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ニッケルクロムの安全性についての国会質疑

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/120/0390/12003130390003a.html

公明党 薮仲義彦

ニッケルクロムの安全性について議論されています。


第120回国会 予算委員会第四分科会 第3号

平成三年三月十三日(水曜日)







○薮仲分科員

 きょうはちょっと保険局にしっかり聞こうと思ったのですけれども、心にかかることができましたので、先にお答えいただきたい。ニッケルクロムの安全性について、当初から毒性学の専門の佐藤温重先生もニッケルクロム合金の毒性ということで非常に心を痛めておられまして、これを先に聞いてまいります。

 まず、薬務局、ニッケルクロムの安全性について、好ましい歯科補綴材料あるいは帯環材料と考えているかどうか、簡単にお答えください。

○川崎政府委員

 歯科鋳造用ニッケルクロム合金につきましては、金銀パラジウム合金などに比較いたしまして、鋳造、研磨等の加工技法が困難であるというようなことも言われております。

 ただ、安全の面につきましてでございますが、冠用の歯科鋳造用ニッケルクロム合金につきましては昭和六十年に承認基準を設けまして……(薮仲分科員「時間がないから結論だけでいいですよ。あなたよりわかっているから」と呼ぶ)この基準に適合する材料であれば安全性に問題はないと考えております。

○薮仲分科員

 薬務局長、歯科鋳造用と今おっしゃった。私は、ニッケルクロム、板も線もと言ったのです。ニッケルクロムと言ったのですからね。私の質問を履き違えないで聞いてください。基準承認されているのは歯科用鋳造用冠だけですからね。ニッケルクロム冠だけですから。板も線も基準はありませんよ。間違えないで答えてください。

 それから、保険局長にお伺いしたいのは、鋳造用のニッケルクロム、冠用ですね、これはいわゆる鋳造用の歯科材料として好ましい材料と考えていらっしゃるかどうか。厚生省の見解。

○黒木政府委員

 私どもは、安全性あるいは品質等につきましては薬事法の承認という形がおりているわけでございますから、薬事法上の安全性とか品質等については問題がないというふうに考えざるを得ないわけでありまして、その上に立って、保険としての導入の妥当性ということになろうかと思っておりますけれども、これは関係学会、中医協等の議論を経まして保険導入の了承をいただいておるわけでございますから、ニッケルにつきまして保険としての診療に必要な材料だというふうに認識をいたしております。

○薮仲分科員

 私が言いたいのは、保険局長には安全性ということは一言も聞いてないのですよ。いわゆる補綴学上加工性、操作性、そういうものについて、今の他の金属冠と比べて補綴の金属材料として優秀であるかどうかと聞いたのですから、私の質問内容を両局長ともきちんと聞いておいてください。

 薬務局長のために、私はきょうは佐藤温重先生の名誉のためにちょっと反論しておきますけれども、これは日本補綴歯科学会の補綴用材料の専門的な雑誌です。これは補綴学会の当時の会長の平沼謙二先生が歯科材料というのはどうあるべきかということをワークショップとして全部研究したのです。その中で、佐藤温重先生がこう言われているのです。佐藤温重先生の項を読みます。ここで、毒性の問題については、歯科材料の毒性学を専門とされる東京医科歯科大学歯科部第二歯科理工学教室の佐藤温重教授、私はお会いしました。先生の書かれた論文もいろいろ読みました。ここに先生が出されています「ニッケル・クロム合金の毒性」、佐藤温重先生ですね。この中で、結論だけ読みます。

 「ニッケル・クロム合金は、」「耐蝕性の不良な合金では安全性に問題がある。」のです。いいですか。

 溶出金属量は微量であり体内に吸収される金属量は少ないので、ニッケル・クロム合金は安全であるという考えがある。しかし、毒性は濃度の関数であるばかりでなく時間の関数であり、ニッケル・クロム合金の慢性毒性試験を実施し、微量長期摂取の安全性を確認した上で結論を導くべきである。

 ニッケル・クロム合金のみならず、歯科材料は前臨床試験により安全性が保証されたものについて、小規模の臨床試験を行い、既存の歯科材料と比較し優れた材料を選別し、一般臨床に使用することが、医の倫理からして必要であろう。既存の補綴材料と比較しここからですよ、ニッケル・クロム合金は安全性の優れた材料とはいえない。

これ、佐藤先生の結論ですよ。よく心にとどめておいてください。

 毒性試験は毒性陽性の証明に重点をおいているが、本来安全性の評価は毒性陰性の限界を出すのですよ。いいですか、局長。

 本来安全性の評価は毒性陰性の限界を証明すべきである。しかしこの種の研究はなされておらず、ニッケル・クロム合金の許容量・安全域について結論を出すことは困難である。

 毒性学の先生ですら安全性に問題があり危険だとおっしゃっているのです。これはきょうは、もっとたくさんやりたいのですが、やめておきますけれども、このニッケルクロムについては非常に危険なんですよ。だから、私申し上げたいのですけれども、厚生省はそうやって安全だ、安全だとおっしゃるのですけれども、これはひとつ薬務局長、帰ったらお読みになってくださいよ。

 「日本歯科材料工業協同組合理事長殿 厚生省薬務局安全課長」、薬安、これは薬務局安全課ですね、第一〇四号、昭和五十八年七月七日、「貴組合より提出のあった歯科用ニッケルクロム合金の使用上の注意事項記載案については」云々と出ているのですが、真ん中抜かしますけれども、これは、私が、ニッケルクロムにはベリリウム、発がん性の物質が入っていますよ、基準承認しなさいと言って、ベリリウムの含有をゼロにしたのですよ。でも、ここにこう書いてある。なぜこんなことを書いてわざわざ導入するのですか。

 「ニッケルに対する過敏症の」、これはアレルギー性ですよ、「既往歴のある患者には、使用しないこと。」「発疹等の過敏症があらわれることがある。」「技工作業の際には、粉塵よる人体への影響を避けるため、適切な防塵装置等を使用して、粉塵を吸入しないよう注意すること。」これはベリリウムを含有していないものもですよ。

 今度は、含有している方も同じです。「ベリリウムを含有するもの」、1と2は「ベリリウムを含有しないものに同じ」、「本合金の鋳造設備附近には、適切な換気装置を設けるなど密閉した部屋での作業を避け、鋳造により発生する粉塵及び蒸気を吸入しないよう注意すること。」「研磨作業などの際には、粉塵による人体への影響を避けるため、適切な防塵装置を使用して吸入しないよう注意すること。」

 それほど安全だと言うのだったら、何で厚生省の薬務局の安全課がこんな通達を出さなければならないのですか。

 きょうはやめておきますけれども、日歯も日歯会員指導書を出しているのです、このニッケルクロムはよくないといって。きょう私がちょっと電話したら、ニッケルクロムに対する厚生省の見解が非常に不愉快でしたから、きょう改めて言っておきます。これについては加算点数を減らしてもらっていますけれども、この毒性についてはもう一度折を見て厚生省としっかりと論議をさせていただきたいと思っています。




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Last-modified: 2008-12-19 (金) 07:54:36 (3165d)