患
 ・ヘビースモーカー(1日40本以上の喫煙)
 ・あごの骨の量が極めて少ない方
 ・骨粗鬆症、放射線治療を受けている方
 ・インプラントに対する期待が過大な方(著しい進化を遂げたインプラントですが、決して万能ではありません)

インプラントは外科手術です。

 術後数日間、腫れや内出血によるダウンタイムが考えられます。

治療後に気をつけたいこと

 健康状態の悪化や、全身的な治療を受けられた場合などに、  まれにインプラントと骨との結合が失われることがあります。


これらのインプラントのメリット(ベネフィット)とデメリット(リスク)について、 よく理解し、納得してインプラント治療を受けられるよう、 治療を受ける前に、担当医に相談、確認しておくことをお勧めします。 そして第3の歯といわれるインプラントですが、決してメンテナンスフリーではありません。
装着された後も継続的な管理が必要となります。








4.jpgインプラント1次手術後のエックス線写真です。あごの骨に3本のインプラントが埋め込まれています(左下の臼歯部)。歯周病や根尖病巣がある場合、あらかじめインプラントの埋入前に歯周病の治療や根管治療、抜歯等の処置を行い、感染リスクの低減や炎症などのコントロールをしておく必要があります。そして全身状態・基礎疾患の把握や他科との連携も大切な要素となります。
5.jpg下あごの左右臼歯部に最終的な歯が装着されました。このケースでは上部構造(人工歯)はネジによって装着されていますがセメントを用いた装着方法もあります。


6.jpg現在インプラントは、歯の欠損が1本からすべての歯がない場合にいたるまで幅広いケースで使用されていますが、もともとは無歯顎(歯が1本も残っていない状態)症例に対して開発され、特に下あごにおいて不安定となりやすい義歯を固定させることを目的として用いられてきました。この症例のように義歯をより安定させる目的でもインプラントは広く利用されています(画像は上顎無歯顎症例)。
7.jpgインプラントを利用した義歯の一例(オーバーデンチャー)。インプラントと義歯は「ボールアタッチメント」とよばれる装置で固定されます。





1.jpgインプラントがあごの骨に埋入されました。インプラントを埋入するにあたって十分な骨の量がない場合、インプラントの埋入前もしくは埋入時に骨移植や骨増生などを行います。また前歯部においては審美性が特に重要視されるため、骨増生に加え歯肉やその他軟組織の移植を行うことがあります。
2.jpgインプラントの埋入手術後にあごの骨とインプラントとがしっかりと結合するのを待ちます。概ね2〜6か月の治癒期間を経て土台(アバットメント)を装着し、インプラントや周囲組織に異常がないことを確認してから型どりをします。
3.jpg歯が装着されました。どの歯がインプラントかわかりますか?








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Last-modified: 2009-01-20 (火) 22:04:21 (3135d)