Top / 歯科保健おける介護保険の課題についての国会質疑




厚労質疑全文(5月20日)未定稿
先日(5月20日)の厚生労働委員会での質問内容(未定稿)となります。

前半は、医療安全調査委員会について、後半は予防給付の中の口腔機能向上サービスの現状と課題や療養病床等について質問しました。1時間の質問とちょっと長めですが、ご覧いただけたら幸いです。

http://ishii-midori.typepad.jp/report/2008/05/post-9721.html から歯科に関わる部分を一部抜粋

○石井みどり

歯科保健・医療分野における介護保険の課題ということで少し伺います。

 平成18年度に介護予防という分野で口腔機能向上サービスが導入されましたけれども、非常に利用が低調であります。このことについて、予防重視型システムという転換が行われたんですけれども、その中の一つのサービスとして口腔機能向上サービスがあるわけですけれども、利用状況とか効果とかの検証は行っておられるんでしょうか。

○阿曽沼老健局長

 お答えを申し上げます。  先生御案内のように、平成18年度から予防給付がスタートいたしました。要支援者に対する予防給付の中で、運動、栄養、口腔衛生ということで、御指摘のように口腔機能の向上ということについても一つの重要な事項として柱で導入いたしました。

 この口腔機能の向上加算の算定の実績でございますが、現在のところ、介護予防の通所介護でいきますと月約七千件、それから介護予防の通所のリハビリテーションでまいりますと約1500件ということで、これは今年の2月の審査分の実態調査でございますけれども、残念ながらそんなに大きな数字ではないという状況でございます。

 この検証でございますが、現在、この口腔機能の向上サービスを含めまして、介護予防につきましては全体の効果を分析評価するために継続的評価分析等事業というのを実施をいたしております。本年度末までに取りまとめを行って、21年度以降の事業の実施に参考にするということで今検証作業を行っている途上でございます。

○石井みどり

  これ、広島県歯科医師会が調査したところ、指定介護予防事業所のうち口腔機能向上サービスを実施している事業所というのは40.7%と半分にも満たないんですね。第四期の介護保険事業計画に向けて今おっしゃったように検証を進められていると思うんですけれども、この原因というか、なぜ低調なのか、その要因というところをどのようにお考えでしょうか。

○阿曽沼老健局長

 お答えを申し上げます。

 今お話にございましたように、事業者数によりまして全国的に見てみますと、受皿としては指定介護予防通所介護事業者数の中で33.8%、それから指定介護の予防通所リハ事業者数でいえば68%という、そういうことをやるという受皿はあるんですが、現実には、利用者のサイドから見ますと2.4%あるいは1.4%という形でしかサービスが提供されていない面がございまして、率直に言って、運動機能の向上の加算と比べるとかなり利用の仕方が低調であるということは否めないというふうに思っております。

 今御指摘いただきましたその原因でございますけれども、これは私どもまだ研究途上ではございますが、市町村とか地域包括支援センターに対してアンケート調査を行いました。そういたしますと、口腔機能の向上サービスが伸びない要因としては、例えば人材の育成確保がなかなか難しい、それからなかなか実際に実施をする事業者の数が少ない、それから、これも事業者サイドの問題ではあるんですが、事業者の側になかなか認識あるいは理解が低い、それから手続、手順が面倒くさくて、報酬の割には非常に面倒くさいという指摘がなされております。

 したがいまして、私どもとしては平成20年度は今後21年度以降この対策をもう少し実のあるものにしていくためにどうすればいいかということで今検討しておりまして、その研究成果を踏まえて来年度以降の取組に反映させていきたいというふうに考えております。

○石井みどり

  今、低調の理由を少しお述べいただいたんですが、歯科診療の中で虫歯、歯周病の治療というのは一般的な治療でありますが、この治療をしている方に対しては口腔機能向上サービスが利用できないということがあるのは御存じですよね、御存じですね。このことがやはり低調の理由の一つだと私は思うんですけれども、歯科診療を受けている人がなぜ口腔機能向上サービスの介護報酬が算定できないのか、これはどういう趣旨によるのかお聞かせいただければと思います。

○阿曽沼老健局長

  御指摘のように医療保険のサイドで歯科の治療を受けている、例えば虫歯の治療とか歯周病の治療とかあるいは入れ歯の作製とかかぶせものを作るとか、そういった形で歯科の医療を受けている場合には介護保険のそういう口腔機能の向上加算が取れない、これ制度上の医療保険と介護保険のいわゆるデマーケーションといいますか、給付の調整という形でそういう仕組みになっているというのが現行制度でございます。

 その点につきましては、今のようなことで、例えば本当に口腔機能加算の中で単に口腔内の衛生状態の管理をされるようなものであれば歯科の診療とオーバーラップする部分があろうかと思いますけれども、それ以外の部分もあるということであれば、その辺について更に工夫は要るのかなという感じはいたしております。

○石井みどり

  診療報酬上の指導料に当たるというふうな考え方なのかなという気もするんですけれども、ただ、そうだとすると、今制度上の違いだということだったんですけれども、そうすると、口腔機能向上サービスというのは医療の範疇に入るんですか。本来、予防重視型介護保険のサービスというのはまさに加齢や廃用による生活機能の低下であったはずなんですね。虫歯、歯周病の疾病を前提とする医療とは全く根本的に別のものだと思うんですけれども、その辺りをどうお考えでしょうか。

○阿曽沼老健局長

 お答えを申し上げます。  全く別のものかと言われると、なかなか大変難しいところがあろうと思います。口腔内の衛生状態の管理という部分については、ある意味では歯科の疾患の管理料とオーバーラップする部分があろうかと思いますが、ただ口腔機能向上加算のサービスすべてが歯科の医療に入るのかというと、それはそういうわけでもないだろうというふうに思っております。

○石井みどり

 いや、そうであれば少し私は矛盾しているんではないかというふうに思うんですけれども。

 例えば、その口腔機能向上サービスより先に虫歯や歯周病があるんであれば治療を優先すべきだという考え方もあろうかと思うんですけれども、確かにそういう疾病が原因でそしゃく機能あるいは嚥下機能に障害がある場合はそういう治療が前提になる、不可欠だとは思うんですけれども。しかし、先ほど申し上げたように、口腔機能向上サービスというのは、まあ予防重視型であって、生活機能に対して更にそれを低下させない、生活機能をより活性化させるというところでのサービスのはずであったものが、なぜ、ここの口腔機能向上サービスだけでは口腔機能の向上は望めないわけですね、治療とは別物のはずなのに、どうしても重なる部分もあるけれども別のものだというお答えですので、ちょっと私としては、このことがやはり非常に口腔機能向上サービスの利用が伸びない一因であろうというふうに私としては思っています。

 もちろん、歯科の疾患というのは非常に疾病管理というのが重要ですので、また予防と治療、そしてリハビリ、機能向上というのは同時並行に行われるものですので、ここをきちんと判断していただかないと、医療と介護の役割分担を明確化するということと治療を、サービスの実施を制限することとは違うんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○阿曽沼老健局長

 お答えを申し上げます。

 口腔機能向上サービスが伸びない原因の一つとして、石井先生はそういう医療保険との整合性で治療と予防の部分のオーバーラップの部分があるんじゃないかという御指摘ですけれども、確かにそういう給付調整の問題が一つの課題であるということは私ども事実だろうと思います。

 したがって、この部分というのは大変デリケートな話でございますので、これ口腔予防サービス、口腔機能向上サービスについては、ほかにも今の介護報酬上の問題、まあアクティビティー加算との整合性をどう考えるかとか、あるいは事業者の受ける事務量の問題をどう考えるとか、ほかの要因もございますけれども、今御指摘いただいた点については、医療保険と介護保険の関連するサービスの予防と治療の給付サービスをどう調整するかという問題でございますので、関係団体の意見も十分聴きながら必要なサービスが継続できる、確保できるという観点で今後検討していきたいというふうに思っております。

○石井みどり

 是非御検討をお願いしたいと存じます。  というのも、このことが、ケアマネジメントの際に必ず歯科について受診しているかどうかということを聞くわけですね。そうすると、ここでまずもうケアプランに反映されなくなってしまうんですね。治療を受けているということでもうケアプランに入らないという事態になってしまいます。そのことがやはりサービスの低下、利用が低調であるということだろうというふうに思います。

 虫歯やあるいは歯周病というのは非常に罹患率が高い、疾病としては非常にその有病率が高いわけですね。健康日本21の中でもかかりつけ歯科医で定期的に歯科健診や歯石除去を受けるということを国民の方々に推奨しているわけですね。にもかかわらず、この時点で、ケアマネジメントの時点で歯科治療を受けていればサービスから除外されてしまう、ケアプランにも組み込まれないということが出てまいりますので、その辺りを是非御検討いただきたいと思います。

 一方で、じゃその介護報酬がないというだけでサービスを提供してはいけないという考え方もあろうかと思うんですけれども、しかし、やはり、もはや介護の分野においても、もちろん医療もそうですけれども、きちんと報酬ということをイニシアチブにしてやはり政策誘導するべきだろうというふうに思っています。ボランティア精神に期待すべきではないというふうに思っております。

 また、もう一つサービスの利用が低調であるというところで先ほど人材のお話が、お答えがあったんですけれども、これに関しても、広島県歯科医師会が調査したところでは、歯科衛生士等の従事者の確保が困難であるというふうに多くの事業場が答えているんですけれども、非常に介護の現場においては介護スタッフですら離職率が高くて人材が不足しています。  特にこの口腔機能向上サービスというのは、歯科の専門職がやるということは大変意味があるわけでして、もちろんこのときは介護職あるいはSTとかそういう方々がやってもいい、また本来口腔ケアというのはどなたでもやるべきことですけれども、さらに専門家がやるというところに意義があるわけですけれども、非常に歯科衛生士あるいはスタッフの確保というところが非常に皆さんお困りになっていらっしゃる。その現状をどのようにお考えになって分析をされているの か、お聞かせをいただければと思います。

○阿曽沼老健局長

 お答えを申し上げます。

 口腔機能の向上をするサービスというのは、実は高齢者介護にとっては、私は極めて重要だというふうに思っております。したがって、私ども厚生労働省としても、予防給付の中でも残念ながら今まだ口腔サービスの部分はかなり低調でございますけれども、とにかくこれから力を入れて伸ばしていかなきゃいけないというふうに思っております。

 それで、御指摘いただきましたように、口腔機能サービスというのは、嚥下の問題とか日常生活のケアの問題とか、そういう意味で、専門的知識、技術を兼ね備えております歯科衛生士さんだけではなくて、言語聴覚士の方とかあるいは看護師の方も現実には口腔機能向上のサービスの提供に参画をしていただいているという現実であります。

 今御指摘の人材の確保の問題ですけれども、事業者について言えば、受皿としては半数近くあるところもあるわけですけれども、現実に進んでいないということで、そういう意味では歯科衛生士をもう少し強制的に配置をするとか、そういう仕組みにしたらどうかという議論もございますが、逆に今度は歯科衛生士さんが例えば歯医者さんの方からこちらに移動した場合に本当にうまくいくのかというようなこともございまして、ただ、結論から申し上げますと、この口腔機能の向上に極めて重要な役割を果たしている歯科衛生士さんの関与というのはいずれにしても大切なことだと思っておりますので、その関与、機能の確保というのを どういうふうにこれからしていくか、適切に検討していきたいと思っております。

○石井みどり

 是非、切実にお感じいただいて、効果的な方策を取っていただければと思います。  御存じのように、平成17年に歯科衛生士学校養成所の指定規則の改正によって歯科衛生士の修業年限が3年以上に引き上げられました。今や歯科衛生士という専門職は、口腔機能向上だけじゃなく、食育、育児支援、あるいは防炎教育といったような、幅広く、本当にヘルスプロモーションの部分にまで従事できるというその歯科衛生士の使命と業務というのはやはり拡大をしてまいりましたので、期待される歯科衛生士というのはやはり知識もスキルも大変高いもの、高度なものが求められているわけであります。今、四大化(四年制大学化)しているところも既に全国に5校ございますので、こういう高度で専門的なスキル、知識を持った歯科衛生士を十分活用していただきたい、その役割を発揮させることを是非お取組いただければと思います。


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Last-modified: 2008-05-23 (金) 07:48:51 (3231d)