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差額徴収とは !

産経新聞 Sankei Web「ゆうゆうLife 生きる活かすー社会保障」より一部抜粋

「差額徴収」とは、たとえば、金歯などにした場合、保険で定められた医療費以外に材料代や医師の技術料を徴収できるというもので、昭和五十一年まで認められていた。昭和三十六年の国民皆保険制度導入で医療費が増大したため、その抑制策として認められ、自費での上乗せ額に基準はなかった。

 このため、過大請求が相次ぎ、患者側の不満が爆発。厚生省(現・厚生労働省)は差額徴収を廃止する代わりに、義歯とかぶせ物に保険外の材料を使う場合に限って、一部を保険診療にできるようにした。

 だが、「歯科に上乗せはつきもの。いい治療は高くて当たり前」という意識は、その後も歯科医、患者双方から簡単になくならなかった。

日本歯科医師会HPより !

日本歯科医師会HPより一部抜粋

さらに、歯科医師会全体が、自己改革を怠ってきたことを指摘したい。例えば、昭和40年代後半に社会問題となった「差額徴収問題」では、一部歯科医師に よる制度の濫用が不正請求まがいの倫理的に許されない行為として、大きな社会的批判を受けた。その際、濫用した者の徹底的な処分ではなく保険の解釈として 取り繕い、抜本的改革をせずに今日に至ったことも、問題のある体質を作った源のひとつと言える。

厚生白書(昭和51年版)より !

厚生白書(昭和51年版)より一部抜粋

(4) 歯科差額問題

 通常必要とする歯科治療は,保険診療で受けられることになっているが,14金を超える金合金,白金加金及び陶材を用いたり,特殊な補綴等を希望する場合は,保険とは別の費用を必要とするいわゆる差額徴収治療が認められてきた。この差額徴収治療については,一部に取扱いの適正を欠く事例が見受けられたので,49年3月差額治療の範囲,要件等について都道府県知事に通知し,また,49年10月9日中医協に対し「保険診療における歯科領域の差額問題に関し」諮問を行った。この諮問を受けた中医協は,同年11月歯科部会を設け,この問題を審議することとなった。しかし,その審議は,委員の辞任届の提出により一時中断し,ようやく51年2月10日中医協が再開された。その後,2月25日には歯科差額問題についての「日医側の意見」が日本医師会推せん委員から提出され,3月11日には歯科部会長から歯科部会の審議経過について中間報告を行い,この問題は診療報酬改正の審議と関連して,全員懇談会において審議された。この審議においては,特に,42年中医協の建議と現行行政の取扱いの異なっていることが論議となった。そして3月15日の全員懇談会において,日本歯科医師会推せん委員2名は歯科差額問題に対する日本歯科医師会の見解を表明するとともに審議に協力できないとし退席し,以降7月28日までの間の総会及び全員懇談会には欠席した。しかし,中医協は,前述のとおり審議を継続し,同月23日次のとおり答申を行った。

 『昭和49年10月9日厚生省発保第81号をもって諮問のあった保険診療における歯科領域の差額問題に関し,次のとおり答申する。

1. 歯科の差額徴収は,歯科材料費のみに限ること。

2. このため,従前の差額徴収に関する局長,課長通達は廃止し,新たな取扱いを通達すること。

3. 昭和42年11月17日以降の高度の技術を伴う新開発技術点数等の設定は,3か月を目途として措置すること。

 この答申の趣旨を実施するため関係者と折衝を重ね,6月29日,従来の歯科差額徴収に関する通知を7月31日限りすべて廃止することを通知し,その後,7月27日には,歯科領域における差額徴収は答申の趣旨を基本方針とするものであること,中医協の答申のうち,使用した歯科材料費の差額徴収の実施は,所要の諸条件の整備を待つ必要があり,それまでの間は当面の措置として,まず,従来の差額徴収に関する通知を廃止したものである旨この廃止の趣旨について通知し,更に同月29日廃止に伴う経過措置等について通知した,これにより本年8月1日から歯科の差額徴収治療は廃止された。なお,前述の「所要の諸条件の整備」について,7月28日の中医協において引き続き審議を行うこととなった。一方,歯科保険診療における苦情の相談については,従来どおり都道府県保険課,国民健康保険課,社会保険事務所,健康保険組合,市町村等各保険者における苦情相談窓口で行っているが,他方,日本歯科医師会においても7月24日保険給付外診療の料金の自粛措置等を決め,会員の指導に当たっている。

「日本医師会 戦後50年のあゆみ」 !

「日本医師会 戦後50年のあゆみ」より一部抜粋

中医協の答申は,歯科の差額徴収問題について 「材料の価格差に限るべきだ」としたが,この点に日本歯科医師会が反発し,歯科の診療報酬引き上げは4 月は見送られた。
武見会長は日本歯科医師会の姿勢を非難し,日本医師会と日本歯科医師会は対立状態 になった。
この問題は,田中厚相が日本歯科医師会と妥協して,歯科には保険診療と自由診療の2 本立て医療費を認めることにして,歯科の診療報酬は8 月から引き上げられた。
日本医師会は,この決着を厳しく批判した。

田中厚相は歯科の差額徴収問題で日本歯科医師会との協議を重ね,6 月29 日に,「現行の差額徴収を認めた昭和30 年と42 年の通達を7 月31 日で廃止する」との保険局長通達を都道府県知事あてに流した。
廃止される通達は,金合金,白金合金を使う治療に差額徴収を認めたものだが,技術料の差額も認めていたため,歯科医のなかに法外な料金を取るものが多くなり,世論の批判を浴びていた。
通達廃止で金や白金を使う治療は自由診療となるが,「歯科医師会が自粛策をとるので,患者の負担は軽くなる」と厚相は説明した。

神奈川県保険医協会 混合診療問題ニュースより !

神奈川県保険医協会 混合診療問題ニュースより抜粋

混合診療”とは何か?

       ―その罪悪 医療保険の質を低くし固定化させる 歯科の歴史にみるー

 1967年、歯科では一片の局長通知により歯科で差額徴収制度が認められました。これは、歯科治療の主要部分にかかわるもので、保険の効かない治療材料の差額だけでなく、保険の効かない技術に関する差額も事実上、認める混合診療でした。既に認められていた1955年の材料差額容認通知を補強するものでした。
  時代は高度経済成長期に突入し、医科では内視鏡やCTなどの新技術や新薬が、強烈な個性の故武見・日医会長の下、医療保険に導入されていきます。
  一方、歯科は「ミリからミクロへ」と言われた技術革新が進み、近代医療が医療現場に導入されていく時期ですが、当時の厚生省は、保険診療の拡充・改善を放置する、差額徴収路線という歯科軽視政策をとりました。その結果、歯科医療費の割合が大幅に減少しました。1976年に差額徴収制度は廃止され一時、シェアは回復しますが、歯科の低医療費政策は一貫しており、今では調剤医療費の11.6%を下回る8.3%(02年度)となっています。
  今、診療所の初診料は医科が274点で歯科180点、再診料は医科73点、歯科38点ですが、かつては、医科も歯科も点数が同じでした。  このように、混合診療は医療保険を改善させずに、低質固定化することが歴史的に実証されています。
  また、当然ながら、差額分を払える富裕層と、払えない低所得者層、中間層とに分断され、「金の切れ目が医療の切れ目」となる、階層別の医療となります。 実際、歯科は差額(保険外負担)への不安が国民意識に根強く浸透しており、有病率90%に対し受診率10%でここ数十年推移しており、極端な受診抑制となっています。 高度経済成長期とは違い、不況感が強く失業率が依然と高い今、財界首脳部の主張する混合診療は、ほとんどの国民を医療から遠ざける結果をうむだけです。


愛知県保険医協会HPより !

愛知県保険医協会HP 「混合診療解禁になぜ反対するのか?」より抜粋

忘れられない歯科差額の苦い経験
 混合診療が解禁されると医療はどうなるかを考える上で、忘れてならないのが「歯科差額徴収」時代の教訓である。
 歯科では、1976年6月に原則廃止されるまでの20年以上、広い範囲にわたって「差額徴収」という混合診療が認められてきた。
 この時期、「不当に高い歯科治療費」「悪徳歯科医」などと国民から袋だたきにあったことを忘れてはならない。
この間、国民医療費に占める歯科医療費は、13%から8.6%へと大幅に低下し、差額徴収原則廃止後も、歯科医療費配分は元に戻らず、現行の低歯科医療費の要因ともなっている。
 混合診療が解禁され、保険外負担が広がると、その部分の保険診療(診療報酬)の改善は放置され、保険外負担を前提にした体系が固定化されてしまうのが歯科差額時代から学ぶべき苦い教訓である。

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Last-modified: 2007-06-17 (日) 17:43:11 (4145d)