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歯科衛生士養成学校3年制についての国会質疑



第159回国会
衆議院厚生労働委員会

第11号 平成16年4月14日(水曜日)

○馬淵委員

 当然のことでありますね。能力を生かしてというのは、これも一つ当然でありますが、役所の権限を持ってそれに関連するようなところに天下ること、これは決してあってはならないことであると。坂口厚生労働大臣、今お話にあったとおり、これについて改めていくということをしっかりと確認をさせていただきたいと思います。

 さて、私は、この天下りの問題に象徴されるような今のお話、厚生労働省の体質、責任をとらない体質というものについて、一つ非常に典型的な事象を見つけることができました。そして、何とそれが、この伊藤雅治、現在全国社会保険協会連合会理事長、当時の健康政策局長時代にそれを見出すことがあったわけであります。

 この伊藤雅治健政局長、平成十一年の八月に健康政策局長となられました。さて、この健康政策局というところで当時どのようなことが行われていたのか。先ほど来私繰り返し申し上げているように、厚生労働省というものは本当に責任ある行動をとっているのかということを、この伊藤さんの一つ一つの言動や、あるいはそれを取り巻く役所の体質の中で、しっかりと国民の皆さんに見ていただきたいと私は思っているわけであります。

 そして、この伊藤さんが健政局長になられたときにどういった状況があったか。平成十一年の五月のことであります。当時、平成十一年五月、歯科医師需給に関する検討会報告書というのがその一年前から検討され、それが提出されておりました。歯科医師とともに歯科医療を支えている歯科衛生士についても適正に確保していくための方策が望まれるという提言を受けて、そして、その検討を行った意見書がまとめられたのがこの平成十一年の五月のことであります。

 この平成十一年五月の意見書の概要が出されているわけでありますが、この検討会の位置づけというのは、そもそもどういうものでしょうか。

○坂口国務大臣

 局長の諮問機関だというふうに思っておりますが、一遍しっかりちょっと聞きますけれども、多分、局長の諮問機関と思います。

○馬淵委員

 そうですね。その前の健政局長が音頭をとられてといいますか、諮問機関として設けられた。

 そして、議事要旨がこれは的確に出されております。この検討会の中で検討をされた内容について、意見書の概要というところでまとめておられます。毎年、六千人を超える歯科衛生士が免許を得ている。こうした中で、歯科衛生士の担う業務というのが大変多様化している。さらには、歯科衛生士養成における現場での課題として、カリキュラムにゆとりがないとか、あるいは業務が多様化していて患者ニーズにこたえるような教育体制を整えることが困難な場面がある、こうしたことから、この検討会では、諮問機関ですよね、まさに局長の諮問機関の中で、ここで検討され、そしてまとめられた意見というのは、養成施設の教育内容を見直していくということ、そしてもう一つが、修業年限の延長ということでありました。

 それまでは歯科衛生士を養成するための修業年限というのは二年だった。これをさらに延長すべき、検討をしなければならない、このようにこの検討書の中でまとめられ、そしてこれの見直しを早い時期に実施することが必要である、このような検討を実施されているわけであります。

 さて、この検討を受けまして、当時、十一年五月、これがまとめられたわけでありますね。そして十一年八月、伊藤健政局長が就任されたわけであります。これを受けて、どのようなめどでどのように進めていくかということを当時決められましたか。大臣、副大臣、お答えください。どちらでも結構です。

○坂口国務大臣

 平成十一年の五月二十八日に、これは歯科衛生士の資質向上に関する検討会意見書を公表しまして、三年制延長を平成十二年四月一日に予定、こういうふうになっておりますが、平成十一年の九月の九日、十日、平成十二年四月の三年制への延長については関係団体とさらに調整を図ることとしたところでございます。

○馬淵委員

 お聞きしないことまでお答えになられましたが、めどとしては、平成十二年四月一日をめどとする。そして、その四月一日をめどに向けてさまざまな方策、施策を考えていくということになったと理解をしております。

 平成十二年四月一日ということで、当然ながら、これが五月にまとめられて、即座にやることは何かといえば、十二年度の予算措置をどのように考えるかということであります。平成十二年度の予算措置に対してどのような検討が行われましたか。副大臣、お答えください。

○森副大臣

 ちょっと質問の御趣旨を十分理解しているかどうか、自信がございませんけれども、十二年の四月に修業年限を三年制へ延長することを検討していたということは事実でございます。しかしながら、三年制に移行する場合には、学生増に対応する施設整備や教員の増員等の環境整備に向けた十分な準備期間を設ける必要があったこと、そして、上記の点について、日本歯科医師会から慎重な対処を望む意見があったことなどから、平成十一年の九月に、三年制への延長についてはさらに調整を図ることにしたものでございます。

○馬淵委員

 私の質問に答えていないですね。

 いいですか。十一年の五月、この意見書を受けて、そして八月には概算要求があるわけですよ。十二年度の予算に対して、まさに今おっしゃった期間を二年制から三年制に延長するには、施設やあるいはその周りの建物を含めたさまざまな整備が必要だ、予算措置が必要だということが当然考えられる。そして、その予算措置のための準備を当然されるじゃないですか、この検討書を受けて。

 私が聞いておるのは、予算措置されたんですかという確認ですよ。概算要求、予算措置されたんですか。森さん、答えてください。

○森副大臣

 三年制に移行するための施設整備の予算措置はしております。

○馬淵委員

 早くそうおっしゃってくださいよ。

 予算措置、予算の概算要求において、養成所施設整備費の予算化を要求しているということを今確認させていただいたわけでありますが、そこまでやっていて、平成十一年の九月に、先ほど私がお聞きしていなかったにもかかわらず、もう先走っておっしゃいましたね、この五月の意見書を受けて、そして概算要求のこの予算措置を進めておられる中で、九月に、十二年の四月一日の施行に関してはとりあえず凍結ということを決めたと今おっしゃいました。

 まず、なぜこれを凍結したんだ、なぜ平成十二年四月一日の施行をとめたのか。これについて、森副大臣、お答えください。

○森副大臣

 移行するためのそういった予算措置はいたしましたけれども、三年制に移行する場合には、学生増に対応する施設設備や教員の増員等の環境整備に向けた、やはりその準備期間が必要でございます。その準備期間を考え、また、さらに加えまして、日本歯科医師会から慎重な対処を望む意見があったことなどから、さらに調整を図ることにいたしました。

○馬淵委員

 つまり、厚生労働省として、当時は厚生省として、この十二年四月一日の施行に向けて、意見書を受けて進めて、予算措置をしようとしていたけれども、九月にそれをとめた、そういうことですか。森副大臣、お答えください。

○坂口国務大臣

 その話は、現在も実は三年制にする話が出ておりまして……(馬淵委員「現在は聞いていない」と呼ぶ)いえ、私も過去のことを聞いたわけでありますが、確かにそのころ、そういう検討会の意見がまとまったことは事実でございますけれども、そのときには、先ほど副大臣が答弁申しましたように、歯科医師会の方が当時非常に慎重な意見であったということでございます。

 ただし、平成十二年度から、義務ではありませんけれども、三年制に移行するところは任意にしてもらったところもある、こういうことでございまして、その後は引き続き、現在、全体で三年制にするという話を今進めているところでございます。

○馬淵委員

 厚生労働省が平成十一年の九月に、十二年四月一日の準備をしていたんだけれども、これはとりあえずの凍結をしたということなわけであります。

 それについて、当時の日本歯科医師会の中原会長から、全国の各都道府県の歯科医師会長あてに文書が出ているんですね。これは説明をしているわけです。意見書で、一年間かけて三年が望ましいという方向を向いていて、そして予算措置も進めている。その中で、九月に、やはり凍結すべきだという形で、とりあえず凍結という厚生省側の見解を受けた。これに対して、こういうふうに述べられております。

 中原会長は、「厚生省は平成十二年度予算の概算要求において、養成所施設整備費の予算化を要求しているところであります」、このように既に準備も進められている。しかし、厚生省所管局から、平成十二年四月一日施行についてはとりあえず凍結し、今後、関係者との協議を行っていくとの回答を得たところであります、お知らせいたしますと。

 歯科衛生士の修業年限を二年から三年に延長するために必要な省令あるいは法律の改正というのは、どういうものなんでしょうか。森副大臣、お答えください。

○森副大臣

 省令の改正が必要になりますけれども、歯科衛生士学校養成所の指定規則の改正が必要になります。

○馬淵委員

 そうなんですね。歯科衛生士学校養成所指定規則の一部改正案ということを、これはもう本来なら準備されていなければならぬ。その状況の中で九月に、これがとりあえず凍結となったんです。とりあえず凍結という事実が起きた。

 そして、ではそのときにどんなことが起きたんだろうか。一年かけて、そしてその前の年から歯科医師の方は歯科医療の向上のための検討をして、歯科衛生士の検討もしてきた。二年から三年に延ばそうというさまざまな措置をしてきたにもかかわらず、九月になって突然、とりあえずの凍結。

 それについて、おもしろい記事があります。これは平成十一年の九月の二十一日付の日本歯科新聞であります。これをちょっと読ませていただきますと、きょうも同じこの厚生労働委員会の委員としていらっしゃいます木村義雄議員のお名前がここに載っております。

 当時、厚生委員長であった木村義雄議員が、歯科衛生士学校養成所指定規則の一部改正案は歯科衛生士の資質の向上に関する検討会の提言を踏まえたものであるとして、これについて、そのときの検討というのは、修業年限を二年から三年にする、施行日は十二年の四月一日だ、経過措置期間は五年とするということであった。

 この問題について、日本歯科新聞では、「学校運営、医院経営の上で、さまざまな「本音」の部分の意見がある」、そして「厚生省・健康政策局長を呼んで、この点について配慮を要請し、「白紙撤回」の回答を取り付けた」、こういう記事が出たんです。そして、この記事を受けた翌週、大きな波紋が起きたと、また同じく平成十一年の九月二十八日付の日本歯科新聞に出ているんです。

「「白紙撤回」の波紋」、こう載っています。「木村義雄代議士発言巡り」「施行日の“凍結”を協議したもの」と。

 なぜ、こうした当時の木村厚生委員長の御意見が出てきたのか。これを見ますと、どこかから漏れ伝わったわけじゃないんですよ、これは。いいですか。九月十四日の大阪府歯科医師会が主催している時局講演会で、講演者である木村議員が、白紙撤回させた、このように発言されているということを受けて、この日本歯科新聞が二十一日付に書いた。そして、それを受けた日本歯科新聞の二十八日付でまた違うものを載せた。このようにこの日本歯科新聞に書いてあります。日本歯科新聞でこのような事実が、これは報道されているわけですね。私が今申し上げているように、報道としてなっています。

 そして、木村議員が繰り返し撤回を要請されてきたということは、同じくこれはことしの三月一日付の朝日新聞の方にも報道で載っています。木村議員は、平成十一年の夏以降、当時の同省幹部に対し、この教育期間延長について、歯科医師会が反対している、やめた方がいいなどと十二年四月施行に反対の考えを示した、木村議員からの要請は複数回にわたった、このように報道で書かれています。

 そして、こうした状況があって、その後、歯科医師会並びに厚生労働省はどのような対応をしたのかということになります。

 この歯科医師会の対応について確認をさせていただきたいんですが、さらに木村義雄議員の所属する山崎派の山崎拓さん、前衆議院議員ですね、山拓さんの支援する団体として、平成十一年の五月に大阪歯科医師会、大歯は、拓師会という政治団体を設立されています。今申し上げたように、この平成十一年五月、そして平成十一年九月の段階で、突然に厚生労働省の方針が変わっていった。そして、その背景には、こうした報道による木村議員の意見、木村議員の発言した内容あるいは拓師会の設立等々があるのではないかと思われる報道がなされているわけであります。

 そして、この平成十一年の九月の後に、平成十二年、日本歯科医師会から大臣の方に要望が行かれましたでしょうか。これについてお答えください。平成十二年の三月三十日、日本歯科医師会から大臣に対しての要望がございましたでしょうか。

○坂口国務大臣 私になりましてからなら私も記憶をいたしておりますけれども、私の前任者であったというふうに思いますし、そのときに歯科医師会から何かが出たかどうかというところまで、ちょっと今存じておりません。


これに関連して以下の様なニュースがあります。引用します。

http://www.independent.co.jp/news/dent_bn_view.cgi?dat=20040304

●歯科衛生士の教育期間延長 木村議員が旧厚生省に撤回を要請

 厚生省(現厚生労働省)が99年5月に諮問機関「歯科衛生士の資質の向上に関する検討会」が教育期間を3年以上とする意見書をまとめ、歯科衛生士学校の教育期間を1年延長しようとした際、同省幹部が、当時の衆院厚生委員長だった木村義雄・衆院議員(自民、香川2区)から延長方針を撤回するよう強く要請されていたことが分かった。

 当時の意見書では(1)業務が多様化し、現場での教育時間が法定時間を大きく上回っている(2)ほとんどの医療専門職が3年以上となっている――などと指摘。これを受け、同省は、教育期間を定めた歯科衛生士学校養成所指定規則(省令)の改正を決めたていた。

 しかし、社団法人「日本歯科医師会」(日歯)の一部も施設の設備拡充など財政負担が増えるとして実施先送りを主張。同省は反発が強いことから同年9月に延長の一時凍結を決めた。日歯の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)は自民党側に多額の政治献金をしており、木村議員もその1人だった。

 木村議員は厚生政務次官(92〜93年)、厚生労働副大臣(02〜03年)などを歴任し、現在も厚生労働委員会に所属。日歯連や地方の歯科医師連盟から、99〜02年の4年間に計2,185万円の献金やパーティー券購入の資金提供を受けている。


 歯科衛生士法で歯科衛生士の国家試験を受けるには大臣指定の専門学校などで2年以上学ぶことが義務づけられているが、同省は99年5月、他の医療専門職並みの3年以上に延長する方針を固め、翌00年4月実施に向けて準備を始めた。

 歯科衛生士の教育施設は国内に137ヵ所(03年4月現在)で、うち38ヵ所は地方の歯科医師会が運営している。当時、日歯会長だった中原爽・参院議員ら日歯執行部は延長実施を受け入れたが、歯科衛生士学校を運営する地方の歯科医師会の一部から「教室の拡充や教員増員の資金繰りが大変で準備期間が必要だ」などと実施に反対する意見が出た。

 関係者によると、木村議員は99年夏以降、当時の同省幹部に対し、この教育期間延長について「歯科医師会が反対している。やめた方がいい」などと00年4月施行に反対の考えを示した。木村議員からの要請は複数回にわたったという。

 同省は99年9月、日歯との意見調整が不十分として「期間延長の実施は凍結し、今後、関係者との協議を進める」とする見解を示し、00年4月からの延長実施を見送ることを決めた。


 当時の同省幹部は「凍結したのは、歯科医師会の一部から反対の声が強かったことが理由だが、木村議員から何回も要請されたことが圧力となった」と証言している。

 複数の日歯関係者によると、日歯側は、木村議員が厚生政務次官だった93年ごろから様々な問題で陳情する機会があったという。日歯幹部の1人は「歯科の問題を理解してくれている厚生族議員で、良好な関係を保てるように配慮していた」と話している。

 日歯連側は、木村議員に対し、少なくとも99年に315万円、00年に820万円、01年に850万円、02年に200万円を献金するなど資金提供をしている。


 木村議員はコメントしていない。議員事務所を通じて文書でも質問したが、回答は届いていない。また、当時の日歯会長だった中原議員は「延長に賛成していたが、当時、歯科衛生士養成所から反対意見があった」としている。

 その後、日歯は「国民の歯科医療に対するニーズが高度化している」として方針を転換。03年10月、厚労省に期間延長の要望書を出し、同省は改めて05年4月から延長を実施する方針だ。


歯科衛生士の資質の向上に関する検討会

設置について H10.9.3
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9809/s0903-1_10.html

第1回議事要旨 H10.9.7
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9809/s0907-3_10.html

第2回議事要旨 H10.10.5
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9810/s1005-1_10.html

第3回議事要旨 H10.11.2
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9811/s1102-1_10.html

第4回議事要旨 H10.11.30
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9811/s1130-1_10.html

第5回議事要旨 H11.4.2
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9904/s0402-1_10.html



平成11 年3 月に、当時の厚生省が設けた「歯科衛生士の資質の向上に関する検討会」作 業委員会から、意見書が提出されている。この意見書を要約すると「歯科衛生士の担う業務内容が多様化してきており、歯科衛生士養成施設の教育内容についても業務内容の多様化に対応するものが必要」となっており、「新たな教育内容の構成にあたっては大綱化を推進し、単位制を導入すること」としその結果として「教育年限は3 年以上」と述べている。



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Last-modified: 2008-07-10 (木) 08:20:18 (3241d)