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混合診療の禁止は違法」との判断を司法が下したことから、一気にメディアでは「混合診療解禁」の文字が躍り始めています。規制改革会議も間髪を入れず、混合診療解禁、推進の方針を打ち出しました。

一方、厚労省側は、「混合診療は医療保険の原理や医療技術の進歩の兼ね合いなどを考え、改善が行われてきました。(現行制度の)考え方は維持できる」と述べ、例外的に混合診療を認めている現行の「保険外併用療養費制度」を見直す考えがないことを明らかにしました。保険外併用療養費制度の対象拡大についても「今ただちに見直さなければいけない事情はない」と否定しました。

ただ「(現行制度の)考え方を維持する中で、いろいろな技術進歩を見ながら、どういうあり方がいいか適宜考えることはある」とも述べています。
結局、裁判については控訴して、高裁で再び司法の判断を仰ぐ形となりました。


このような経緯の中、みな歯科でも、MLで「混合診療」に関する議論が、賛成派、反対派入り乱れて活発になされ、現在も進行中である。その端緒となった416氏の最初の発言をアップしました。ここを訪れた方々も、下のコメントお願いいたします。


混合診療の勧め

1,混合診療とは私たちにとっては裁量権の経済的な部分である。あるいは経済的な裁量権といっても良いかもしれません。私たちは政府や官僚が一律に決めた物ばかりでなく自分たちで裁量権を持っておりその場合保険診療の中には入りきらない物が必ずある。それはしばしば患者が求める物でもある。

例えば銀歯などに於いても、十分な組成の金属が使えないと思えばその分の何千円かを患者が負担することは患者の希望である場合決して患者の利益を損なう物ではない。

医院の滅菌レベルにしても患者によって高い物を求める人もいるし、そんなことを気にしていない人もいる。

最低限のレベルは厚労省が規制するとしてもそれ以上の部分にあっては滅菌にかかる費用を患者から何百円か徴収することは決して患者の利益に反するような物ではない。

今や選択権は患者にあるのであるから、どちらを選ぶかは患者がすればよい。

2,すでに埼玉医大が夜間の救急に於いて課徴金を頂くようになったようだが、普通の経済原則からいっても、患者がいっぱい来ていてこれ以上来てもらいたくはない状況では料金を上げるのは何ら患者にとっても医療供給側にとっても悪いことではない。

患者が少なくて安いところが良ければそちらに行けばよいのですから。つまりこれは経済原則における需要と供給のバランスの問題であって、それでは済まない最低限の医療については次の3に述べます。

3,混合診療の代金が払えない人のための医療機関がもし非常に少ないようであれば、公共の歯科医療機関を公共団体が責任を持って作るのが筋というものである。

あるいはそれが無理なのであれば、急性期の処置(抜歯や急性期の根管治療、最低限の義歯治療など)は混合診療を認めないという部分を各医院に義務化することも出来る。

その場合そちらに今までよりも点数配分を多くすることも出来る。

4,医療費の抑制ということが概ねコンセンサスに近くなっている、あるいは若干の拡大があっても、歯科医療費の総額は大きく増えることがなく、総枠として決まっているという現実を考えれば(それを認めないという議論の場合はここは読み飛ばしてください)、点数の貼り付けは全体に薄められたスープのようになるのであれ、どこかに厚くどこかに薄くなるのであれ、いずれにしても現場の実態に適応した物となるとは極めて考えにくい。

そうであればそのような経済的な裁量権部分は混合診療という形で現場に任せてもらった方が適切な診療行為が行われやすいと考えられる。

5,混合診療部分に民間保険が来るとか来ないとか言うのはまた別の話であって、それを選ぶかどうかは患者の選択に任せるしか無く、最低限の上述の急性期医療を確保するという前提で認めるしかない。民間保険が私たち医療者にとって過酷な物であるかどうかはそれこそこちらの都合なのであって、患者の関知することではなく、極論すれば医療人のエゴと考えることもできる。

これがアメリカからの対日要望であり圧力であることははっきりしており、患者にも知ら せる義務がある。しかし私たちが現段階で現実にどうにか出来る問題とも考えにくい。

6,今年だけで3人もの自殺者を出すような保険歯科医療の悲劇的な実態は、極めて恣意的な解釈を許す保険点数の貼り付け方に問題があり、なおかつインサイダーでなければどこまでが処罰対象でどこからが概ね見逃しとなるのかが全く分からないところに生まれてきている。(東京歯科大学を中心とした技官の汚職問題もこれが原因となっていると考えるのが妥当でしょう。)

これを解決するためには保険が適応される範囲は厳密に、解釈の余地が殆ど無いように限定し、必ず守らせ、守らない場合は厳罰に処するという厳しい法律の適用をするしかない。

そして、その状況で医療人が適切な裁量権を行使しそれによって患者の利益を守るのであればその部分は経済的な裁量権である混合診療とするのが適当だと考えられる。

保険の解釈が幅の広い物であったり、概ね見逃しという範囲が年によってあるいは地域よってあるという点に技官の専横を許す素地がある。

愚かにもそのような専横が只ひたすらに歯科医療費の抑制のためだけに用いられ、何ら歯科医療の内容の向上の為に用いられていないことに国民の不幸も医療人の不幸も集約されている。

本来技官は医療内容が適当であるかどうかを診査し、国民の口腔内を守るためにこそ必要なのであり、現在のようにただただ医療費を抑えるためにのみ規則の細々としたことをこねくり回して脅迫的な手法で厳守させるという現在の姿は異常な姿である。

そのことは国民にも広く知ってもらう必要がある。

7,混合診療や自費の診療について、全体の数パーセントであるので歯科医院の倒産があるとか言う理屈はそれこそこちらの問題であって患者の関知したことではない。

さらに言えばこれは歯科医師過剰の問題なのであってここまで放置した歯科医師会と、国の監督責任であり、国民を不幸にする歯科医師誘発需要を抑えるためには厳正かつ緊急の削減策を取ることを断固として要求する。

8,すでに多くの歯科医院があまりにも低い保険点数と恐喝的保健指導を嫌い自費診療を指向し始めていることは残念だが現実である。

これでは自費をできない患者は医療機関から見捨てられた存在となるのみという不幸があり、一方の自費診療も高額であり、こちらも保険診療の赤字分を補填させられているという経済的な不利益を被っているのであり、公平な方法とは思えない。

416


  • 1について 先の混合診療判決に対する厚労省側の言い分として、医療側の濫用が述べられていました。これについて自浄作用なりの準備をしておく必要があるでしょう。こちらの言う「裁量権」とはあちらでは「濫用権」と考えていますし、特に歯科は前歴がありますから。これについては、私は明細請求書が一つの方法と考えています。 2について 経済原則を歯科に適用するには、歯科医院は過剰すぎですよね。間違いなくダンピングが起こりますし、良い治療高い価格が当然であると私も同意しますが、果たして現実は・・・こちらの思惑通りに行くでしょうか? 3について 公共の医療機関であっても、今は赤字を出せません。歯科だけがそんなこと出来るはずもありませんよね。急性期治療に点数配分を多くするとどこに言うのですか?それを決めるのは誰でしょう?現実にはそんな理由で点数配分が多くなるはずがありません。4について 点数の貼り付け問題、限りなく薄められたスープは同意します。ここにしっかり焦点を当てるべきだと思います。適正な濃度のスープとは何かをハッキリさせ、その上で混合診療について問いたいと考えています。経済的な裁量権は少なくとも今の歯科界には任せられないでしょう。それほど信用を失っています。回復するためにはまず自浄作用を先に示すべきでしょう。5について びっくしりますが、意外とサラリーマンなどの中にはアメリカからの対日要望を受け入れようとする姿勢があります。民間保険についても同じです。彼らが知らないのではなく、知っていてそう考えているようです。 6について 技官の恣意的な解釈については、保険点数の根拠を示させることが大事です。点数の決定方法を透明化させることが先決だと思います。それをしないで混合診療を議論しても、何が保険で何が自費かハッキリしません。7について 需給問題についてはとうとう内閣から方針が出されましたね。8について低い保険点数が悪いのか、それとも歯科医のモラルの問題か鶏と卵の論争になりそうですが、国民から見ると明らかにモラルの問題となってしまうでしょう。そこをどう解決するか? -- ゴジラ? 2007-11-23 (金) 13:48:08
  • 保険診療のメリットとデメリット、3割負での担財源がないという枠の中で語られています。すなわち、混合自由診療に移行してもいいものと -- 匿名? 2007-11-27 (火) 05:39:26
  • 途切れてしまいました。 ・・・・移行してはいけないものとが、財源という縛りの中で行政、組合健保など保険者側と医療機関側の思惑の中で混合診療がもたらすメリットデメリットが語られているような気がします。本来医療とはどうあるべきかが語られず、それぞれの都合が優先されれば本来の目的とは違ったものとなり、極端ですがその方向は従来の国民皆保険診療の目的とは違ったものとなってしまうでしょう。 -- 匿名? 2007-11-27 (火) 05:55:43


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Last-modified: 2007-11-27 (火) 05:55:43 (3613d)