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歯並びについて !


歯並びについて

(お互いに良い結果になるために)

1. なぜ歯列矯正をするのか? (「不正咬合(こうごう)」は病気?)

 上下の歯の噛み合わせが適正でない場合を「不正咬合」といいます。その種類は
1.  叢 生 (そうせい)      (デコボコ)
2. 上顎前突            (上下の関係で上顎の歯が突出)
3. 下顎前突            (上下の関係で下顎の歯が突出) 
4. 開 咬(かいこう)        (奥歯で噛んだ時に前歯が噛み合わず開いている)
5. 過蓋(かがい)咬合      (開咬の逆で下あごの前歯が上顎の前歯の裏の歯肉に当る) 
6. 交叉(こうさ)咬合      (奥歯の噛みあわせが片側で上下逆噛み) 
7. 顎変形(がくへんけい)症  (上下の顎が左右前後で非対称)             などに分類。

さらに、

a.骨格性・先天性  (歯の土台となる上顎と下顎の位置のずれ)、
b.歯 性 ・後天性  (上下の歯の位置や傾斜の関係からデコボコやすき間ができるもの)とも分類されます。

この「不正咬合」を解剖学的正常咬合にすることが歯列矯正の目的です。

ところで、病気(疾患)は原因→経過→転帰(結果)の順で時間経過し、また統計から不正の発症頻度(%)等で説明されるのですが、 不正歯列の原因は個々に存在するものの放置した時の自然経過はまちまちであり、その転帰(結果)も予測通りではありません。

また、統計的に一箇所でも「歯列不正」を持つ人は60%以上も存在することを考えた時には、「歯列不正」に関してはおそらく学問(病理学)的な病気には当てはまらないと思います。

では、なぜ患者さんは歯列矯正を希望するのか? 歯科医師は勧めるのか?

a. 家族・親類の方に歯並び、噛み合わせが悪いと指摘されたから。
b. 顔立ち・口元がおかしいと思うから。
c. 発音が変だと思ったから。                                   など。

では、現実に歯列矯正術などの存在しない数百年前や、ごくごく少人数の社会であるアフリカやアマゾンの奥地に暮す原住民族などの間では歯が無くても、生きていくのに支障が無ければ(喪失歯の過去も住民の共通認識かも?)、非常に豊かな表情の笑顔でご自身の歯を見せてくれます。また、「八重歯」は日本人の多く方は若年者の笑顔として好印象をおぼえ、欧米では「ドラキュラの歯」と忌み嫌われる歯とは趣が異なります。

結論は、歯列矯正により解剖学的正常にすることでその機能が生涯にわたり健康で過ごせるか?は別です。現在よりはかなり良質の社会的・文化的な口内環境が得られると考えると理解し易いのではと思います。同一の目標にむけてお互いに協力して、出来るだけ単純な装置で、できるだけ少ない期間・費用で、より効果的な結果になるよう努力することが大切でしょう。

勿論、歯列不正は歯科の二大疾患《虫歯と歯周病》の危険因子となることはありますが、二大疾患の原因は歯の表面に存在する細菌であることには変わりは無いのです。

2. 歯列矯正の益

歯列矯正は以下のような「質」の改善をもたらすのが目的です。

1.審美性(顔立・歯並び)の回復 2.劣等感の解消 3.感染予防(虫歯・歯周病) 4.口腔外傷の予防 5. 発音の向上 6.口呼吸の改善による免疫力の向上7.治療(冠・ブリッジなど)の前準備として など。

3. 治療中の害 (痛みや不具合《偶発症》をあらかじめ知っておくこと)

長期間(数ヶ月から数十年)を要するのが歯列矯正です。痛みの程度は残念ですが、本人にしか解かりません。その判断基準としては、自分の前歯を力一杯自分の指で押してみてください。違和感があるでしょうか?また、その状態でその歯で噛んでみて下さい。痛みを感じますか?治療中永久に痛みが続くのではありません。ご安心下さい、約1〜5日ほどで歯の移動は終わります。また、痛みは歯だけではなく、舌や歯肉、頬・唇の内面にもキズなどが及びます。

1.歯根への影響(吸収など矯正力の反作用)
2.歯面への影響(虫歯菌感染による白濁と虫歯)
3.歯周組織への影響(歯周病菌感染)
4.口腔難組織への影響(内部装置による)
5.皮膚への影響(外部装置による)
6.アレルギー(金属ほか)
7.顎関節への影響(治療後完治もある)
など。

4. 治療開始時期・治療期間について

矯正治療の適齢期を6〜7歳、12〜13歳といわれる基準は人の骨の代謝(約90日)が歯と骨の間の歯根膜腔(約0.2〜0.3mm)であり、1回の調整で成人ではこの幅以内に調節し、成長発育中ではその数倍までが許容量といわれ、そのため治療期間は少なくなります。

開始の時期に関しては乳歯の前歯4本が生え始め(指しゃぶりなどの習慣を変える予防的時期)や、永久歯上下顎の四前歯の萌出時期(6〜7歳)、全ての乳歯が抜け落ちる時期(12〜13歳)、顎の成長が全て完了する時期(18〜20歳)など個人的な違いがあります。気になった時点で、歯科医にご相談して下さい。

人体の成長の速度は部位により違いがあり、5歳児では頭は85%、上顎は45%、下顎は40%に過ぎず残りはその後から青年期にかけて形成される。特に骨格に異常のある場合には主に遺伝に原因があり思春期に大きく変化する。第一次適齢期といわれる6〜7歳前後にその人の成人後の身長・体重の予測がつくことは両親といえども不可能であろう。
5. 治療後良い経過のために(移動後の保定装置の重要性)

形態的不正状態を解剖学的正常状態に直しても一生涯その状態で歯並び・噛み合わせに関わる日常の機能を営むことが出来るかは別問題である。個々人の機能変化は千差万別であり、それを予測して治療することは不可能で難しいことである。(治療後の長期経過観察から、安定している症例も多数あります。)

6. 治療後良い経過のために(患者さんに守っていただきたいこと)

1.通院の約束(装置の機能不全&治療期間の延長に) 2.食事の制限(装置の破損の回避へ) 3.十分な歯のブラッシング(治療中の虫歯治療は治療期間の延長に) 4.装置の取扱い(患者さんで行うネジの回転、ゴムの取替え、装置の着脱など) 5.保定装置(前項 5. の項目参照)

7. 矯正治療の概略の流れ

1. 初診(相談)
2. 精密検査・資料採取
3. 症例分析・診断結果と治療計画・期間&費用の説明など
4. 治療開始準備(装置の説明など)
5. 矯正治療装置に装着
6. 動的治療&経過観察
7. 治療終了・保定装置準備
8. 保定装置装着
9. 定期的経過観察
10. 終了

8. 治療費(自由診療)に関して

治療費総額の実際(金額):

「小児不正咬合の医療体系に関する研究報告書。医療経済研究機構
〔(財)医療経済研究・社会保険福祉協会〕編からの抜粋。期間等は判明せず。」
一律料金設定か?装置ごとの料金(出来高払い制)?かお尋ね下さい。また、支払い方法が一括か?分割可能か?支払い時期の確認等書面にて契約書を取り交わすことは、治療内容の確認についても契約書は当然必要です。

また、両親の仕事等により、治療途中の転居等(大事です)による継続治療時に続いて診療担当の歯科医への紹介や、資料等の取得が可能か?などあらかじめ考えられる提案は、主治医にお聞きくさい。

9. 避けよう「歯列矯正トラブル」

患者側の診療判断基準と術者側の判断基準に温度差はないか?常にコミュニケーションが必要と思います。それを避けるためには、数年から数十年までお付き合いすることも有り得る先生ですから診療を受けるかどうか決定する前に、「セカンド、サードオピニオン」も必要かと思います。

トラブルにならないためには、本当に「信頼」に足りうる先生とご縁が出来るように、お互いに十分に話し合い、納得してから治療に入るように気をつけたいものです。

参考文献; 歯科矯正トラブルの法則 (著)亀田 晃 他  クインテッセンス出版K.K.(2006年)







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Last-modified: 2009-01-20 (火) 22:01:12 (3194d)