Top / 総義歯・全部鋳造冠の診療報酬についての国会質疑


第096回国会 予算委員会第三分科会 第2号

昭和五十七年二月二十七日(土曜日)

    午前九時三十分開議

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/096/0388/09602270388002c.html


総義歯・全部鋳造冠の診療報酬について、歯周疾患治療指針について質疑がされています。



次に、薮仲義彦君。

○薮仲分科員

 最初に、質問をわかりやすくするために、大臣と局長、管理官に資料を渡してもよろしいですか。

○亀井(善)主査代理

 どうぞ。

○薮仲分科員

 それでは、私は、本日は大臣に篤と歯科診療の実態を御理解いただきたい、そういうことで、いま問題となっていることを何点か具体的にお話をさせていただきたいと思いますので、どうか正確な御理解をいただいて、これからの診療報酬の改正等で御尽力をいただきたい。

 最初にお断りいたしておきますけれども、私は、歯科医師でも、またそういう専門でもございません。私の地元の静岡県の医師会長さんや保険部長、あるいはこの問題に熱心に取り組んでいらっしゃる方々から静岡県の歯科診療報酬の実態等を伺って今日があるわけでございますけれども、その地元の問題は、厚生省を初め関係の先生方の御努力でその後改善の方向に進んでいることを私は評価をし、敬意を表する次第でございます。

 さて、お手元に資料をお渡しさせていただきましたけれども、大臣のには特に赤書きをしておわかりをいただくようにさせていただきました。

 昨年の歯科診療報酬の改定で、厚生省はそれなりに、いま問題になっております欠損補綴やあるいは幼児の加算等々改正をなさったようでございますけれども、私は、その前段としてまず大臣に御承知おきいただきたいのは、資料の一番上に出ていると思いますけれども、診療行為について、医科と歯科がどういうような診療内容になっておるかということです。

 これを見ますと、表の一番上にございますように、医科の診療内容、点数と百分率が出ておりますが、医科の診療内容で一番パーセントの多いのは投薬でございます。三〇・一。二番目が診察、一四・七、三番目が注射、一三・〇、等々でございます。ということは、いま言われていること、薬漬け云々ということを、いいとか悪いではなくして、実態として見たときに、やはり投薬というものは診療内容で大きな部分を占めている。これは出ておるわけです。

 逆に、歯科の実態は下に出ておりますから、ごらんいただきたいのですが、診療行為の中で百分率が一番多いのは、歯冠修復及び欠損補綴、いわゆる総義歯であるとか鋳造冠とか、つまり入れ歯をしたり補綴をするというのが四五・一%、一番百分率が多い。その次に処置及び手術、三二・四。逆に、医科の場合で一番高かった薬は三・二で、非常に低い。

 ということはどういうことかといいますと、歯科診療に当たってはことごとく手で作業をして、実際の行為を行わなければ評価されない。いわゆる医科と歯科とを比べて何が大事かといいますと、やはり歯科の場合は技術料というもの、手を下さなければ歯の治療はできない。薬を上げて治す行為というものはほとんどない。その点が医科と歯科の診療内容で非常に大きく違う。私は、この点をまず大臣に御認識いただいて、資料の二番目をごらんいただきたいと思うのです。

 これは、私が全国の歯科の先生、九州から東京、大阪、名古屋、地元の先生等からいろいろな話を聞きました。これは一つの流れですが、総義歯、入れ歯ですね、この総義歯の実態でございますけれども、細かいことは抜きにして、受付、それから歯科助手の方、歯科医の先生がどういうことをやるか。カルテの診査から、もう細かい手や指を洗うこと、問診をして口腔内診査をしてというような、一連の一日の作業内容をここに出しました。こういう作業内容の中で、一体どのような点がいまの診療報酬の中で適正に評価され、何が適正に評価されないか。

 ということは、ここで私が申し上げたいのは、歯科の先生の一番重要な部分は、先ほど大臣に御理解いただきましたように、歯冠修復及び欠損補綴、そして処置及び手術ということでございますから、これをもとにして、この総義歯と、きょう私が問題にしたいのは鋳造冠、この二つを資料として、そこの三枚目、大臣、もう一枚開いてください、そこから御説明をさせていただきたいのです。

 これは、総義歯の場合、何日間かかって、どれだけの材料を使って、いわゆる人件費で出すとどうなるかということを、昨年、私はこれをいわゆる技工士の技工料等々で出しまして、やはり総義歯というものは非常に不採算、赤字になっておるという実態を出しました。今回は、さらに具体的に人件費で、材料費で割り出していますので、ごらんいただきたい。大臣のは特によけいな数字が入っておりますので恐縮でございますが、まず、総入れ歯の場合に、一日目、二日目、三日目、四日目、五日目、六日目と、六日間の治療内容が出ております。そして、一日目には時間がどのぐらいかかるかということを書いて、合計で技工作業と同時に六百分という数字が出ております。六百分かかります。  もう一つ問題点は、歯科医師の給料をどの程度で見るか。

 ここに出ております分当たり百二十四円というのは何かといいますと、大臣にちょっと御説明をさせていただきたいのは、これはお手元に資料がいってなくて恐縮なんでございますけれども、一つは日歯で出した資料と、これがあるんですが、中医協でつくりました昭和五十一年度の調査によります「医療経済実態調査結果表」というのがございます。これは大臣も御承知だと思いますけれども、これによりまして歯科並びに医科の先生方の給料が一体どうなっておるのかということが出ております。これの四十四ページに、歯科の場合は月収が二百十万五千五百二十五円、経費を引いて手元に八十万六百一円という金額がこの歯科の場合は出ておりまして、医科の場合は今度は違うわけでございます。医科の場合は、参考に申し上げますと、ベッドのない、無床の場合がここに出ておりますけれども、手元に残る金額だけで申し上げます。歯科は八十万でございましたけれども、医科の場合は百五十三万四千二百四十二円。これはおよそ六年前の統計資料、中医協がおやりになったことで、ざっと言って歯科の先生は八十万、医科の先生は百五十万の月収というようなことが言えるのでございますが、私は、ここで高いとか安いということを問題にする考えは毛頭ございません。一つの実態として、歯科診療報酬というのは、ある意味では非常に低いといいますか、困難といいますか、制限されている部分があるのかなという感がありますが、それはきょうは論じません。しかし、そういうことを通じまして、歯科の先生が一分当たり百二十四円というのは、希望する値段として出しますと月収百三十万ぐらい。これは医科よりも低いわけですが、一分間百二十四円で計算したのが大臣の資料三のP一と書いてあるもの。

 二枚目をちょっと開いてください。これは同じ内容ですけれども、今度、歯科の先生の値段について日本歯科医師会の調査室でつくりました「経営分析法による歯科診療費用の算定」という正確な資料がございます。その中で処置別診療費用というのがありますが、その資料は大臣にいっていませんが、大和田局長や管理官はよく御存じだと思いますが、この中で院長の年収、分当たりのあれが出ているわけでありますが、これでいきますと、分当たり百二円というのが出ているわけです。それを、いま大臣のお手元の、同じところでございますが、歯科医師のところを分当たり百二円で置きかえました。これが総義歯の資料二で、お医者さんの給料が百三十万の場合、日歯の言う一分間当たり百二円の場合、これで計算しても総義歯が黒字になるか赤字になるかを出したのがこの表でございます。  大臣、恐縮でございますが、また一番表に返っていただけますか。総義歯の一です。  総義歯の一でいきますと、いわゆる歯科の先生がかかった時間に分当たりの百二十四円を掛ける。助手と技工士というのはどこから出したかといいますと、助手というのは、歯科助手がございませんので、これは人事院の「民間給与の実態」の中の准看護婦を例にして、これは給料を分当たり十六円七銭で出しています。技工士は、臨床検査技師の方から代表しまして十七円三十銭で出しております。この金額に分を掛けますと、以下、この表のとおりの金額が出てまいります。材料費は六千四百三円、歯科の先生は三万四千百円、助手の方は四千四百十九円、技工士の方は五千六百二十二円、光熱水道費も出ていますが、三千七百二十円、合計五万四千二百六十四円のお金がかかります。一番右端は、総義歯にかかる保険点数が何点かというのが出ておりまして、細かい点は局長、管理官よくおわかりですので省きますけれども、一番安い部分で三千三百四十五点でございます。これに基準材料の点数を加えて、点当たり十円ですから、これに十円を掛けますと三万四千八百七十円。これはAマイナスBは幾らになるかというと、一番右の欄にマイナスで出ています。総義歯一個つくると、この表でいくと一万九千三百九十四円赤字になります。一番安いのでいっても一万八千八百十四円赤字になります。一個総義歯をつくるとこうなってしまいます。これは月収百三十万でやりました。

 日歯の資料でやったのが、大臣、二枚目です。二枚目の表を見ていただいて、下に出ていますAマイナスBが一万三千三百四十四円、一番安いのでいっても一万二千七百六十四円。このように総義歯をつくると赤字になるということを、日歯の先生がずっと叫び続けました。

 この表の客観性を具体的に指摘するために、この時間についていろいろな意見があります。たとえば、技工士について三百二十五分は多い、技工士の方は百九十分でできるという意見を言っています。ところで、大臣、考えていただきたいのは外注技工。院内で、先生と院内にいる技工士がやる技工料というのは、外注技工に入ってないので、す。  日歯の先生が出された表で時間をどの程度見ているか、日歯の先生のあれを参考に申し上げますと、これは九州大学歯学部、九州歯科大学、福岡歯科大学の方々が出された表でございますけれども、たとえば総義歯の場合、ここに出ているのは六百分以上です。歯科医師の所要時間はちょっと少ないのですが、二百五十五分、技工士は逆に三百五十八分で出ているのです。合計六百十三分というのが日歯の資料にある時間なんです。ですから、私が知った約五十名近い先生方が個々に御自分の詳細な報告書からつくってくださった六百分というのは、私は客観性があると思うのです。これで計算しても総義歯が赤字になる。同じように、大臣の表のP三あたりからは、もっと細かい材料、その診療内容まで全部何分かかってどうなのかを出してあります。

 同じく鋳造冠。大臣、資料四を見てください。この鋳造冠も一番問題なんです。これも、内容は、給料の中身は総入れ歯と同じでございますが、これで結論だけ申し上げます。資料四の一番下にAマイナスB、保険から実際かかったお金を引くと、この鋳造冠一個で二万一千八百三十八円の赤字になります。これは、月収百三十万で計算しました。  もう一枚目、資料四ダッシュを見てください。これは、いま言った日歯にあります一分当たり百二円で計算しても一万八千三百六十二円、鋳造冠、大臣がたとえば虫歯になって冠をかぶせると一個につきこれだけの赤字になりますというのが歯科診療の実態で、いわゆる鋳造冠あるいは総義歯については、今後も医療改正の中で十分検討していただけないかというのがまじめな歯科の先生方からの御意見でございますが、この点、厚生省の見解を伺いたいのであります。

○大和田政府委員

 ただいま先生御説明くださいました総義歯、それから全部鋳造等の問題でございますが、これは医科も同じでございますけれども、診療報酬は、各診療行為の点数の均衡、それから全体として保険医療機関としての健全な経営と保険医療が確保されるという観点から設定をしてきたところでございます。これはもう御承知のとおりでございます。昨年六月の診療報酬の改定に当たりましても、このような考え方に基づきまして医療担当者と協議をいたしました上で決めてまいったところでございます。最近におきます医療費の動向等を見ましても、歯科の場合、対前年比かなりの伸び率でもって推移をしておるのは御承知のとおりでございます。そういったようなことで、昨年六月におきましても私ども努力をしてまいったつもりでございますが、ただいまこの資料を拝見いたしたわけでございますが、この資料を検討いたしまして、保険財政等も考慮いたしまして、今後、中医協の場におきまして十分検討はいたしたいというふうに思っておるわけでございます。

 以上が私どもの考えでございます。

○薮仲分科員

 検討は結構でございますけれども、いま私が申し上げたのは、具体的に総義歯並びに鋳造冠というのが不採算の中でも非常に大きいということです。私がなぜこれを言うかというと――昨年のそういうことをおっしゃるのでしたら私から一言申し上げますと、たとえば総義歯の中でポリサルホン樹脂を導入なさった。これは補綴学会からも、異論といいますか、十分検討されてないという指摘がある。あれは点数がたくさんふえていますよという御意見があるようですが、私は、金属床のかわりにそういう新しい材料を入れるという厚生省の見解はわかりますけれども、これが一番不採算部門ですから、ここの実態をよく確かめて、これは、大臣初め局長は日歯の先生並びにいろいろな関係の方からこの実態をお聞きになっていると思いますので、総義歯並びに鋳造冠の診療報酬の改定には十分力を入れていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょう。

○森下国務大臣

 ただいま専門的に非常に具体的に詳細に御説明をいただきまして、実は私も認識を新たにした点がたくさんございます。局長からお答えいたしましたように、中医協の方で十分検討したわけでございますけれども、なお、歯科の実態、いわゆる医科とかなり違っているような点もございますし、歯科の実態をよく踏まえまして、歯科医療に万遺憾なきを期したいということを申し上げます。

○薮仲分科員

 もう少し具体的に、これは時間が余りございませんから要点だけ申し上げますから、考え方をお答えいただきたい。

 特に、総義歯の中で何が問題として歯科の先生、日歯の先生が言っていらっしゃるか。まず一番の問題は、これは資料がついてなくて恐縮でございますが、先ほど問題になりました補綴診断料と義歯設計料、歯が欠けている、それをどうやって治そうかというときに、一番最初の段階でいわゆる義歯の設計とかそういうものをきちんとやりますと非常にすばらしい歯ができてくるというので、補綴診断料と義歯設計料。いま、歯科診療報酬の中では義歯設計料はゼロで、補綴診断料七十三点の中に全部丸めてありますということでございますが、これは総義歯の中では非常に希望いたしております。

 また、二番目には、咬合採得、いわゆる型をとる、この問題。

 それから、特に問題になっておりますのは、一装着、入れ歯を口の中に入れる。これは厚生省の方もよくおっしゃるように、歯科技工の方がつくられたものが先生によって患者の口腔内に入って人工臓器として動き出すわけでございますから、この装着料というのは非常に高く評価をしてほしいというのが歯科の先生の希望でございます。

 等々、これらの問題を見てまいりますと、この総義歯の中で先生方が言っていらっしゃる一番考えていただきたいという点、さらには、鋳造冠の場合に、具体的に申し上げますと、歯冠形成料といいますか、支台築造、歯間圧排、専門的な言葉になって恐縮でございますけれども、すばらしい型をつくって歯に合ったきちんとしたかぶせ物をつくるという、この歯冠形成というのが一番大事です。これが何といっても歯科の技術の一番根幹でございますので、高く評価していただきたい。あるいは、その冠をつくる、鋳造冠の作成技術料、同じく冠を装着する評価、こういうものは、先ほどの入れ歯と同じように高く見ていただきたいという希望が出ています。細かい点数は申し上げませんけれども、今度の改定の中でこれらのことを十分お考えいただきたいと思いますが、いかがでございますか。

○大和田政府委員

 先ほど申しましたように、この診療報酬につきましては、全体としての保険医療機関としての健全な経営、保険医療というものが確保されるように設定してまいったわけでございます。ただし、先生いまおっしゃいましたようなことにつきましては、確かにいずれも総義歯の製作に当たりまして重要な診療行為であるということは間違いございません。したがいまして、その評価の点につきましては、関係学会から技術の難易度であるとかあるいは所要時間等をよくお伺いいたしまして、保険財政等を考慮いたしまして、今後、中医協におきまして十分御審議いただきまして、その御意見を踏まえながら対処してまいりたい、このように考える次第でございます。

○薮仲分科員

 それでは、その問題はその程度にしまして、次の問題に移らせていただきたいのですが、これは、大臣も今後のために御理解いただきたい。これは、やはり非常に重要な問題でございます。

 歯周疾患治療指針、これは、やはり日本歯科医師会でお出しになったものでございますが、われわれも初めて耳にする言葉でございます。

 普通、歯が悪いというと歯の本体だけを治療するということをすぐわれわれは考えるわけでございますが、この歯周疾患というのは、歯の周り、歯肉、簡単に言えば歯槽膿漏等を含めたこういうものの治療というものが非常に大事ですということをここで建言しているわけです。しかも、この青本の最後の方で歯槽膿漏に対する指針というのが出ているわけでございますが、その中では、これも専門的で恐縮ですが、たとえば口の中の歯垢、歯石を取るのがスケーリングでございますけれども、これを六分の一顎ずつ一回やれば終わりになっているわけです。盲嚢掻爬といって、歯槽膿漏を切開して手術するということになっているわけでございますが、ここの中では、そういうことだけではなくて、今後、歯科診療の中でこういう歯茎も治していってほしい、歯槽膿漏等、歯周疾患が現在の保険診療の中でできるようにしてほしいという希望が出ております。

 私は、非常に正しいと思います。この歯周疾患というのは、ここ二十年、三十年の間に急激に発達したといいますか、そういう学問でございますので、これを本気になってやっていくならば、ここに書いてございますけれども、私はすばらしいなと思いました。この中で、これによって「予防も可能になってきている。したがって、自分の歯で生涯にわたり食事をたのしむのも夢ではなくなった。自分の歯を生涯にわたり使用できるようにすることが、歯周治療の目標でなければならない。」さらに、今後これらの点を歯科診療報酬の中に入れてほしいということを言っておりますけれども、ここにこういうことが書いてございます。目的の中で、これを保険診療に導入してほしい、そして、国民が一人でもこの恩恵に浴せることが必要である、そのためにこれはつくりました、ただ、この趣旨に反して都合のよい取り入れ方だけはやめてほしいということが出ているわけでございます。  私は、この歯周疾患の問題は、これからの歯科診療の領域においては非常に大事だと思いますので、今後、歯科点数といいますか、の中で十分考慮していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょう。

○森下国務大臣

 昔から、病は口からということもございます。それは、ただばい菌が口から入るという意味じゃなしに、りっぱな歯でそしゃくをして、それによって内臓の健康が保てるということであろうかと私は思います。したがって、ある年齢に達しますと、非常に歯の重要性と申しますか、身にしみて実はわかるわけでございまして、その点、歯そのもの、また歯の周辺の治療の問題、また健康の問題につきましてのただいまの御説明は非常によくわかりましたし、将来、検討課題として善処していきたいと思います。

○薮仲分科員

 駆け足で恐縮でございますが、資料の五番目をちょっと大臣見ていただきたいのです。一番最後になっております。「年齢別う蝕のり患者状況」、年齢別に虫歯をどの程度保持しているかということが出ているのがこの表でございます。左側が乳歯、右側が永久歯でございます。この表でいきますと、七歳から八歳あたりから急激に虫歯がふえてくる。七歳、八歳、九歳、十歳のころきちんと治療しておけば、生涯健康な歯で、と考えるわけでございます。

 きょうは、そのことは時間の都合で省きまして、いま厚生省で提案し、鋭意参議院で審議されております老人保健法の問題がございます。大臣、この表をごらんいただいて、ちょうど四十歳のところの齲蝕の罹患者状況は九六・七九、以下ずっと四十五歳、五十歳も九〇%台の罹患者がおるわけであります。今度の老人保健法の骨子の中に、四十台からの予防診療といいますか、そういうことが非常に重要であるということがうたわれてございます。私は、健康に年をとっていくということは、医学の最も理想とすることであろうと思うわけでございます。せっかくすばらしい法案をここで提案なさり、審議されているさなかでございますが、できるならば、いまの老人保健法の中にこの四十歳以上の歯科診療も入れていただけないか、検討していただけないか。いま歯科診療が抜けておりますので、これは十分御配慮いただきたいと思いますが、お考えいかがでございましょう。

○三浦政府委員

 歯科保健の重要性につきましては、私どもも十分認識しておりまして、健康教育あるいは健康相談の場で歯科保健を取り上げるように配慮していきたいということを考えておるわけでございますが、ただ、五十七年度予算の中には健診事業が入ってはおりません。これにつきましては、もちろんマンパワーの問題もございますし、基盤整備、施設整備の問題もございまして、私ども、特に、日本の三大死因と言われております心臓病、がんあるいは脳卒中、こういうものをまず重点的に取り上げていきたいということでいま計画をしておりまして、当面歯科健診は考えておらぬわけでございますが、ただ、歯科保健事業の長期的な展望につきましては、またこの保健事業全体の枠の中で、ひとつ公衆衛生審議会等の場でいろいろ御討議をしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

○薮仲分科員

 いまのはお役人のお考えでございますけれども、私は、一人の政治家として、やはりこの老人保健の中に、プライマリーケアとして、四十歳からの歯科診療というのを今後十分考えるべきだと思いますが、大臣のお考えを最後にお伺いしたいと思います。

 もう一点、先ほど来私は短時間の中で駆け足のように、いまの歯科診療の実態を申し上げました。一部の報道機関等でお医者さんの問題がいろいろな形で取り上げられます。しかし、われわれ国民の周りにはまじめな先生が数多くいる。一生懸命一人の患者の病気と闘い、そしてその健康保持増進に昼夜を分かたず努力しているまじめな先生方のいることは、私この目で見てまいりましたし、肌で感じております。そういう意味でこの歯科の診療が、確かに一部言われるようなことがあるかもしれませんけれども、私の立場で言うと、歯科の先生はもっと技術料を、そしてまじめにやっている先生がまじめにやって報われるように、そしてわれわれ患者の方も安心して歯科診療にかかれるように私は大臣にとくとお願いをいたしたいと思いますし、先ほど申し上げました、政治家として老人保健の中で歯科診療をどうするか、その大臣のお考えを最後に伺って、質問を終わります。

○森下国務大臣

 歯科の重要性、また歯科医のいわゆる認識の重大さということもよくわかっております。また、老人保健法の趣旨は、元気で長生きをしてもらいたい、健やかに長生きをしていただきたい、その中には当然この歯科の問題も大きな部門として入っておりますから、この部門につきましてはより一層検討していきたい、前向きでやりたいということをお約束いたします。

○薮仲分科員

 終わります。

○亀井(善)主査代理

 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。


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Last-modified: 2008-03-10 (月) 08:26:13 (3514d)