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診療報酬改定のあり方についての国会質疑


歯科の保健医療、診療報酬体系のあり方、医科と歯科の差、改定率の改定方法などについて質疑がなされています。



第145回国会 厚生委員会 第9号
平成十一年五月十八日(火曜日)
吉田幸弘

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/145/0008/14505180008009a.html


○木村委員長

 吉田幸弘君。

○吉田(幸)委員

 自由党の吉田幸弘でございます。

 今回、自由党として、年金問題について大臣にお伺いすることはいたしませんが、要請として、とにかく緊急に、また積極的に取り組んでいただきたい。現在、私どもは将来的に税方式で、この検討、また協議を進めておりまして、重ねてのお願いになりますが、大臣におかれては、また厚生省の皆さんも、年金問題には積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 今回、一般質疑ということで、私は、大方皆様方は御存じいただいているとは思うんですが、歯科医師出身でありまして、いかに歯科医療というものが国民の健康に重要かということをまたお訴えをさせていただきたいと思います。

 二月の厚生委員会で、歯科の保健医療の重要性について私は質問をさせていただきました。また、きょう、時間もないということで、その質問を早速させていただきます。

 高齢化社会が非常に進展しております。それに伴って、歯周疾患、いわゆる歯槽膿漏、こういうものを予防して健康な歯を多く残すことによってお年寄りのQOLをより高いものにするということが極めて重要ではないでしょうか。歯科医師会も、八〇二〇運動、この八〇二〇運動というのは、八十歳の時点で二十本の歯を残しましょう、こういう運動を展開しております。

 また、歯科保健が従来にも増して重要となってきている中で、今回厚生省が取り組んでいる健康日本21、この政策の中に歯科保健をどのように位置づけているのか、また、どれぐらい重要と認識をされているのか、お伺いをいたしたいと思います。

○伊藤(雅)政府委員

 高齢化の進展に伴いまして、今先生御指摘のように、歯周疾患の予防など歯科保健の重要性がますます高まっているというふうに認識をしております。

 したがいまして、私ども、今、寝たきりなどの要介護状態にならずに健康で生活できる期間、健康寿命と呼んでおりますが、この健康寿命を延ばしていくことを目標といたしまして、二十一世紀におきます国民健康づくり運動、健康日本21を策定しているところでございます。この計画の中に、歯科保健につきましても重要な柱の一つといたしまして位置づけ、具体的な目標なり施策を盛り込んでいきたいと考えているところでございます。

○吉田(幸)委員

 重要ということでお考えをいただいているようですが、具体的に私が承知している中では、嚥下性肺炎、これも何度も説明また質問させていただいておりますが、嚥下性肺炎によって肺炎がより急性化をしたり、最近では明確なデータというのはそろっていないようなんですが、消化器系の疾患から口腔内の常在菌が発見されたとか、また、かみ合わせをうまく、咬合改善をすることによって意識障害が改善したとか、いろいろな歯科治療によって全身的なことにいいふうに及ぼすデータが最近では目立っております。介護に関してもこういう項目に積極的に取り組んでいただければ、先ほど前段の質問にあったように、QOLを高いものにすることができる。

 では、介護保険において歯科領域の取り組みというのは一体どのようになっているのか、この考えを厚生省にお伺いをいたします。

○近藤(純)政府委員

 要介護者の口腔衛生管理につきましては、その重要性にかんがみまして、介護保険法では、居宅要介護者等に対しましてかかりつけの歯科医等によります療養上の管理とか指導を居宅療養管理指導という位置づけをいたしているところでございます。

 また、施設の入所者につきましては、これは老人保健施設と特別養護老人ホームでございますけれども、あらかじめ協力歯科医療機関を定めるとということを努力義務といたしているわけでございまして、介護保険制度におきましては、要介護者等の口腔衛生管理が適切に行えるように配慮いたしております。

 この結果、さらに歯科医療が必要であるという場合には、医療保険のサイドからになりますけれども、歯科訪問診療等もできる、こういうことで必要な治療が確保できるように措置をいたしているところでございます。

○吉田(幸)委員

 質問ということではないんですが、今の介護保険でもう少し早急に明確化していただきたい点は、どんな分野で介護保険の内容というか、例えば刷掃指導なのかあるいは咬合管理なのか、もう少し詳しくお知らせをいただきたいと思います。それと、どのように点数化していくのか、あるいはどのような経路で点数が適切かどうかの審査をされるのか。あとは支払い方法、今までと同じような支払い方法で行われるのか。こういう点についてきょうはお伺いはいたしませんが、そういうことに対して、次回というか、日を改めてお伺いさせていただきたいと思います。

 今、一問目、二問目をお話しさせていただいて、いずれにしても、予防面においてもまた高齢者においても、歯科医療というのは非常に重要ではないかというように認識をしていただいているということはよくわかりました。

 この歯科保健医療の重要性について十分に御認識をいただいているということであれば、今、研究面において極めて重要な問題が発生してきております。これは、歯学研究や医学の研究を行う上で、動物実験というのは極めて重要な行為だと私は認識をいたしております。

 私は歯医者だといっても、大学院では生理学を専攻いたしまして、かみ合わせだとかあごの動きだとか、そういうことを学ばせていただいたのですが、やはり動物を使って実験をさせていただいたわけです。私どもも含めて多くの研究者というのは、それに対してきちっとした姿勢で取り組んで、医学の向上のために行うという認識を持っているにもかかわらず、動物愛護の観点からこの研究者の姿勢というものを理解していただけないような意見も少なくはない。特に、最近においてはますますそういう声が上がってきているというふうに聞いております。

 動管法、この法律を改正しようとする動きがあるということも聞こえてきております。研究を阻害するということもあります。また、動物愛護という、これも極めて必要な考えかと思います。この点に関して、現在、厚生省ではどのような状況になっているのか、また、今後の取り組みについてどのようになっていくのか、お伺いをいたします。

○真野政府委員

 動物実験は、歯学、医学、薬学等におきます研究を推進する上で、先生おっしゃられましたように、重要な実験過程であるというふうに私どもも考えております。

 一方、動物愛護につきましても、これもまた一つの重要な理念でございまして、現在、先生おっしゃられますように、動物の保護及び管理に関する法律につきまして改正の動きがあるというのは私どもも承知をいたしております。

 これまで動物実験の実施に当たりましては、この動物の保護及び管理に関する法律に基づきます総理府の基準に基づきまして、実験などに当たりましてできる限り動物に苦痛を与えないよう、関係試験研究機関及び関係の研究者の方々に対し周知徹底を図ってきたところでございます。

 厚生省といたしましては、今後とも、こういう法律改正の動きも注視しながら、引き続き動物実験が適切に行われるように努力をしたいというふうに考えております。

○吉田(幸)委員

 適切に検討ということですが、とにかく人を使ってなかなか実験ができるものではありません。ですから、重ねてのお願い、また考えになりますけれども、いずれにしても、現在、医学、歯学に関する研究者は、明らかに我々人類のために動物を使わせていただいておりますが、このことで心を痛めずして動物実験をやっているのではないということだけ強く重ねてお伝えしたいと思います。

 次に、厚生省が国民の健康を推進する上で、今、研究面においても歯科保健医療対策は極めて重要だと認識していただいているということはよくわかりましたが、実際どうなのか、それが反映されているのかということについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 今後の歯科医療をさらに充実していく上で、診療報酬における適切な評価を行っていくことが必要であると考えます。診療報酬体系のあり方については、先般、医療保険福祉審議会制度企画部会の意見書が提出をされました。歯科診療報酬の見直しの具体的な方向性について、これは少し詳しく教えていただきたいと思います。

○羽毛田政府委員

 診療報酬体系の中における歯科診療の適正な評価が必要であること、そのことにつきましては、私どももそのような観点に立って進めてまいっておるつもりでございます。

 今先生御指摘ありましたように、診療報酬体系のあり方につきましては、先般、医療保険福祉審議会の制度企画部会の意見書が出されました。私ども、この意見書の内容を踏まえながら、今後、具体的な設定につきましては、中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協における具体的な検討を行うという段階になっているところでございます。

 この制度企画部会の意見書におきましては、歯科診療に関しまして、小児齲歯、小児の虫歯の再発防止、あるいはそしゃく機能の長期的な維持管理のための技術、こういったものにつきまして歯科特有のやはり特性がある、こういった特性を十分重視した診療報酬でなくてはならないというような指摘をいただいております。

 また、企画部会で意見をまとめるに当たりまして、そのもとに診療報酬体系見直しの作業委員会ということで専門家の方々も入っていただきまして報告書をおまとめいただきました。その中におきましても、例えば歯科医療につきましては、その特性ということで、やはり出来高払いというものを原則としていくべきではないかというような御意見、あるいは歯科固有の技術評価としてそしゃく機能を回復させ、長期維持する技術の評価をすべきであるというような御意見、あるいは病診連携に基づきます病院歯科の高次機能を評価すべきであるというような御意見、さまざま出ておりますので、こういった作業委員会の報告書をも踏まえた検討をしていくべきであるという意見書をいただいております。

 こういったことを踏まえまして、いずれにしましても、これから診療報酬の見直しにつきましては、今のようないわゆる歯科の特性というものに十分配慮する形の中で、中央社会保険医療協議会での議論を待ちまして、最終的には診療報酬体系を具体的に見直していくという取り組みにいたしたいと考えておるところでございます。

○吉田(幸)委員

 前も似たようなお話をいただいたのですが、この診療報酬という部分について、ちょうど私が大学に入ったときぐらいです、八〇年代、医科と歯科の差が極めて大きなものになってきております。ですから、私が大学へ入って、それこそ、今は歯科医師をしておりませんが、歯医者はよくない、どんどんその評価というものが医科と差がついてくるんだ、こんな教育を受けたわけです。教育問題を今論じるわけではないのですが、そのことを学ぼうとしている人たちに将来真っ暗だなんて言われたら、やる方もやる方だし、その中で少しはどうにかならないかということで今回も質問をさせていただいておるのです。

 例えば歯科の特性云々と、これはきょう出席されている先生方は御存じかどうかわからないのですが、初診料は医科と歯科で違うのですね。同じ医者で、再診料も違う。こういうものに関しても同じにするべきで、歯科医療というのは、先ほどから何度も述べさせていただいているように全身的にも影響する、お年寄りにも、介護の問題でも極めて重要な医療の分野であるということが認識されているまた認識されつつある中で、やはりそういうものから改善をしていただきたいなというふうに意見として述べさせていただきます。

 診療報酬の問題、この改定率の改定方法についてお伺いをしたいと思います。それと、薬価の見直しなどの医療の効率化で生じた財源を、よりよい医療を提供するために医科と歯科の方に適正に配分をするべきだ。また、先ほど申し上げたように、歯科医療というのは最近頭打ちをしている。診療所の経営状態というのも医科の診療所に比べて余り芳しくない状態だ、こういうような現状を踏まえて、財源の配分というのは必要だと思います。

 そういう話をすると、歯医者さんは高い差し歯があるからいいとか、要は自費診療があるからというようなことでちょっとは我慢しろというようなことはよく聞きました。ところが、日本全体が余り経済状況もよくない、また、だれもかれもそういう高い歯科治療を受けられるという状態じゃないわけですから、社会保障というものの考えの中においてはそれを外して考えるべきではないか。

 現実、自費診療なんてそうそうあるものではありません。これは都内とか、私の名古屋市内、名古屋市内であっても中心街じゃないとなかなかそういう高額な治療費というのを払っていただけるような患者さんというのはおりません。ですから、保険の範囲内で適正な配分をしていただけないだろうか。このことについて今後どのように対応していただけるのか、お伺いをしたいと思います。

○羽毛田政府委員

 診療報酬改定率につきましては、これまで、医療機関の収入と人件費、物件費など諸費用の総合的なバランスを勘案して改定をするということでやってまいりました。そのことの結果として、かつての改定率でいえば、歯科が高かったこともございますし、また医科が高くなってきたこともございますが、直近の平成十年改定におきましては、医科、歯科とも一・五%の引き上げということを行ったわけであります。

 診療報酬改定のあり方につきましては、その中でどこに重点を置いていくかというところもあると思いますけれども、先ほどのように、確かに、初診料、再診料というところだけを取り出しますと医科と歯科との間で差があるということはそのとおりでございますけれども、それは、今まで歯科につきましての改定の力の入れどころというものを多少そのほかの技術料の部分に力を入れてきたというところもありまして、そうなっておるわけです。

 いずれにしましても、今後、医療の質の向上でありますとか、あるいは給付と負担の均衡の確保、医療資源の効率的な配分といったような総合的な観点での検討が必要でございますので、先ほどもお答えをさせていただきました中央社会保険医療協議会における御議論、その前提として、先ほどのように、医療機関、歯科医療機関の経営実態ということを知るための医療経済実態調査というようなものを実施しまして、こういった結果を踏まえて検討をしてまいりたいというふうに考えております。

○吉田(幸)委員

 前回は一・五、一・五ということで、私自身もこれは承知しています。今回もそれに準じた――この一・五というのは数字的には高くはないにしても、医科、歯科の評価に関しては同じ率だということは私自身も評価はいたしております。

 いずれにしても、歯というのは非常に、歯だけの話ではとどまりません。それこそ健康、体のことを考えると、口腔内を管理すること、うまく歯を磨いたり歯を残すということは想像以上に全身にかかわってきますので、私はこのことを言い続けて、皆様方に健康になっていただきたい、この一心で質問させていただきました。

 いずれにしても、今後、歯科業界の皆様方は介護の問題においても前向きに取り組もうという姿勢はあります。ですので、今御答弁いただいた内容をしっかり実行いただいて、業界としても一生懸命やっていくということで、今回質問を終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。


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Last-modified: 2008-06-20 (金) 08:03:58 (3295d)