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ポリサルホンについての国会質疑その3

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/120/0390/12003130390003a.html

公明党 薮仲義彦


第120回国会 予算委員会第四分科会 第3号

平成三年三月十三日(水曜日)






○薮仲分科員

それから、次の問題に入ります。  ポリサルホンについてですが、これは簡単に答えてください。いかなる理由によってポリサルホンが保険点数として高いのか。さっき総義歯のことを言いましたけれども、アクリリック樹脂でやりますと五千点、スルホン樹脂系を使いますと八千五百十四点、八万五千円に値が上がるわけです。補綴の先生も臨床の先生もこのポリサルホン樹脂の導入については疑問を持っています。なぜこんなに保険点数が高いのか、簡単に言ってくださいね、長く言わなくて結構ですから。

 それから、導入に際して臨床例は何症例で導入したか。

 それから、現在、日本の国には二十九の歯学部があるのですが、二十九の歯学部で、現在このポリサルホン樹脂についてきちんと講義をしている大学はどこか。この三つ、きちんと答えてください。

○黒木政府委員

 ポリサルホンの評価が高い理由でございますけれども、アクリル樹脂の義歯床に比べまして破損することが少ないこと、たわみ、ゆがみが少ないため、残存歯等の保護上の観点及び義歯全体の安全性等の観点からすぐれていること、薄く製作できるため、口内に装着したときの異物感が少ないことなどの特性から、有効性、効率性等の点において保険診療上も高く評価できるという観点から高い点数の設定になっていると承知いたしております。

 それから、導入の際の臨床例は六十例と承知いたしております。

 全国の大学の中で講義している大学の数というお尋ねでございますけれども、私、承知をいたしておりませんので、申しわけなく思っております。―手元の資料によりますと、ただいま三大学で教育していると承知をいたしております。

○薮仲分科員

 ですから心配なんですよ。厚生省、もっとしっかり真剣にやらにゃ困るのです。私は何も歯学部を出た人間じゃないのですよ。ど素人です。でも今の問題、全部反論できるのです。

 いいですか。さっきの補綴学会誌の中できちんと反論されているのです、これは。いいですか。

 今、弾性値とかなんとか言いましたけれども、ポリサルホンは、「たわみは起こるが破折しにくい性質をもっていること」は確かである。しかし、「床の連結部として床の欠損部の咬合圧による回転・移動を抑制するためには、曲げに対する剛性すなわち曲げ弾性係数が高いことが必要」なんです。この曲げ弾性係数は、ポリサルホンレジンの弾性係数が、いわゆるアクリリック樹脂ですね、レジンの「それと比べてやや小さいか、あるいはほとんど有意差のないことを意味する。」確かにポリサルホンはたわみにくいけれども、口腔内に入れたときに必要なのは、この曲げ弾性係数なんです。ここに表がありますけれども、ポリサルホンとアクリリック樹脂とは有意性の差はありません。意味のある差ではありません。金属床にかわるなどというものではございません。これは明確に出ているのです。

 それで、大臣、きょうは本当に残念でやむを得ないのですけれども、今の、六十症例ということでお入れになったのですけれども、六十症例で入れたということも、これはここにあるのですよ。「ポリサルフォン樹脂義歯床(ユービープリフォーム)の臨床試験報告」、これだけで厚生省は六十症例でお入れになったのです。

 ところがこれに対して、いいですか、東北大学の佐久間先生の報告があるのです。「全国歯科大学の補綴学教授およびその推薦による臨床歯科医師を対象としたアンケートの結果によっても、ポリサルフォンレジンの使用頻度がきわめて低く、多くの使用経験による客観的な調査を行うことができなかった。」しかし、「臨床成績の報告としては、佐久間教授の報告がある。ポリサルフォンレジンを用いた義歯患者八十六名、百十六床についての臨床経過報告である。発生した事故の内容は床の破折および床からの人工歯の脱落であるが、装着した百十六床のなかで、事故の発生件数が二十七床であり患者別にみると全八十六名中二十三名であった。」四人に一人事故が起きているのですよ、このポリサルホンは。

 しかも、もう一つ。これは広島大学の津留先生のところのデータもあるのです。総義歯十五症例、人工歯脱離、不適合四症例です。これでいきますと何と二六・六%、三、四人に一人はこのポリサルホンによって不適切であるという指摘がなされているのです。

 そこで、私が何を言いたいかというと、このように、厚生省の歯科材料の導入の仕方には事ほどさように問題が多過ぎるのです。ですから、補綴学会や専門学会の先生が歯科材料を導入するときに注意していただきたいといって言われたことがあるのです。

 それはどういうことか、きょうはここだけ読んで終わりますけれども、いいですか、歯科材料について、薬事法で安全だということだけではだめなんです。安全だけでなくて、咬合調整とか歯科材料として、臨床医あるいは患者が本当にこの材料はいいという結論が出なければだめです。そこで、こうなっているのです。「臨床術式、臨床例など各大学で実施され適法として、また教育として受入が可能と云える段階になるまでは保険制度への導入は行わない。」

 二十九の中で三大学というのは、大阪大学、広島大学と明海大学とごくわずかですよ。ただそれは講座の中で説明しているだけですよ。ですから、例えば、東京医科歯科大学、東京歯科大学、愛知学院大学でも、このポリサルホンについてはどこの大学も教えていないのです。二十九の大学で教えていないということは、学生がだれも知らない。それが保険に入ってくる。患者の中に大学でも教わらない材料をほうり込むのですよ。こんなことをよくも厚生省はやるものだ、人体実験かと言う先生もいるのです。

 「同時に臨床医の使用経験と、その有用性が示される必要がある。」保険制度への導入に関しては、もちろん日歯や専門学会の意見を聞いてください。

 これは厚生大臣と保険局長に出ている文書です。

 このように、全国の大学の先生はポリサルホンを一人も講義していないのです。それなのに保険には高い点数で入ってくる。こういうことを厚生省はなぜおやりになるのか。歯科についてもっと真剣に、厚生省も、保険局長も薬務局長も勉強してくださいよ。もっとしっかりやっていただきたい。私の周りにいる臨床の先生が、まじめな先生方が、これから高齢化社会で、お年をとられた方のために本当に安心して総義歯をつくりたい、こうおっしゃっているのです。  歯科については、これが改善されるまで私また何回でもやります。

 最後に大臣の決意を伺って、終わります。

○下条国務大臣

 薮仲委員にお答え申し上げます。

 委員はかねてから歯科問題についての御造詣が深く、しばしば委員会でもいろいろと卓見を御披露していただいていることも承知いたしております。本日は、赤本、青本の乖離の問題等から始まりまして、最後には材料の問題等についての御所見も承りました。

 高齢化社会が進むに当たってやはり皆様が入れ歯を使われるようになるということも想定されますし、御親切にも私もいずれは入れ歯になるであろうというお話もございましたけれども、幸い私は今は使ってはおりませんが。そういうようなことで、高齢化社会における歯科医療の充実の観点から、この間の四月の改定によりまして欠損補綴の引き上げ等を図ったところでございます。今後とも高齢化の進展等に対応いたしまして、国民に効率的で良質な歯科医療を提供できるように、歯科診療報酬のあり方を引き続き検討してまいりたいと思っております。

 なお、診療報酬における個別行為の評価のあり方等、技術的に検討すべき問題点につきましては、今後とも関係者の御意見を参考とし、また先生の御意見も当然参考にさせていただきまして、中医協の御議論を踏まえながら十分な検討を行い、適切に処理してまいりたいと思っております。

○薮仲分科員

 終わります。

○粟屋主査

 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。


関連項目

歯科の初診料、再診料に関する質問主意書

の質問1をご覧ください。


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Last-modified: 2008-12-15 (月) 07:47:27 (3054d)