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赤本と青本についての国会質疑

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/120/0390/12003130390003a.html

公明党 薮仲義彦

総義歯の不採算性、タイムスタディーについて議論されています。


第120回国会 予算委員会第四分科会 第3号

平成三年三月十三日(水曜日)







○薮仲分科員

 私は、大臣に、高齢化時代を迎えまして、いずれ大臣も入れ歯になると思いますけれども、いわゆる総義歯の不採算あるいは歯科材料の保険導入について、私は亡くなられた園田厚生大臣以来ずっと十年間この問題を、十年以上になりますけれども、毎年この問題は、あるときは社労委員会でも指摘をしてまいりました。そういう意味で、きょうは非常に時間が限られておりますので、恐縮でございますが、どうか御答弁は要点を簡潔にお願いをいたしたいと思います。

 昨年の予算委員会で、大臣は御存じないかもしれませんけれども、津島前大臣のときにこの問題、提起いたしました。これは、通称我々赤本と言っておりますけれども、これは日本補綴歯科学会医療問題検討委員会、これは日歯の中にある専門学会の中の補綴学会、いわゆる入れ歯をつくったり鋳造冠といってクラウンをはめたりする問題を検討する学会でございますけれども、その日本補綴歯科学会が、今のこっちは、厚生省の青本です、これによって、点数表によって臨床医は歯科の治療費を請求してくるわけです。この青本によって臨床の先生が総義歯のいわゆる請求をする。総義歯については、非常に今の保険点数では採算に合わなくて、総義歯をつくるのがうまいと言われることが非常に心苦しいというかむしろ余り、積極的につくるということに心が痛んでいるわけであります。

 では、なぜなのかということをずっと私はこの問題、十年以上やってまいりましたけれども、幸い補綴学会の先生方と話し合っている中で、先生方が一つ一つの診療行為についてこれを一体保険でどのように評価すべきであるか、この診療行為には何分間の時間がかかって、あるいは歯科衛生士の方、歯科材料がどういうふうにかかわり合ってくるか等々を含めて、いわゆるタイムスタディーという形で、この総義歯あるいは鋳造冠等の診療行為にどの程度の保険点数で評価しなければならないかということをきちっと結論を出されました。これは、学術的にその大学の講座と、それから歯科医師になられて十年末満の先生と、臨床医として十年以上の経験豊かな先生と、三つの関係する方々にこのいろいろなケースをステップごとにやっていただいて、それでこれはこのぐらいが評価が適正であるというのをまとめたのがこの赤本なのです。これを私、前大臣に、厚生省として検討してほしい。「診療並びに技工行為に関するアンケート調査」というのがこれでございますが、大臣、保険局長、薬務局長に渡してあります。このいわゆる通称赤本でございますが、これを検討していただきたい。本当にまじめな臨床の先生や専門の先生方がまとめたこの結果というものを大切にしていただきたいとお願いをしておきましたけれども、厚生省は、いわゆる先生方のこのアンケート調査についてどういう評価を下されているか、最初にお伺いをします。

○黒木政府委員

 私も手元にいわゆる赤本を持っておりますけれども、これは、前回診療報酬改定があった直後の四月に前大臣に会長から渡されたというふうに承っております。

 現在私どもは、次回の診療報酬改定の重要な一つの材料として検討いたしておるわけでありますけれども、その評価ということでございます。まだ何しろ分析、検討中でございますけれども、この種の詳細な調査という意味では本邦初めてのものでございまして、私どもは非常に重要な報告書であるというふうに認識をいたしております。

○薮仲分科員

 これは、補綴学会の名誉のために申し上げておきますと、今学会長は、大臣御承知の東京医科歯科の田端教授でございます。前会長あるいは前々会長が皆さんこれにかかわっておるわけでございますが、愛知学院大学の歯学部長の平沼先生あるいは東京歯科の関根先生、これの赤本は、その当時の会長の広島大学の津留先生も「はじめに」ということで文章を出されておられますけれども、歴代の学会長が真剣に努力なさってまとめられたものです。これは大臣、専門のことで恐縮ですが、例えば大臣が、歯科の臨床の先生に行きますとどういうことから始まるかということで、診療の項目をここにきちんと、総義歯をつくりますと言うと、最初に、今までどういう状態ですか、健康状態どうですか、口腔外、口の外ですね、口腔内の検査に始まって、一つ一つ歯科の先生が丁寧に聞いて総義歯をつくっているのですが、そのステップごとにこれをまとめたのが、ここにありますように百十五の項目で総義歯ができ上がります、こうなっているのです。百十五の項目を、今申し上げたように、講座と十年未満と十年以上の先生がタイムスタディーでやった、保険でこのぐらい評価していただきたいというのをトータルいたしますと、六十三年の時点で九万四千七百五十円、点数でいえば九千四百七十五点ということになるわけであります。これを青本で拾っていきますとどういうことになるかといいますと、五万六千六百二十円であります。そうすると、約半分ということになるわけですね。

 では、なぜ先生方が保険でやれば九万四千円になって、青本でやれば五万六千円になるのか。これをごく簡単に言いますと、これだけある、百十五あります項目の中で、現在の保険の中でどれだけ採用になっているかといいますと、単純に申し上げますと二十九項目しか採用になっていないのです。二十九項目ですから二五%、四分の一です。ですから、これだけ低い点数になってしまう。しかし、いわゆる厚生省として日本歯科医師会と協議をなさって包括ということで、一つの行為ですべてのことを丸めて、マルメと専門的には言いますけれども、やりますと、四十六の項目になるのですね。ちょっと局長に渡した資料、間違っておりますが、四十六項目に丸まるわけです。約四〇%、いわゆる先生方が大学の教室で学生に教えるのは、患者さんに対してこういうことをしっかりやっていきなさいという百十五のステップを教えるわけです。ところがその学生がいざ臨床医として社会に出て患者さんと立ち向かって、これを保険で請求しましょうというと、いわゆる青本の保険点数の壁にぶち当たるわけです。そこで、診療行為は、ある意味では制限というと語弊があるかもしれませんけれども、これに沿った診療行為になってくる。そうしますと、今言ったように、大学で教えてもらったことがぎゅうっと減らなければならない、約半分になってくる。そこにこれだけの大きな点数の開きがあるのです。

 ですから、私は、これは今、きょうのあすということは申しませんが、私の周りにいる補綴学会の先生方や、全国で私がいろいろ御意見を伺っている臨床のまじめな先生方がいらっしゃるわけです。そういう先生方と厚生省と一回本気になって話し合っていただきたい。ですから、私は、これからこの問題をどうしたらいいのかというと、一番問題は、我々患者にとって本当に良質な、本当にすばらしい、保険による治療行為が行われることが望ましいのです、我々国民、患者側からいうと。ですから私は、特に厚生省にお願いしたいのは、厚生省と日歯と専門学会と、あるいは必要ならば臨床の先生方にも来ていただいて、保険の点数は、あと十年たちますと高齢時代になります、ですから、総義歯、鋳造冠の時代、すなわち欠損補綴というのはどうしてもだれしも御世話になります。このために協議の機関をきちんとつくっていただきたいと私は心から念願しますが、いかがでしょう。

○黒木政府委員

 先ほどの私どもの診療報酬の点数と、それから調査の結果でございますけれども、若干コメントさせていただきますと、マルメとおっしゃいましたけれども、基本的にいわゆるマルメというのは、何回検査をやってもこれしか払わないというのがマルメでございまして、私どもの項目の整理と申しますのは、通常初診のときに行われる基本的な行為というのは初診に、再診のときに行われるものは再診に、あるいはある行為が行われるときに通常行われるものはその項目に含めて点数を設定いたしております。やったりやらなかったりするようなものは別に掲げる、こういう整理をいたしまして、先ほどおっしゃるように百十五項目と四十六項目の差があるのではないかというふうに思っておりまして、調査に出ております個々の行為を私どもは決して無視していることではないというふうにまず理解をいたしております。

 それから、費用の額でございますけれども、確かに十万円と約五万円の差があるわけでございます。私どもはできるだけ、これからの高齢化で補綴の点数が大事だということで、これもモデルとして参考にお示しいただいた我が方の点数を見ていただくとわかるように、五千点を一割ぐらい上げまして五千五百点にしたということの方向は御理解をいただきたいと思うのが一つでございます。

 それから、この調査を私どもただいま分析中と申し上げましたけれども、例えば非常に大事なタイムスタディー、これを合計しますと八百分ぐらいになるわけでありまして、総義歯をつくるまでに十三時間ぐらいかかる。それを一日にしますと、六回であるとすると二、三時間かかるということでございまして、これは私どもからいうと、一日の患者さんとして今三十人ぐらいこなされているわけでありますけれども、四人ぐらいしかこなせないということでございます。したがって、この調査は、この行為に要する実際の時間ということでアンケートがなされておりますけれども、実際問題としてやはりこれから少し勉強させていただかなければならない調査ではないかというふうに受けとめているわけでございます。

 それから、今後とも学会等の意見を聞くようにということでございますけれども、私どもは、これまでのルールでございます日本医師会を通じて専門的、学術的な意見を聞く方向で御理解をいただきたいと思います。と申しますのは、御案内のように日本医師会の中にそれぞれの学会、補綴学会も日本医師会の中に置くという形になっておりまして、そういう組織のあり方論からいって、私どもが正式に学術的な意見を聞く場合には日本医師会を通じて聞く、こういう形で今後ともやらせていただきたいと思っております。――医師会と申しましたが、歯科医師会でございます。すべて訂正いたします。新たな別途の検討の場をつくるのではなくて、日本歯科医師会、そこに置かれた学会、そういう意見をこれからお聞きしまして、その意見を反映する形で行政運営に当たらせていただきたい、かように思っておる次第でございます。

○薮仲分科員

 いみじくも局長が何回も医師会、医師会と言われて、後ほど聞きますけれども、いわゆる保険の甲表を見てもわかるとおり点数が全く違う。局長の答弁の中に歯科医師の先生方が残念に思うことがないように十分心して御答弁いただきたいと思うのでございますけれども、それはもう置いておいて……。

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Last-modified: 2008-12-17 (水) 08:46:09 (3112d)