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混合診療についての国会質疑

  第168回国会  厚生労働委員会 第9号
  平成十九年十二月四日(火曜日)
  櫻井充
  

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/168/0062/16812040062009a.html


前半は、規制改革会議について、後半に混合診療、民間保険についての質疑がなされています。


○委員長(岩本司君)

 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

○櫻井充君

 おはようございます。民主党・新緑風会・日本の櫻井充です。

 今日は、いわゆる混合診療一点に絞って質問をさせていただきたいと思います。

 まず、混合診療の議論をする前に、これを提案してきている規制改革会議とはまずまともな組織なのかどうかということについて質問をしていきたいと思いますが、規制改革会議は内閣府設置法の三十七条に規定されて設置されておりますが、そこの要件、何を行うところなのかというと、基本的に言うと、経済の問題を取り扱うんだということでございます。しかし、最近の規制改革会議を見ていると、例えばこの間は教育委員会について言及されるとか、経済の範囲を逸脱して様々な意見を述べられておりますが、私はこういう姿勢そのもの自体に問題があるんではないかと思いますが、内閣府としていかがお考えでございましょう。

○副大臣(中川義雄君)

 委員も御承知のように、規制改革会議そのものは政策を決定する機関ではありません。これをはっきりさせておいていただきたいと思います。ただ、広く意見を聴いて、内閣府としてはある程度の調整をしながら、そして国民に対して一定の責任を果たしたいと、それだけでございますので、そう認識していただきたいと思います。

○櫻井充君

 おっしゃるとおりなんですよ。権限のないところなんです、本来は。しかし、さも権限があるように振る舞っているところにまず大きな問題点があると私は思っています。

 もう一度ちょっとここは確認しておきたいんですが、経済に関する基本的かつ重要な政策に関する施策を推進すると。これはもう設置法の中に決められていることであって、所掌事務をまず逸脱することは私はやるべきことではないと思っております。その点についてはいかがですか。

○副大臣(中川義雄君)

 今、国会での議論の中で櫻井委員の意見ですから、これはそのとおり伝えたいと思っております。

○櫻井充君

 これは、伝えるということよりも、コントロールされるのはそれこそ大臣、副大臣の皆さんがその役所をコントロールしていくことになりますから、規制改革会議に申し伝えるのではなくて、これは政治家の責任としてきちんとコントロールしていただきたいと思います。

○副大臣(中川義雄君)

 大臣ともよく相談していきたいと思っています。

○櫻井充君

 よろしくお願いします。

 その上で、私は、今の社会の在り方を見ていると余りに不公平だと思っています。その規制緩和とは、言葉の聞こえはいいですが、実際やっていることは、例えばその会議に参加している人たちの利益を出すために制度を変えている、そういう組織じゃないかと思っています。その論拠になるものをお示ししますが、今皆さんに資料をお配りさせていただきました。

 第一回の、これはこの間の予算委員会でも使った資料ですが、規制改革の要望です。これを見ていただくと分かりますが、一位が経団連、二位がリース事業協会。このリース事業協会というのは、このときの規制改革会議の議長がここの団体の委員長を務められておる、トップの方がこの規制改革会議の議長というんですか、議長がこの団体のトップです。それから、この三番目の、伏してありますが、この会社が議長の会社です。世の中で、自分の関係している、この方は経団連のメンバーでもおありでしょうから、要するに、こういうようなところの人が議長を務めてまともな制度改正ができるんでしょうか。つまり、自分たちにとって有利に変えるに決まっていますよ、こんなものは。こういう人が議長を務めているから世の中私はおかしくなっていると思っています。この点についていかがですか。

○副大臣(中川義雄君)

 これまでの議長についていろんな意見があったことは承知しております。今、櫻井委員の多分想定している議長は、今の議長ではないと思いますので、その点だけは御了解いただきたいと思います。

 それで、私は、あくまでも規制改革について優れた識見を有して幅広い議論をしている、それだけの規制会議の役割だと、そう思っていますので、それ以上のことはここでは答えることができません。

○櫻井充君

 まあ本音かどうか、そこがちょっと難しいところだと、苦しいことはよく分かっておりますが。

 まず、ちょっとこれ考えていただきたいんですけれども、例えば、この間タミフルの問題があった際に、タミフルが本当に安全なのかどうかを検証する際に、タミフルを販売している会社から研究費を委託されている大学の方には御遠慮願ったという経緯があったはずです。つまり、そこに利害が発生する可能性が、これは基本的に言うとなかったのかもしれませんが、表面上見たときにおかしいんではないかということが相当指摘があって、それで厚生労働省としては、班会議の班長だったかどうか忘れましたが、そこを差し替えているはずなんですね。つまり、社会ではそういうふうに見ているわけですよ。  私は、この話を一般の方々に話をすると、百人中百人がおかしいと言います。おかしくないと言っているのは内閣府だけでして、僕はそこが全くの問題だと思っていますよ。  もう一度申し上げますが、自分の関係している、自分の会社から挙げておいて、ここの採択率は一番多いわけでしょう。異常じゃないですか、こんなもの。少なくとも自分が議長のときには自分の会社から挙げさせないぐらいの、そのぐらいのモラルのある人じゃないと私は公平性という点からいったらとてもおかしいと思いますけれども、いかがですか。

○副大臣(中川義雄君)

 ただいまの櫻井委員の指摘は、私もそれを了とするところが多いわけでございますから、よく考えてやっていきたいと思っています。

○櫻井充君

 そういう人をまずメンバーから外していただきたいと思っていますよ。

 それから、これはちょっと資料を要求しておきますが、ここの会社の人が派遣会社をつくったんですよ、この議長が、規制緩和しておいて。これは、そのグループから一〇〇%出資した人材派遣会社をつくりました。人材派遣会社の事業内容のところに何て書いてあるかというと、そのグループを始めとした企業へ派遣していますと、そう書いているんです。これは専ら派遣と言うんだそうですが、これは禁止されている事項です。禁止されている事項を堂々とホームページでこうやって会社の案内でうたっている会社ですからね。めちゃくちゃなことをやっている人ですよ。これが本当に専ら派遣に当たるのかどうか、きちんと調査していただいて、この委員会に御報告いただきたいと思います。

○委員長(岩本司君)

 理事会で協議させていただきます。

○櫻井充君

 それから、その当時の委員の方に女性の方がいらっしゃいました。この方は、今郵政の株式会社の社外取締役に就かれておりますが、この人は郵政公社と取引をやっている方なんです。これは同僚議員がこの間の委員会で指摘して、結局やめることになりましたよ。ですが、その人もこの規制改革会議のメンバーでしたね。私は、まともな人がいるのかなと思うときもあるんですよ。

 もうちょっと言うと、じゃ、今の議長はどうなのかということです。今の議長は、この間、これは平成七年なんでしょうか、とにかく申告漏れがあって、その申告漏れの額が約四十数億円だったと、追徴課税は約十五億円に上ると見られると。

 まず、ここは財務省にお伺いしておきますが、これは立派な犯罪ではないんですか。

○政府参考人(杉江潤君)

 お答え申し上げます。

 一般に言う脱税には刑事事件に至るものと至らないものがございますが、いずれにしましても税法上の違法行為となります。

○櫻井充君

 違法行為の責務はだれが負うことになるんでしょうか。これは企業全体で、私は企業のトップも当然のことながらその責務を負うと思いますが、その認識でよろしゅうございましょうか。

○政府参考人(杉江潤君)

 法人税法の違反行為につきましては、納税義務者である法人に対して重加算税等の行政罰が課されるほか、刑事事件となる場合には、法人の代表者、代理人、使用人等で、その違反行為をした者及び法人に対してそれぞれ刑事罰が科されることになります。

○櫻井充君

 一般的に申し上げれば、例えば行政の長の場合も、部下が何か不祥事を起こした場合には大臣が責任を取らなきゃいけないような場合も出てくるわけであって、それは企業のトップたる者の私は責任は大きいと思いますよ。

 もうちょっと申し上げれば、我々政治家とて同じじゃないでしょうか。つまり、秘書が何かを起こした場合にその連座制という制度があるということは、私たちは事務所を構えていてそのトップですから、そのトップが知ろうが知るまいが、責任は負うことになります。そういう点で、私は企業のそのトップという人は責任が重いと思っております。

 そこで、お伺いしたいのは、規制改革会議のメンバーというのは一体どういう人がふさわしいのか。こういう社会的ルールを守らないような人が議長を務められていて、本当にまともな組織と言えるんでしょうか。

○副大臣(中川義雄君)

 委員も御承知のように、規制改革会議には一つの一定の考え方がありまして、広い識見を持った人、幅広く聴くというような人にその仕事に就いていただいておりまして、それにふさわしい人であると信じておりますが、今のような御指摘があったことは、十分私もよく知った上で対処したいと思っております。

○櫻井充君

 社会のルールを守るというのは、私はそこの前提の中に入るのが当然だと思いますけどね。まず、そんな社会的に、何というか、識見があるとかないの前に、まず社会のルールを守っている人を選ぶのが当然じゃないですか、違いますか。

○副大臣(中川義雄君)

 今の櫻井委員の指摘は重要な指摘だと思いますが、これが本当にルールに違反したものであるのかどうかというのは、私はまだそこまで確認しておりませんので、ここで明確に答弁するわけにはいきません。

○櫻井充君

 それでは、きちんと確認していただきたいと思います。そして、その上で本当にふさわしいかどうかの検討をしていただきたいと、そう思います。そうでないと、まともな議論にならないんですよ。自分たちの利益のことだけ考えてやっているようなところがあるから、この社会がゆがめられていきます。

 もう少し申し上げると、個人の意見なのか、それとも規制改革会議全体の意見なのかが分からない場合があります。例えば、ある委員は十一月二十八日の新聞に混合診療のことを書かれております。肩書は政策研究大学院大学教授となっていますが、その脇に規制改革会議の委員だとちゃんと書いてありますし、それから別な新聞に書かれている方も、最後のところに、出身大学の後ろに規制改革会議の委員というふうに書かれております。そうすると、この方々の発言がさも規制改革会議の発言のようにも取れますし、個人の発言なのか、どうもよく分からないところがある。

 こういったところも、これだけ大きなマスコミに出る場合には、少なくとも規制改革会議の全体の意見でない場合には、ちゃんと規制改革会議の委員だということをまず外させるべきじゃないかなと、私はそう思いますけど、いかがでしょう。

○副大臣(中川義雄君)

 今の新聞は読ませていただきましたが、新聞の内容が、それが真実であるかどうかも含めてよく検討しなければならないと、こう思っております。

 いずれにしても、私はその任命を外す外さないというような判断する立場にはありませんので、今ここでの、国会での議論を重要に考えて、大臣とも相談させていただきたいと思います。

 と同時に、これはあくまでも、規制改革会議は政策決定機関ではありません。これだけはここの国会の皆さん方も、それだけは承知しておきたい。最終的には隣にいる大臣が判断することでして、ある程度の意見があったとしても、大臣さえしっかりしていれば間違いなく行われるということだけは間違いない事実だと思いますので、その点だけは御了解いただきたい。その点でしっかりさせてやっていきたいと思います、いくつもりでおります。

○櫻井充君

 これは、二〇〇一年の十一月十九日にこの当時の議長が、これは私的な意見だといって十五の重点提言の事項を挙げられておりますね。これは、個人的にこうやって挙げてくるんですよ。その上で、今度は経済財政諮問会議のある委員が、これは最終ゴールですねといって、さも認めるような発言もされているんですよ。もうめちゃくちゃですよ。

 先ほどから副大臣おっしゃるとおり、権限のない人たちが、その人たちがさも権限があるように振る舞い、そしてその人たちが付けた道筋がさも正しく、そのことに対して物を言うと抵抗勢力だと言われると。自民党の先生方、僕は気の毒だなと本当に思いますよ。だって、自分たちが世の中で聞いてきて、社会でこれが正しいと思って幾ら発言されたって、抵抗勢力になって物が言えなくなってきている。だから今地方がみんなどんどん駄目になってきていますよ。中央にいる人たちで、しかも社会を知らない人たちが自分たちの企業の利益を上げるようなためだけにやっているからどんどんどんどんゆがめられていくのであって、もう少しそこのところをはっきりさせてもらわないといけないわけですよ。その経済財政諮問会議で骨太の方針とかいって出てくるとみんなそれが正しくて、そしてそれに物を言ったらみんなたたかれるわけでしょう。副大臣もその一人だったかもしれませんが、本当に私はお気の毒でなりません。

 ですから、そういうゆがんだ政治を早く変えていかなきゃいけないと私は思っているんですよ。その思いは一緒じゃないですか、違いますか。

○副大臣(中川義雄君)

 今までの櫻井委員の御意見は、正に国会らしい、国会議員としての責任ある立場での発言だと承知しております。

○櫻井充君

 それは、要するに同意していただいたと私は受け止めたいと思います。

   〔委員長退席、理事家西悟君着席〕

 その上で、今回、規制改革会議がいわゆる混合診療、それ全面解禁だと言ってきていますが、このことに関していうと、平成十六年で両院の、しかも全会一致によってある請願を採択しております。それは何かというと、だれもが安心して良い医療を受けられるための請願ということで、保険診療と保険外自費診療を併用する混合診療の導入は、患者さんの自費負担を大幅に増やし、国民医療の不平等を引き起こし、国民皆保険制度を破壊しますと、だれもが安心して良い医療を平等に受けられる国民皆保険制度を今後とも堅持するように請願いたしますという、この請願を採択しているわけです。そうすると、国会で決めたことに対して、なぜその決定権もないような人たちがまた蒸し返すようなことをしてくるのかと。これはまさしく国会軽視ではないのかと思いますが、その点についていかがでしょう。

○副大臣(中川義雄君)

 規制改革がどのようなことを言おうとも、国会が国権の最高機関であることには間違いありません。そして、そこで採択されたものは、それが軽く扱われてはいけないことだと、そのように私は認識しております。

○櫻井充君 そうであれば、こんなことを議論の俎上にのせることそのものが間違いだと思います。要するに、彼らにだって一般職の公務員ですから多分手当を払っているはずであって、私はこんなことのために会議を開いてほしくないと思います。税金の無駄遣いじゃないですか。

○副大臣(中川義雄君)

 規制改革会議の設置された目的に基づいてしっかりとした働きをしていただきたいと、私もそのように念じております。

○櫻井充君

 もう少しきちんと管理していただきたい。あそこの組織は、この間は、閣議でまだ任命される前から、議長の会社の一室を使って、しかも議長の秘書までそこに入って、そして教育委員会制度はどうするかとか議論しているんですよ。そして、しかも、その結果を本来の規制改革会議にかけもせずに、持ち回りで取りあえず了解を取って、そして意見を発表するような、そういうこともやっています。めっちゃくちゃルール無視していますからね、今の議長になってからも。ですから、きちんとコントロールしていただきたいなと、そう思います。

   〔理事家西悟君退席、委員長着席〕

 その上で、ちょっとお名前を出しますが、松井主査が、混合診療の全面解禁に反対する厚生労働省の論理は破綻しているという旨の発言がございました。そうすると、我々はあの請願を全会一致で採択していることですから、国会議員の論理も破綻しているということを指しているんでしょうか。

○副大臣(中川義雄君)

 その報道が、私はその内容については余り深く承知しておりませんが、いずれにしても、規制改革会議としても将来にわたり国民皆保険制度を堅持するという方針を踏まえて議論を行っていると、こう承知しておりますので、それだけはしっかりやっていただきたいと、こう思っております。

○櫻井充君

 今、要するに松井主査のことがよくお分かりにならないということでございましたので、是非、当委員会に来ていただいて、どういう趣旨で発言されたのか、その点についてお伺いさせていただきたいと思いますので、規制改革会議の松井委員の参考人の招致を求めたいと思います。

○委員長(岩本司君)

 理事会で協議いたします。

○櫻井充君

 それから、これは福井秀夫委員ですが、その混合診療全面解禁の主張の中に、少数にしか効かない薬は保険給付してはならないという意見を掲載しており、将来的にはそうだと。そうすると、例えば舛添大臣御尽力いただいて、ムコ多糖症のお子さんなど少数の苦しんでおられる難病患者さんたちに対して、今後医療がどんどんどんどん進んでいったとしても公的保険で救われなくてもいいんじゃないかというふうにつながるような私は発言されているんじゃないのかなと、そういうふうに取れますが、この点についてはいかがでしょう。

○副大臣(中川義雄君)

 規制改革会議の委員の中にいろんな発言があったとは承知しておりますが、いずれにしても、先ほど言ったように規制改革会議は政策決定機関ではありませんので、しっかりとした正しい議論であれば、それは参考にしなければなりませんが、間違った議論であれば、それは当然のことながら内閣府としても厳格に対処したいし、それから医療の問題ですと厚生労働大臣が最終的に判断する問題だと、そう承知しております。

○櫻井充君 

発言の自由という点ではそうかもしれません。しかし、少なくとも一般職の公務員であることには間違いがございません。一般職の公務員であれば一般職の公務員としてのまず責任をきちんと果たしていただかなければいけないと思いますが、それはその認識でよろしゅうございましょうか。

○副大臣(中川義雄君)

 一般職公務員であることは、そう認識しておりますが、それが内閣府の大臣だとか我々の立場から、それが、委員個々の考え方や取っている行動に対してそれに口出す権限はないものだと、こう思っております、表面的には、そう思っております。

○櫻井充君

 とにかく経済のことに関してということになっていて、何回も申し上げますが、経済のことがほとんど解決しているから、教育の分野だとか、それから今や医療や労働の分野であるとかそういうところに進出してきておりますが、規制緩和そのもの自体が失敗であったことがだんだんだんだん分かってきております。

 例えば、タクシーの規制緩和で今どうなったのかというと、これは本当にしゃれじゃなく、仙台市のタクシーは千台増えまして、大変なことになっております。それで、運転手さんの給料は三十万から十五万ぐらいまで減りました。だけど、この規制改革を進めた人は何をやっている人かというとその当時の議長でして、タクシーのレンタルリースをやっているんですよ。それから、そのときのメンバーの一人の方は自動車のメーター作っている会社の社長ですよ。そういう人たちがやって、自分たちがもうけるために制度を変えたら、規制緩和してみたら大変なことになったと。

 これは自分自身の反省も込めてですが、あのとき我々、たしか賛成しているんです。これはもう大いに反省しておりまして、それで、これじゃまずいと思って、何とか制限できるようにしなきゃいけないと思って、それで国交省とずうっと話合いをした結果、やっと仙台は来年から緊急調整地域になって、台数の制限を掛けられるようになりました。

 もう一つ、株式会社が大学経営に参入いたしました。その結果どうなったかというと、予備校生と大学生と一緒に授業をやっていて、しかも先生がそこに立つことなく、ビデオだけ流して授業をやっていたという株式会社立大学がありました。そのときに犠牲になったのは一体だれかというと、そこで学んでいる学生さんたちですよ。やめていっている人たちが随分いらっしゃいました。あのとき支払った授業料は一体どうなるんでしょうか。  それも要するに、あの当時、あれは特区でしたが、いずれにしても、規制緩和しろ規制緩和しろとしてやってみたけど、失敗している例が随分出てきているわけですよ。そうすると、経済のことに関してであればそれはそれで市場原理の中で集約していくのかもしれませんが、そうでない部分に関していうと、早急にその規制緩和を進めていくということそのもの自体に僕は問題があるんだと思っているんですよ。

 ですから、もう一度申し上げておきますが、こういう事例も含めて、その規制改革会議そのもの自体が余り余計な口出しをしない、余計な発言をしない、これが当然のことじゃないかなと、そう思いますが、いかがですか。

○副大臣(中川義雄君)

 規制改革会議は、先ほども何回も申し上げましたが、政策決定機関ではありません。そこでいろんな議論がなされていることも承知しております。しかし、最終的には政治家が、又は政策の最高決定当事者がしっかりとした考え方に基づいて政策を決定すべきだと、こう思っております。規制改革会議に左右されるものではないと、こう思っております。

○櫻井充君

 本当に何回も何回も申し上げているのは、この国は、規制改革会議と経済財政諮問会議で相当ゆがめられましたので、その部分をきちんと是正していただきたいなと、そういうことで、しつこく、しつこく申し上げております。そこのところだけは御理解いただきたいと思いますが。

 先ほどの議論に戻りますが、この福井委員の発言ということは、要するに少数者を切り捨ててもいいというような発言というのは、これは規制改革会議全体の意見だと考えてよろしいんでしょうか。

○副大臣(中川義雄君)

 新聞記事は読まさせていただきましたが、このことが規制改革会議の最終決定であるとは聞いておりません。

○櫻井充君

 そうであるとすると、規制改革会議の委員だという肩書を使って僕は発言されることは不適切だと思いますし、この方も様々ひどいこと、ひどいというか、私はおかしいなと思うことがあるんです。

 この方は、「官の詭弁学」という本を書いておられて、情報公開を十分にしない官僚がさも悪いように言われていますが、自分たちのワークショップみたいな、要するに分科会なのかちょっと正式な名前は分かりませんが、そういうものを開催する際は非公式にやっておいて、情報公開しておりません。こういう方が本当に規制改革会議のメンバーでいいのかどうかと私は考えておりまして、この方も是非この当委員会にお越しいただいて、考え方をお伺いさせていただきたいと思いますので、福井秀夫委員の参考人招致を求めたいと思います。

○委員長(岩本司君)

 理事会で協議いたします。

○櫻井充君  本質論にちょっと入っていきたいと思いますが、私の考えからすると、医療保険そのものは高額所得者、低所得者の方々、みんながお金を出して互助会的に運営されていく、そういう保険だというふうに私は認識しております。私のその認識でよろしいんでしょうか、舛添大臣にお伺いしたいと思います。

○国務大臣(舛添要一君)

 おっしゃるとおりだと思います。

○櫻井充君

 そうしますと、その保険そのもの自体を使っていくということに関していうと、低所得者の方々も、それから高額所得者の方々も公平にこの保険を使えるというふうにしなければいけないと私は思いますが、その認識でよろしいでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)

 それが国民皆保険ということの意味だと思います。

○櫻井充君

 ありがとうございます。

 その上でですが、例えば今は国が医療と認めているものに関していうと、保険が使える部分に関していうと、その保険から、保険の分で支払ができると。これは国が医療として認めてきているからこそこの保険を加入者の方々にお許しいただいて、ある特別な方々はこの保険からお金が給付されると。これは国が認めた医療であるからこそその部分が僕は許されているんじゃないのかなと、そう考えているんですけど、これは厚生労働大臣、私のその認識でよろしいんでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)

 きちんと、どれが医療行為であり、どれが認められた薬であるかと、こういうことをきちんとした基準でなければなりませんので、委員がおっしゃったとおりだと思います。 ○櫻井充君

 ありがとうございます。

 そうすると、問題はここから先です。要するに、医療でないとまだ国が認めていないものに対して、それも今度は一緒に診療した場合には保険で認められる分は保険でカバーしてくれというのが、今の規制改革会議からの出された提案です。

 ここで考えなければいけないことがまずあると、一番大きな点を申し上げると、この医療は、じゃ医療と呼べるかどうかまず分からない行為に対して、じゃ低所得者の方々もそれだけの支払能力があるかどうかということが僕は一番大きなポイントになるんだと思っています。

 例えば、これから与党、野党で肝炎の議論に入りますが、肝炎の治療であれだけいいものがあったとしても、高額療養費制度、月額八万円というあれだけの制度があったとしても、実はあの医療費を払えない人たちがいて、治療を受けられない人たちがいるわけです。そうすると、保険診療の上に医療行為かどうかが分からないものに対してアクセスできる人たちは、ある一定の所得のある人たちでないと僕は治療は受けられないんだと、そう思います。

 そうすると、その先ほどの概念から申し上げると、国民皆保険制度というのは、低所得者も、それから高額所得者の方々も同じようにアクセスできる、使えるということが原則からすると、こういうことにまでその健康保険そのもの自体を使わせるというのは私は筋が違うんじゃないかと、そう考えますが、舛添大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)

 貧富の格差が命の格差につながることは断じて許すことはできないと思います。

○櫻井充君

 ですから、そういう観点から考えれば、その混合診療、いわゆる混合診療の話が出てくることそのもの自体が私は論理破綻しているんじゃないかなと、そう思っておりますが、中川副大臣いかがでございましょう。

○副大臣(中川義雄君)

 ただいま混合診療のお話が出ました。私も規制改革会議の委員の中にはいろんな意見があるということは承知しておりますが、先ほども申し上げましたように、いろんな意見であっても最終的に政策決定は舛添大臣のところでされますから、こういう大臣がおりますので、私はしっかりやっていけると、こう思っております。

○櫻井充君

 舛添大臣はお忙しいですから、規制改革会議からそういう無駄な提案しないでいただきたいんですよ。そこのところに一々厚生省が行って、そしてそこで議論しなきゃいけないというそういう、無駄ですから。はっきり申し上げておきますが、そういう点でまずやめていただきたいなと、そう思うんです。

 もうちょっと申し上げると、なぜ私は規制改革会議がこういった問題を出してくるのか。例えば、アメリカで使われているような薬が日本でなかなか使われないんだということであれば、早期の承認ができるようにその部分の規制を緩和してくれと。例えば、治験をフェーズ1からやることではなくて、もうフェーズ4の段階から入るとか、もうあとは安全性だけ確認できれば、それは体内の血中濃度の測定などをやれば済むことだと思っていますけれども、その上で特定の病院に置いて使ってみて一年間結果を出して、その上で安全かどうかとかいう、効果がどうかとかいうことを確認するとか、むしろ規制を緩和してくれと言ってくるのは、そういった分野に対して規制を緩和してこいと、しろと言うのが私は筋じゃないかなと思うんですが、なぜそういう提案をされないんでしょうか。

○副大臣(中川義雄君)

 医療問題については私も専門家では正直言ってありません。ですから、今の議論を聞いていると確かによく分かりますので、十分今の委員の意見を参考にしながら規制改革会議が変な動きをしないように私もよく見ていかなければならないと、こう思っております。そういう動きがあればですよ、私はないものだと信じておりますが。

○櫻井充君

 苦しいことはよく存じておりますので、苦しいことはよく存じておりますので。

 ただ、やはり今、森さんもおっしゃっていますが、政治家としてある種の御発言もいただければ有り難いなと。僕はこれは別に、もし省を背負ってということが難しいのであれば、それは御自身の言葉で語っていただいても結構でございます。ですから、なるべくどういう方向でやっていくのかということの御提示をいただければ有り難いと、そう思います。

 じゃ、舛添大臣にこの点についてお伺いしますが、やはり繰り返し繰り返し起こってくるこういった議論というのは、やはり厚生労働省が新薬、それから新しい技術、そういったものの承認がどうしても遅くなってきているからこういった議論が出てきているんだろうなと、そう感じるんですね。大変難しいことはよく分かっております。

 アメリカと全然違うのは、アメリカは無保険者が四千五百万人から四千七百万人ぐらいいますから、治験でも何でも受けて薬をもらった方がいいという人たちがいる。それから、治験のシステムそのもの自体に参加できる医者なり治験のコーディネーターもいる。それから、判定する人たちが日本よりもはるかに多い人数がいる。そこのところをクリアしていかないとなかなか難しいんだろうなとは思いますが、毎回毎回こういう議論が出てきているわけですから、その点から考えると更なる努力が必要ではないかなと、そう思いますが、その点についていかがでしょう。

○国務大臣(舛添要一君)

 まず、先般、訴訟になった件も含めてですが、新薬の承認を早める。今、大体四年掛かっています。これを五か年計画で一・五年、つまりアメリカ並みのスピードにするということを今着実にやっておりますし、予算も人員もそのために増やしました。したがって、二〇一一年には新薬の承認が現在の四年から一・五年に縮まる、これが一つの方針で、今もう既に動かしております。

 それからもう一つは、非常に難病、こういう方々で急がないといけないというような、オーファンドラッグというか、そういうものについては、もう十か月から一年で何とかできないかということで急がせています。そういう意味での緩和をすることによって、今委員がおっしゃったことに対する対応がやれるし、私は今それをやりつつあります。

 しかし、常に考えておかないといけないのは、拙速でやって、正に薬害、こういうものを起こしてはいけない。やっぱりこれは国民の命というものは市場経済原則でいくものではないということをしっかり認識して、国民の命を守る厚生労働行政を推進してまいりたいと思います。

○櫻井充君 ありがとうございます。

 極めて大事なところだと思っておりますので、その点についてきちんと進めていただきたいと思いますし、今天下りといいますか、途中で辞めていく方々がどこかで再就職される問題が随分上げられておりますけれども、役所に勤めている皆さんは優秀な方々が一杯いらっしゃるわけですから、再チャレンジをその方々に僕はしてもらいたいと思っているんです。例えば、二年間なら二年間そういうことについて勉強するようなことをやってもらって、再就職するときには独立行政法人の医薬品何機構、ちょっと正確な名称忘れましたが、要するに査定するようなところに移ってもらうとか、そういうことをすれば、国民の皆さんからも御批判を受けなくなるんじゃないかなと。そういうふうに感じておりますので、そういった人の配置の在り方等についても御検討していただきたいと。これは答弁結構ですので、お願いしたいと思っております。

 こういうことを進めれば、私はきちんと多分皆さんに納得していただけるようなことができ上がるんだろうと思うんです。ところが、規制改革会議から出てきている中でいうと、これは平成十三年の規制改革会議の議事概要を見てくると、医療のパイを増やすためには、現状の医療を抜本的に変える必要がある、それが混合医療であり、医療産業全体ではあと十兆伸びる余地があると、こういうことを言っているんです。

 じゃ、十兆円伸びたのは、この文章、この発言だけから見れば、これは規制改革会議のですよ、これからだけ見れば保険外が十兆円伸びるということなんだろうと思うんですよ。じゃ、保険外が十兆円伸びたら、それを個人で負担することはなかなか難しいとなれば、当然民間保険の出番になるんだろうと。だから、民間保険を企業として持っている方が議長を務めて、そういうことを積極的に言ってきているんだと思っているんです。だから、要するにいわゆる混合診療の解禁をやれやれと言ってきているわけですよ。そういう自分たちの利益につながらないような規制緩和なんて全く言いません。

 あの方はプロ野球の球団のときもそうでした。十球団に減らせとか言って、まああの人が抵抗してくれたおかげで仙台にプロ野球球団一つできましたから、それはそれでもいいんですよ。でも、あの人は規制緩和とか言っているけれども、違うから、自分のところの利益が上がらないものに関しては極めて保守的ですから。

 そこで、お伺いしておきますが、この規制改革会議の中で、混合医療であり、あと十兆伸ばすと。これはまさしく保険外診療を増やすこと、公的給付を減らすことにつながっていくんじゃないですか。内閣、規制改革会議。

○政府参考人(小島愛之助君)

 申し訳ございません。十三年の総合規制改革会議の議論だと思っておりますが、つぶさにはそこはまだ承知しておりませんが、調べましてまたお答え申し上げたいと思います。

○副大臣(中川義雄君)

 櫻井委員はこっちの方の専門家であります。専門家が言っている話を私がここで肯定も否定もなかなかできません。しかし、規制改革会議が変な動きというか、間違った動きはしてもらっては規制改革会議の信用にかかわる問題ですから、いろいろと櫻井先生始めいろんな多くの有識者とも意見を交換しながら、間違った方向にだけは持っていかないように努力させていただきたいと、こう思っています。

○櫻井充君 ありがとうございます。

 ここは極めて大事なポイントですからね。アメリカの医療にしたいのかどうかです。これは、「シッコ」という映画をごらんになったかどうか分かりませんが、アメリカは民間保険が主体です。民間保険と公的保険とどちらが効率的なのかというと、明らかに公的保険の方が効率的です。それは、メディカルロスという概念がありまして、保険料として集めたお金をどれだけ給付するかということです。民間保険は今七五ぐらいだと思いますけれども、あとの残りの二五は何になっているのかというと、そこで働いている人たちの、物すごい高い給料をもらっています。何億、何十億もらっている人もいます。それから、株主に対して配当しています。それだけではなくて、多くの政治家に献金をしています。そうやって民間の医療保険を守り続けています。公的保険はメディカルロスが九八です。つまり、集めたものがほとんど給付されるという世界になってきております。

 ですから、そういう点でいうと、日本も民間保険の枠がどんどんどんどん大きくなってくるということは、トータルとして見れば、国民の皆さんからすると僕は損につながっていくんだろうと、そう思っています。ですから、むしろ、今民間の、僕はあれは医療保険だと思っておりませんが、あれはあくまで病気になったときの所得の補てんであって、あれをまず医療保険などと呼んでもらっちゃ困ると思っています。

 あそこの中で様々な問題があって、例えば五十歳になってから入れるのは何とかだけですとか言っています。病気になったら入れるのはこの保険だけですとか言っていますが、ちゃんとこの国には幾つになっても、病気があっても入れる公的皆保険制度があるのであって、まずああいうコマーシャルそのもの自体を取り締まってもらわなきゃいけないんだと思っているんです。これは金融庁にちゃんと話をしてありますけれどもね。

 ですが、そこの中で例えばある商品で例を挙げますと、十年間病気にならなかったらお祝い金まで出ますよと言っているんです。だけれども、お祝い金が出る保険とお祝い金の出ない保険、十年間の保険料の掛金は十五万円違うんです、私が調べた商品。つまり、十万円はちゃんと別払いしていて、そして、使わなかったから給付を受けるんじゃなくて、自分でしかも一・五倍払っているんですよ。そして、十万円もらって終わりですからね。病気になったら一円ももらえない。こういう商品が横行、あるわけです。すべてとは言いません。ただ、一例を申し上げるとそういう商品もあるわけです。こういう商品が売られ続けていくということは、私は国民の皆さんは結果的に相当な負担をしなきゃいけなくなるんだと思っているんです。

 金融庁と話をすると、彼らも苦し紛れに言ってくるのは、三割負担が重くなってきているからとか差額ベッドがあるからとか、そういうことに対して保険が必要なんじゃないですか、そこをカバーするものだというふうに言っているわけですよ。であったとすれば、この規制改革会議が言うような、十兆円もパイが広がって、しかも彼らは、経済財政諮問会議は公的給付を減らせと言ってきていますから、当然のことながらそこに民間保険の出番が出てくるはずなんですよ。こんなの見え見えですよ、はっきり言っておきますが。

 しかし、それで国民の皆さんが本当に利益が得られるのであれば私はもろ手を挙げて賛成いたしますが、今申し上げたような理由で、私は、そうであったら民間保険にみんなが払っているお金はむしろ公的保険にちゃんと回してもらって、公的保険のパイをもっともっと大きくしていった方がよほどましなんじゃないかなと、そう思っているんです。

 それで、舛添大臣にお伺いしておきたいのは、改めて本当に民間保険の位置付けというものを定めていただかないと、こうやって自分たちの利益を上げたいようなやからが何回も何回も言ってきますから、もう少しきちんとした情報を国民に伝えていく必要性があるんじゃないかなと、そう思いますが、その点についていかがお考えでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)

 これは金融庁その他の関係省庁ともきちんと議論をした上で、今の櫻井委員の提案を検討させていただきたいと思います。

○櫻井充君

 これは内閣府にもお願いしておきますが、もう一度きちんと調べてください。こうやって産業化していくことそのもの自体がいいわけじゃありませんよ。これが国民の皆さんの安全、安心につながっていくことならいいですよ。そうならないから私はこれだけ問題にしているのであって、その点についてちゃんともう本当に、申し訳ないけれども、規制改革会議から出ているような混合診療なんていうこと、いわゆる混合診療なんというのをまず取り下げていただきたいなと、私はそう思うんです。取り下げさせられませんか、副大臣。

○副大臣(中川義雄君)

 取り下げろというようなことを言うことは私の権限外だと、こう思っておりますが、しかし国民のためにならない政策決定は絶対させないように努力したいと思っています。  内閣府も、規制改革会議のは規制改革会議の議論としてあって、そこで一定の提言がされることはありますが、それを取り上げるか取り上げないかは内閣府の担当大臣が決めることであって、そして内閣府の担当大臣と担当している閣僚との間の最終的な確認が成って初めてこれが政策決定されるわけですから、その点だけは、その過程においてはしっかりと今の櫻井委員の指摘を私は守っていきたいと、こう思っております。

○櫻井充君

何回も申し上げますが、この議論やっていることそのもの自体が無駄ですから、舛添大臣忙しいですから、ですから余りそういう煩わせるようなことをやらないでいただきたいと、そう思うんです。

 じゃ、もう少し突っ込んでお伺いしますが、規制改革会議というのは責任のないところでしょう。もし仮に、先ほどタクシーの例やそれから学校の例を挙げました。タクシーの例でもうちょっと追加させていただくと、仙台の事故の件数は全国平均をもう上回るようになりました。ですから、そういう点でいうと市民の方々は本当に迷惑されているわけです。これの責任はだれが取るのか。あのときに我々もタクシーの規制緩和に賛成した口ですから、僕らはそれはそれとして責任を負わなきゃいけないんじゃないかと。社会実験してみたら失敗したので、それは早急に是正しなきゃいけないと思ってやらせていただきました。

 問題は、じゃ医療の現場でこれだけどんどんどんどん、じゃもうあとは国民の皆さんが、どうか分からないけれども医者がやっているんだから、じゃその人がやっていること、その行為そのもの自体が、医者がやっているんだから大丈夫だろうと思って信用してみてやってみたら駄目だったということは、これは多々あると思うんですよ。例として適切かどうか分かりませんが、日本で第一号として心臓の移植手術をやられた。あのときだって、まだまだ十分でなかった時代にああいう形でやられてしまっていると。これがちょっと例としていいかどうか分かりませんが。

 ただ、いずれにしてもそういうことが、要するに混合診療が、いわゆる混合診療が進んでいったら、そういった新しい治療と呼ばれるものが、僕は治療と呼んでいいかどうか分かりませんが、治療と呼ばれるものがもっともっと積極的に行われるようになるんだということも述べられております。

 そうだとすると、もしそのときに、実は後から振り返ってみると医療として不適切だったと、そういったものがあった際に、これは人が亡くなったときにだれが責任を取るんでしょうか。規制改革会議の民間委員の方々はその責任を取るんでしょうか。

○副大臣(中川義雄君)

 規制改革会議の民間委員はその責任を取る立場にないと思っています。政策決定をする、そういう権限を持っていませんから、もしその会議からいろんな異論が出たとしても、最終的には政策決定した機関や人が責任を負うべきだと。私も国会議員の一人として、そういった責任の重さを感じております。そういう重さを感じながらこの立場に立って仕事をしたいと、こう思っております。

○櫻井充君

 ありがとうございます。

 人の命を預かって、その人の命にかかわるようなことに関して意見を言いながら自分たちは責任を取らない、この人たちに語る資格は私はないと思っていますよ。人の命の重さをこの方々は知らない。もう名前出して言いますが、オリックスの宮内さんなんかあの当時何と言っていたかというと、家まで売ったって混合診療になったらやる人もいるでしょうって。そんなことしたらどうやって生活していくんですか。そんな考えの人が議長やって提案している案件ですよ、こんなものは、昔から。

 人の命の重さをどう考えているんですか。僕は、規制改革会議は人の命にかかわるようなことに関して議論するべきじゃないと思う。それはなぜかと言ったら、責任がないからですよ。責任のない人たちがこんな重要なことを語る資格は私はないと思っている。だから、内閣府設置法に定めたとおり、経済のことだけやってもらえばいいんですよ。それ以外のことに関して私は口出ししてくることそのもの自体が法律違反だと思っています。違いますか。

○副大臣(中川義雄君)

 私自身も、規制改革会議が責任を取らない、そういう機関であるということは十分認識しております。責任を取れない者が、いろんな政策決定について意見を言うのはいいが、それをいろんな形でそれが実施されるような、例えばマスコミの皆さん方も何か規制改革会議の委員が言うことだったら正しいような、そういう形で報道されるものですから、それがますます、まあここで私の言葉としていいのか、委員の助長につながっちゃいけないと、私はそう認識しております。そういう点では、櫻井委員と考え方は一つにしていると、こう思っております。

○櫻井充君

 ありがとうございます。やっと本音が聞けて、私は本当に満足でございます。

 もう少し申し上げると、保険財政を破綻させないためにも混合診療が必要だという言い方も、これは規制改革会議の中の当会議の主張の中に書いてございます。保険財政が破綻するという根拠は一体どこにあるんでしょうか。規制改革会議が言っているんですから。

○副大臣(中川義雄君)

 私は専門家でありませんから、ここではそれに正しい答えが出せないと。残念ながら、そういう副大臣であることを是非御了解いただきたいと思います。

○櫻井充君

 いや、これは多分大変なんだと思うんです。要するに、規制改革会議の人たちがどういうことを考えているのか分からない、そこの中に、議論に参加されてない方がここに来られて答弁されるというのは本当に大変なことです。そこは僕はもう重々承知しております。

 そこで、こういう大事なことを適当に言われている会議がありますから、是非国会に来ていただきたい、議長自ら来ていただきたい。私は、規制改革会議の草刈議長にこの場に参考人として来ていただきたいと思いますので、この点についてもお諮りいただきたいと思います。

○委員長(岩本司君)

 理事会で協議いたします。

○櫻井充君

 本当にこういう、何と言ったらいいんでしょうか、さも、さもですね、さも分かったような形で言ってきていますが、実態は違います。

 じゃ、例えばイギリスはどうなっているかということ。イギリスはブレア政権で医療費を六九%増やしました。そして今や対GDP比でいうと日本よりもはるかに医療費を多く使うような国になりました、全額税方式です。じゃこの国の財政が悪化したのかというと、対GDP比で申し上げますが、これは、国債の発行額やそういったその借金ですね、借金の割合は対GDP比でいうと全く増えていないんです。

 今まで政府の説明は、特に経済財政諮問会議の説明は、医療費が伸びていくと国家財政が破綻するから、だから公的給付を抑制しなければいけないんだということをさんざん言ってまいりました。しかしです、イギリスではブレア政権になってから、もう一度申し上げますが、六九%も医療費を増やしているにもかかわらず、借金の額は対GDP比でほとんど変化がありません。

 経済学をやっている方々はすっごくいい加減な人が多くて、それは何かというと、実験もしないまま、僕ら医療業界はちゃんと実験をしてデータを取って、そのデータをもってしてこれが正しいか正しくないかの判断をしますが、経済学者の方々は何となくイメージでただお話しされている。だから、とある大臣などは、この間お辞めになった方ですが、あの方は口からだけ物を言っていて、本当に中身ないですよ。ああいう方が経済学者として通用するというのは、私はそこにあると思っています。政治家としては超一流でしたよ。彼の思うように、あれだけこの国を変えたんですから。

 ですが、何を申し上げたいのかというと、僕は経済学というのを少し勉強してよく分かりました。それは、経済のことを語る際には、ほかの国でどういうことをやったらどう変わったのかとか、それから、例えば日本なら日本で前にこういう施策を取ったらどう変わったのかと、そういうことを根拠として提案するしかないと、それをもってちゃんとした議論をするべきだということが分かりました。

 ですから、イギリスは、何回も申し上げますが、税方式で税金の投入額を六九%増やしたにもかかわらず、国家財政は安定しております。ですから、そういう点でいうと、この保険財政がどうだとか、それから国家財政がどうだとか言っている彼らの認識そのもの自体が私は間違っているんじゃないのかなと、そういうふうに思っています。

 最後に、舛添大臣にちょっとお伺いしておきますが、今のやはり医療の問題は、このここだけではなくて医療費全体のことなんだろうと。それから医療従事者、その人たちの数の問題が僕は一番大きいと思っています。

 はっきり申し上げて、持続可能、持続可能ということを財政上のことだけ言ってきますが、実際現場で働く人たちがいなくなれば持続は不可能です。もうこれは産科や小児科が、特に産科ですけれども、物語っていますし、今や学生さんたちがリスクの高い診療科には行かなくなってきています。例えば、脳外科であるとか一般の外科を志望する人たちもどんどんどんどん減ってきている。

 そういったことを勘案してくると、イギリスだってあれだけ問題があって初めて、サッチャー政権からブレア政権に替わって医療費を増やしましたが、壊れてしまった組織を戻すというのは大変なことなんです。ですから、早急に手だてを取らないと、日本の医療というのが守られず、これはひいては国民の皆さんの安全、安心を、何というんでしょうか壊してしまう、そういうことにつながっていくんではないのかな。ですから、今、予算の獲得の中で極めて大変かと思いますけれども、全力で頑張って国民の皆さんに安心を提供していただきたいなと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(舛添要一君)

 その覚悟で頑張りますが、私の経済学を若干お答えとして申し上げたいのは、今、日本国のGDP、五百兆です、丸い数字で。そのうちの六割の三百兆が個人消費なんです。したがって、経済を良くするために六割の三百兆、つまり個人消費が拡大しないと駄目なんです。

 じゃ、その個人消費が拡大するインセンティブは何かといったときに、なぜみんな消費しないで貯蓄するか。老後の安心がありません、病気になったときの安心がありません、介護される立場になったらどうでしょうかというようないろんな不安がある。したがって、最後のセーフティーネットとして社会保障政策を充実させることが実は経済を活性化させることにつながる、それが今委員がおっしゃったイギリスの例だろうと思いますので、様々な経済学があります。私は私の経済学に基づいてきちんと社会保障政策を位置付け、最後のセーフティーネットをきちんとやる。そして、いろんな意味でのこの二千二百億円のマイナスシーリングということは限界に達していて、国民の生命を守るためには非常に苦しい。したがって、全力を挙げてこれを突破するために頑張ってやりたいと思います。

○櫻井充君

 ありがとうございました。

 ちょっと訂正しておかなきゃいけないと思いますので。必ずしもすべての私は経済学者と言ったわけではないので、その点についてだけは訂正させていただきます。本当にありがとうございました。





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Last-modified: 2008-02-24 (日) 14:22:53 (3352d)