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指導監査・海外技工物・文書提供についての国家質疑

水野智彦


174-衆-厚生労働委員会-13号 平成22年03月31日

○水野委員

 民主党の水野智彦でございます。

 本日、初めての質問の時間をお与えいただきまして、大変ありがとうございます。民主党を代表して質問させていただきます。

 昨年の末でございますけれども、平成二十二年度保険点数改定におきまして、コンクリートから人へという中におきまして、大変財政が厳しい中御尽力をいただきまして、十年ぶりの大幅な医療報酬改定をいただきました。大変ありがとうございます。

 私は、昨年まで歯科診療の現場で地域医療を行ってきた者として、地域医療の現場の声として質問させていただきたいというふうに思っております。

 まず、質問の第一でございますけれども、指導監査の問題でございます。

 特に、集団的個別指導についての趣旨は、指導対象者となる高点医療保険医に対して教育的観点から指導を実施し、医療保険に対する理解を一層深めることを主眼として行うということでございます。しかしながら、その高点数を理由というところに大変問題があるのではないか、そういうことにおいて集団的個別指導が行われるということに問題があるのではないかというふうに常々感じておりました。

 まず、平均点数が高いことが指導対象になる、その根拠がないということでございます。

 確かに、高点数を上げている方の中には不正、不当の方が多くおるということは、もちろん私も承知しているところでございます。ただ、機械的に一枚当たりの平均点の高いもの上位八%を集団的個別指導に呼び、次年度以降実績においても平均点が基準よりも下がらなかった場合には、集団的個別指導の翌々年度に個別指導を行うということでございますけれども、患者のために質の高い医療を行ったり、また、一人当たりの実日数がふえれば、平均点数が高くなるのは当たり前の話でございます。

 また、今回の改定では、在宅医療の推進が特に取り上げられているということの中で在宅医療への関心が高まっている、そういう中で、在宅や障害者医療は高点数になります。そういうことによって指導の対象になる可能性が高くなるという可能性がございます。そのために、指導監査を恐れて逆に医療や請求を控えてしまう萎縮診療となる可能性が高く、適切な医療が行われない。そういうことによって、国民にとってデメリットになる可能性があるのではないかというふうに考えております。

 また、私の実体験からも、厚生局や技官によって診療内容や法的解釈に違いがあることがあり、地域によっては指導が一律でないというような傾向が見られております。

 額に汗し、地域住民のため日々患者と向き合っている医師が、このような心配をすることなく安心して診療ができるような御配慮をお願いしたいと思いますが、足立政務官におかれましては、この辺の御見解をお伺いできたらというふうに考えております。

○足立大臣政務官

 質問が多岐だったという印象がありますので、ちょっと整理してお答えします。

 まずは、水野議員は、私とほぼ同年代で、長年歯科医療に携わってこられて、非常に厳しい環境であると思いますが、お疲れさまでございます。

 そこで、まず、今の指導医療官のことについてなんですが、私は、議員がおっしゃったように個別に具体的に見ていくというのは当然必要なことなんですが、その前の段階で、いわばスクリーニング的に網をかけるということは、それはある意味必要なのではなかろうかという気がしております。その方々に対して集団的指導となるわけですけれども、それ以降はやはり個別的ということで、その段階を踏むことは私は必要だろうなと思います。

 それから、指導医療官については、これは医師がなられているわけですけれども、公務員としてのルールといいますか、社会的な意味合いといいますか、やはり研修は必要だろうということで、これも研修についてはしっかりやっておりますし、その点の質を向上させるということも大事なことだ、そのように、二点、考えております。

○水野委員

 ありがとうございました。

 この問題につきましては、これからまた指導大綱の見直し等ありますでしょうから、またその中でいろいろと民主党の独自の政策を入れていっていただけたらというふうに考えておる次第でございます。

 続きましての質問でございます。

 続きましては、ほかでも取り上げられているかと思いますが、海外からの歯科技工物の問題について、政務官にお伺いしたいというふうに考えております。

 歯科医療技工物は、そしゃく機能の回復のみならず、話すことや審美的要素など、社会的生活を営む上で重要な人工臓器として、長期にわたり口腔内に装着されているものであります。したがって、歯科医療技工物は、薬事法に規定されている材料基準に基づき、歯科技工法で定められた安全基準を満たした施設で、歯科医師、歯科技工士が安全と質の担保を図りながら作製しているものです。

 ところが、海外技工物はこれらの基準が全く問われていないため、このまま放置されれば、我が国の安全性と質が担保されている医療保険体制そのものが根底から崩れる可能性が否定できないと私は思っております。長妻厚生労働大臣も、海外技工物の具体的な基準策定、問題の背景にある構造的な問題の有無についての実態把握に努める旨の発言をされております。

 また、今月九日付で日本歯科医師会から足立政務官あてに、海外への歯科技工物等の委託に関する日本歯科医師会の考え方というものが提出されていると聞いております。この文書によると、関係五団体が歯科技工物に関して厚生労働省と連携を図る旨合意がなされたというふうに聞いております。

 内容についてはここでは省略させていただきますが、その内容の中に、一部なんですが、民主党インデックス二〇〇九医療政策の提言に基づき、歯科補綴物のトレーサビリティーの確保を構築するため所要の検討をする等、考えが示されているというふうに聞いております。

 私も、歯科医師として、患者に対して安全、安心な歯科医療を提供するという観点から、今お話がありました歯科医師会の考え方を受けて、厚生労働省として取り組んでいく必要があるのではないかというふうに考えておりますが、ここの根本的な解決に向けて、今後どのような対応をお考えなのかということを足立政務官に御質問させていただけたらというふうに思っております。

○足立大臣政務官

 数年前から民主党でも、歯科補綴物について、特に輸入物について、この材料についてかなり問題があるのではないかという指摘は各委員がしてきました。そして今回、ベリリウムのこともあって、さらにその問題を深く検討しているということになるわけです。

 基本的に、義歯などの歯科補綴物はオーダーメードで作製される、そして歯科医師が海外に注文する場合は個人輸入するという仕組みになっているわけですけれども、今までどういうふうなことを厚生労働省としてやってきたかといいますと、使用材料の安全性に関する情報を患者さんに十分提供するよう継続的に周知する。これは平成十七年以降でございます。それから第二に、国外における歯科補綴物の材料に関する分析や流通実態に関する研究を実施していまして、ことしの五月にそれがまとまる予定でございます。

 今後、先ほど御案内がありました私に対する要望のありました点も踏まえて、第一段階として、歯科医師が国外へ歯科補綴物の作製を委託する際に指示する内容、これは基準ですね、作製場所や使用材料等について基準を策定、周知する。これは、早ければきょう、これを出す予定です。それから二番目に、先ほどトレーサビリティーの話がありましたが、十月末ぐらいを目途に、トレーサビリティーが確保されるような、歯科医師が遵守すべき事項を、これまた策定して周知したい、そのように考えております。

○水野委員

 ありがとうございました。

 これは私のあくまでも私見というか思いなのでございますけれども、やはり海外技工物は薬事法の医療品対象に、材料は薬事法基準に、そして作製については歯科技工法に準じた取り扱いにできるよう希望をしておりますけれども、その辺の見通しについては、政務官、どのようにお考えでしょうか。

○足立大臣政務官

 議員の意見も踏まえながら検討してまいります。

○水野委員

 次に、皆様のところに資料を配らせていただいたと思っておりますけれども、私も現場でやらせてもらいまして、患者さんへの文書提供の問題について質問させていただきたいというふうに思います。

 そこの資料にありますものが、私が歯科医療に携わっていたときの患者さんへの文書提供書類の一覧でございます。この文書提供が指導管理料の算定要件というふうになっておりますが、今、その文書提供が非常に診療の負担になっているのではないかというふうに私は考えております。

 確かに、患者さんに文書にて診療内容等を報告することは重要なことであるというふうには認識しております。しかし、その内容について細かい記載をするということが、非常に現場で、過重労働というのですか、大変な仕事となっていて、本来の診療時間を圧迫するようなというか、診療を圧迫するような事態も起こっているのではないかというふうに思っております。

 病院においては医療クラークというものが導入され、二〇〇八年の診療報酬改定では医師事務作業補助体制加算、施設基準が示され、そういう補助者には補助金というものが給付されているというふうに聞いております。

 文書提供を義務化するということは、もちろんそれは十分認識もしておりますが、医療機関の事務負担を軽減できるような対応がこれからぜひ必要だというふうに思っております。特に、やはり患者さんを診るということが私たちの第一の仕事でありまして、もちろんカルテはドクターが書かなければいけないというのも十分把握しておりますが、しかし、こういう書類につきましてはできるだけその辺の軽減というものを図れないのか。それは単に病院だけでなく、診療所または介護施設等も含めまして、そういうような軽減ができないのかということを質問させていただけたらというふうに思っています。

 足立政務官の御所見をお伺いしたいというふうに考えております。

○足立大臣政務官

 お答えいたします。

 両面からお答えしたいと思います。

 今議員がおっしゃるように、確かに診療に十分時間を費やしたいということはそのとおりだと思います。しかし、私も経験上、歯医者さんの治療で、一体自分は何をされているのかよくわからないということもまた事実でございます。

 そんな中で、議員が今おっしゃったのは、十八年の文書提供の算定要件だと思いますが、これは当時、相当反対意見もその後ありまして、二十年の改定で六項目についてはその算定要件から廃止をしております。内容はまた後でお伝えしたいと思いますが、もう御存じかもしれません。それから、三項目については、今まで月に一回であったのを三月に一回という形に改めたものもございます。

 また、別の観点からいいますと、今回の診療報酬改定に際して、情報提供の算定要件のことをどのように感じていられるか、患者さんに実態調査を行いました。その結果が、文書提供によって歯科診療に対する満足度が高まったとお答えされた方七五%、歯科診療に対する安心感が増したとお答えになった方八二%というように、患者さん側からすれば、これは非常に評価が高いという面もまたございます。

 それは、評価の高いもの、あるいは患者さんの納得という面から考えると必要な部分と、それが本来の診療行為の時間を割愛させてしまっているという両面から検討が必要だろう、私はそういうふうに認識しております。

○水野委員

 足立政務官は今、両面からということでお話しいただきまして、確かに、患者さんにそういう書面を出すということは、必要性は十分に感じております。ただ、そういうものにつきまして、では、これはどうしても医師が書かなくてはいけないものかということにつきまして、やはりこれから少し御検討いただけたらと。カルテは、これは当然医師が書く話でございますが、こういうものに関しては、もしそういう介助者があって、書けるものであれば、そういうところで出させていただけたら、私も、その分皆さんが診療に力が入るのではないかというふうに今考えておる次第でございます。

 それらのものに向かいまして、これからぜひ民主党の医療政策というものを強く打ち出していっていただけたらありがたいというふうに考えておる次第でございます。

 今、私たち、特に歯科の世界におきましては、歯科のワーキングプアというものも発生しています。実際、私もこの二十年間、開業医として働かせていただいて、毎年、年ごとに非常に厳しい状況になっているというものを肌身で感じております。

 ぜひ、国民のために、我々歯科医師、そして医師の先生が安心して治療に専念できるような体制になっていただきたい、またつくっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。


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Last-modified: 2010-06-15 (火) 21:11:38 (2626d)