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医療分野における情報化促進のための国内外の実態調査報告書の公表
レセプトオンライン化に関する韓国実態調査

 総務省では、医療分野の情報化の推進に資するため、特に業務の効率化が大きいと期待される診療報酬請求(レセプト)のオンライン化に着目し、特定非営利活動法人日本医療情報ネットワーク協会に委託して、韓国のレセプトオンライン化の実態等を調査しました。この度、報告書が取りまとめられましたので公表します。
 なお、報告書概要は次のとおりです。
 また、報告書(PDF)は、総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp)に掲載します。~

1 調査概要~ (1)  背景・目的
 2006年1月、IT戦略本部より「IT新改革戦略」が発表され、その中で医療分野においては診療報酬請求(レセプト)の完全オンライン化が示された。日本のレセプトは、現状ではほとんどが紙の状態で処理されており、医療保険の事務処理の抜本的な効率化が求められている。また、今後は豊富な医療情報が収納されているレセプトを医療情報として活用することが期待されている。
 一方、韓国では、1995年12月から診療報酬請求・審査EDI(電子データ交換)の試験サービス開始、1998年4月全国拡大、今日では90%を超える電子化率を達成するとともに、世界でも最大規模の医療データウェアハウスを構築し、単に医療保険事務の効率化にとどまらず、医薬品の適正使用、疾病の流行把握、疾病管理等、医療の安全と質の向上のために有効活用している。
 そこで、レセプトオンライン化の先進国である韓国の実態を調査(事前書面質問、現地訪問等)することにより、我が国での有効なレセプトオンライン化の推進、医療分野の情報化の推進に資することを目的とした。

(2)  調査報告書の概要
 調査団では、文献・インターネット調査等に基づき事前質問状を韓国関係機関に送付し回答を得た上で、本年1月、韓国保健福祉部(我が国の厚生労働省に当たる)、国民健康保険公団、健康保険審査評価院、韓国テレコム(KT)等を訪問し、それらの調査結果をとりまとめたものである。

2 調査報告書のポイント
(1)  レセプトのオンライン化による効果
 レセプトの処理について、医療機関から審査支払機関を経由し医療保険者まで一貫したオンライン化を実現し、レセプト情報のナショナルデータベースを構築・分析することにより、保険事務の効率化とともに医療費の適正化、医療の質の向上等に寄与
1)  医療保険事務を抜本的に効率化し、事務経費を大幅に削減
2)  レセプトの迅速な審査を通じ、医療費の適正化を実現~ 3)  レセプト情報を活用した生活習慣病対策や疫学的研究等による医療の質の向上を実現~

(2)  韓国の現状、実情
1)  オンライン化率 : 93.5%(2004年)
2)  オンライン化による事務経費削減額
審査支払機関 年間16億円(実績)
医療機関    年間233億円(推計)

3)  レセプト情報の活用事例
医薬品の不適正使用の発見
レセプト情報の医学研究への活用(疾患の再発率の分析等)
医療の質の目標管理


(3) 我が国のオンライン化に向けて
1)  レセプトオンライン化の推進
 レセプトのオンライン化とその情報活用を早急かつ円滑に実現し、効率的、有効なシステムとするためには、診療報酬の体系や点数表の構造、加算・適用基準の記述方式をコンピュータ処理に適したものに変えることが望ましい。~ 2)  レセプト情報を分析活用する体制整備
 レセプトのナショナルデータベースを構築・運用する際の分析評価体制の一元化、個人情報保護に十分配慮したセキュリティの高いネットワークの構築、関係法令へのレセプト情報活用の明記等が望ましい。


3 報告書の構成
 第1章  韓国医療保険制度
 第2章  訪問調査報告
 第3章  EDI化の効果
 第4章  韓国EDI成功要因
 第5章  日本のレセプトオンライン化
 資料~
4 その他~  別紙(PDF)  「医療分野における情報化促進のための国内外の実態調査報告」
レセプトオンライン化に関する韓国実態調査~


http://www.soumu.go.jp/s-news/2006/060425_2.html



レセプトオンライン化に関する韓国実態調査より抜粋(71.72.73.ページ) !

EDIによる医療費抑制効果

EDI 導入は韓国医療費にどう影響したのだろうか?
理論的には請求書を紙で出そうと磁気媒体で出そうと医療費には影響無いはずである。しかし実際には、EDI 化はそれ自体に医療費抑制効果があったことを示すエビデンスがある。次頁上図は電子化率を線グラフ、レセプト一件当たり金額を棒グラフで98 年から2005 年の推移をみたものである。
一件当たり金額は紙提出されたレセプトを黒、EDI 化されたレセプトを白で示した。
一見して明らかなように電子化率がまだ低かった98 年を除き、EDI 化レセプトは一貫し て紙提出されるレセプトより金額が低くなっている。あたかもEDI 化すればそれだけで一件当たり金額が下がるかのような印象を受ける。そうなると理論的には100%磁気化が完成すればかなりの医療費抑制効果があることになる。

なお上のグラフは審査評価院が作成したものではなく審査評価院が使用したパワーポイ ント等の数値をもとに作成したグラフである。このグラフについては議論があり、入院レセプトについてはEDI 化した場合週単位請求も認められているので、その影響ではないか、という見方もあった。しかしながら韓国のレセプト件数は外来約3 億件に対して入院は560万件にすぎず、また週単位請求もまだ一般化していないことを考えると入院レセプトの週単位化は一件当たり金額にほとんど影響を与えない、と判断できる。
EDI 化そのものの医療費抑制効果はあまり喧伝しない方針のようだが、訪問した審査評価院のインタビューではEDI 化自体に医療費抑制効果があるのは確実なようである。次にEDIが韓国医療費をどれだけ削減する効果をもたらしたか試算してみた。
2004 年を例にとると,レセプト件数は6 億5232 万件(EDI 請求率は89.7%), 診療費総額 は22 兆3526 億ウォンであった。ところがレセプト一件当たり金額ではEDI レセプトは紙レセプトより低く,EDI 請求されたレセプトは33600 ウォン,紙レセプトは40400 ウォンであった。
もし全レセプトが紙請求のままだったと仮定すると6 億5232 万件X40400 ウォン=26 兆 3750 億ウォンと予想される。すなわち26 兆3750 億-22 兆3526 億=4 兆223 億ウォン 電子化によって低くすんだと考えられる。率にして15.3%の削減効果があった。
逆に100%EDI 化されたと仮定すると。6 億5232 万件X33600 ウォン=21 兆8902 億ウォン と予想される。すなわち22 兆3526 億-21 兆8902 億=4624 億ウォンさらに節減できる可能性があることを意味する。韓国のEDI 化率はすでに90%超になっているため,EDI 化のみによってこれ以上節減する効果はあまり期待できないといえそうだ。
韓国は98 年からの6 年間で電子化率を9.5%から93.5%にあげたが、2005 年の年間医療 費は24 兆ウォンと推計されるものの、もしEDI 化しなかったら今頃は30 兆ウォンを超えていたと推定される。言い換えれば、93.5%の電子化は紙レセプトのままだった場合に比較して 21.1%の医療費削減効果をもたらしたといえる。



京都府保険医協会のニュースより !

■レセ情報のデータベース化提言/総務省が調査報告
  総務省は、9割以上のレセプトオンライン化が進んでいる韓国の実態を調べた「医療分野における情報化促進のための国内外の実態調査報告」の報告書を発表した。韓国ではオンライン化により、数億円規模の事務経費が削減できたほか、医薬品の不適正使用が見つかるなど医療費適正化の効果も上がり、日本でも早急にレセプトオンライン化を目指すべきなどと強調している。医療費に関する情報収集、分析、評価などに当たる「レセプト情報分析評価センター」を中医協の下に設置して、レセプトのナショナルデータベース化を進めることを提言した。






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Last-modified: 2008-03-17 (月) 14:53:17 (3921d)