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◆ 諸外国における歯科医療需要に関する調査 ◆

(第二回・今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討委員会より下野参考人の発言部分を抜粋) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/02/txt/s0207-2.txt

今後の歯科保健医療と歯科医師の資質向上等に関する検討委員会(第2回)

      日時:平成18年2月7日(火)14:00〜16:00/場所:厚生労働省専用第16会議室(13階)


下野参考人

 諸外国における歯科医療需要に関する調査ということで、質問事項はここに掲げた六つでございます。左の方にはそれぞれの歯科医師会の会長あてに送った手紙でございます。各国の歯科医師の数、男女比、年齢分布、それから人口10万人あたりの歯科医師の数、歯科大学の数、歯科医師の地域分布、それから過去10年間歯科医療の変化、どういう変化があったか、将来の歯科医療はどういうことが期待できるかという内容でございます。

 参考といたしまして、日本の歯科のこういった情報、それから日本の歯科の保険の制度、さまざまななことを参考資料として送ってございます。送りました国は16カ国26カ所でございます。一国一歯科医師会というわけではございませんで、一つの国で三つに分裂しているところもございますので、そういうところにも26カ所送りました。アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スウェーデン、オーストラリア、デンマーク、ノルウェー フィンランド、ベルギー、オランダ、オーストリア、ニュージーランド、韓国でございます。

 手紙を12月の初旬に送りまして、1月の半ばまで待っていたんですが、6カ国からしか返事がありませんで、けさドイツから返事がありました。実は先月に改めてスウェーデンとドイツと、ここはどうしても情報がほしいという宮武先生のサジェスチョン、それからアメリカ、カナダの卒後研修について情報がほしいという日高課長のサジェスチョンがありまして、もう一度アンケートを再送付しておりますが、こちらの6カ国からはまだ返事がきておりません。

   これが全部まとめたものです。最後にこの調査結果を私なりにまとめてみましたので、 ざっと見ていただいて、この色の変わっているところ、例えば歯科医師の数、アメリカでは17万人、一番右端に日本のデータを青で参考に示しております。大体男女比を見ていきますとドイツがちょっと飛び抜けておりますが、大体20%前後が女性の占める割合になっております。年齢分布はこれはなかなかおもしろいデータで、例えばオランダは20代が8%しかいない。50代が32%で、これは最近歯科大学を狭めているといいますか、卒業生を抑えているということがよくわかります。

 これに対して韓国は20代が19%ですから、これは全体の占める割合、若い歯科医師が多いということがわかります。オーストラリア、それからカナダ、日本は大体同じような年齢分布になっておりますが、人口10万あたりの歯科医師の数、ドイツ、日本が断トツで70人を超えております。これに対しまして他の国、アメリカ、スイスが約60ですが他のところはむしろ歯科医師が少ないという状態でございます。

 歯科大学の数はアメリカが56、ドイツが31と多いのは、これは東西統一によることが影響しているのかなというふうに感じられました。それから地域分布はどこも同じですね。都市に集中しているという傾向は変わりません。アメリカはニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニアに多くて、ケンタッキー、アラバマ、ミシシッピーに少ないという結果が出ています。

 これが10年間の変化ですが、この中でお読み取りいただきたいのは、オーストラリアでは子どもの口腔ケアはもういいのではないか。これからはやっぱり成人の口腔ケアに重点をあてていかなければいけないんじゃないか、それからオランダは受診者がふえてきたけれど歯医者はちっとも働かない、今までどおり勤務時間を延ばすことをしないので、予防業務を歯科衛生士に委託をした、これに伴って歯科衛生士の修業年限が4年制になったということを聞いております。こういった形でオランダは徐々にこのチーム医療へ転換してきているということです。    アメリカは予防、重点業務が減少して、診断業務が増加している。ここに診断業務が全歯科治療の39%、予防が27%、充てんその他が17%となっているということです。ドイツでは予防業務が増加していて、その結果としてDMFの数値が1以下になった、最近はインプラントの治療が増加しているというような特徴があります。ここで日本では補綴充てんの治療が50%という傾向は過去10年間変わっていないという、日本が極めて特異な状況にあるなということがわかります。

 この中から今の結果をまとめたのがこれでございます。日本とドイツ以外に歯科医師の需給のバランスはとれている。オーストリア、韓国、オランダはむしろ少ない。ドイツを除いて女性の占める割合は20%でほぼ同じである。それから若い歯科医師は韓国に多く、高齢の歯科医師はオランダに多い。どの国も都市部に集中している。先ほども言いましたが、オーストラリアではこれから口腔ケアに重点をあててやっていかなければいけないだろう。アメリカでは診断業務が増加している。予防、充てんがむしろ減少している。そしてオランダは今申し上げたとおりです。

 以上の結果から、このドイツの需給のアンバランスは東西統一の影響ではないかというふうに考えられます。日本、ドイツが70を超えているわけですが、その他の国というのは比較的まだ歯医者の数が少なくて、もっと国に数をふやしてほしいという要請をしている、オーストラリアなんかではそういうことを報告に書いてきております。

 先ほど渡辺先生の話もありましたが、各国では充てん・補綴から予防へ、アメリカはもう予防から診断へ歯科の業務が変わってきている。この中で特に将来にかかわってインプラント治療が、これは多分アメリカが書いてきていませんが、こういう治療はふえきているだろう。オーストラリアの成人、あるいは日本のように高齢者の口腔ケアに重点をおくべきではないかということが考えられますし、それから歯科衛生士の位置づけ、これはチーム医療ということと関連して、この位置づけをこれからどうしていったらいいかということも重要な問題である。

 こういうふうに重点から予防へということ、それからチーム医療ということで、はたと思いたったのがWHOのバームス先生の15年前に出された予測、これが本当に当たるのかしら。そこには2025年には充てんのためのエンジンやタービンなどの切削器具はなくなっているし、歯石は薬物によって抑制されているし、歯学部は必要なくなっているし、今日のような歯科医師もなくなって、健康専門官オーラル・フィジシャン、あるいは個人開業医でなくてチーム医療になっていく、学校歯科サービスはなくて、学校保健や青少年保健サービスになっていくと彼は予測しているわけですが、全部は当たらないにしろ、少しずつ彼の予測に向かっているのかなという印象を受けたわけです。

 いずれにしましても、たった七つの国のアンケートで、しかも全て統一した書式できちっと書いてくれるわけではありません。もういい加減に書いてくるようなところもありましたので、その中から何とかこういうふうにまとめてみた次第です。以上です。


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Last-modified: 2008-03-12 (水) 08:28:02 (3361d)