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第179回国会 厚生労働委員会 第4号
平成二十三年十一月三十日(水曜日)

179-衆-厚生労働委員会-4号 平成23年11月30日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/179/0097/17911300097004a.html
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009717920111130004.htm より抜粋

指導監査についての国会質疑



○橋本(勉)委員 民主党の橋本勉でございます。
 きょうは初めてこういう機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げます。

 私は、今の三名の方と比べて、年齢は近いところもあるんですけれども、厚生労働部会については全くの素人でございます。小宮山大臣は美人で、いつも明快な発言をされていらっしゃるのを敬意を持って聞いておりますので、またお答えいただきたいと思います。
 ただ、私は、最近一つ気になっているのは、野田総理もそうですが、やや、上から目線の政策みたいなところが多くなっているんじゃないかなと思っているんですね。
 地元を回っておりますと、増税はやめてくれとかデフレを解消してくれとか、そういった言葉が異様に多い。僕は、やはり、国民生活第一を唱えるべく、民主党政権の一員として、ちょっと心もとない気持ちでいるということでありますので、そこら辺をしっかりと質問させていただきたいと思っております。

 今回、消費税の引き上げというものも、恐らく、この二分の一の国庫負担の中に盛り込まれているというような解釈でありますが、消費税の引き上げの議論が先行して、社会保障と税の一体改革というものが後になってきているんじゃないかと思うんですね。

 今、確かに同時にやっているんですけれども、国民の側から見ますと、最初、増税だけされて、そして後、最低保障年金というのは、何だ、決まらなかったんじゃないかというような懸念が出てこないとも限らないと思うんですが、そういう意味で、手続の順番として、今回のこの法案を決めるということについて、大臣、いかがお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。

○小宮山国務大臣 それは、今回の、年金の二分の一に消費税を充てようとしていることと、全体の、社会保障と税の一体改革と、ちょっと区別をして、分けてお話をした方がいいと思うんですが。

 全体の、社会保障の一体改革につきましては、今、先に増税が出ていると言いますけれども、それはメディアの皆様への私どもの説明の仕方もあると思いますが、政府としては、社会保障改革をまず先に出して、全体像として、これからの本当に超少子高齢社会の日本で安心して生活していただくためにこんな形で社会保障を持続可能なものとして設計します、それについてはここの部分だけは切り込ませていただきたいというようなお話をしながら、言うまでもなく、全体の無駄を省いても、今、税収が毎年四十兆ぐらいの中で社会保障費の国庫負担分が三十九兆ある、これでは持続可能なわけがないということは皆さん御理解いただけると思いますので、まず社会保障のあるべき像をお示しして御理解をいただいて御負担いただくという形にしたい。私は、今、社会保障の部分の取りまとめを厚労省の推進本部で責任者としてやっておりますので、それはもう毎回そのように事務方にも言っておりますし、そういう像を描きたいと思っています。

 そうした中で、今回、税制の中で五%消費税を上げさせていただきたいという提案をするに際しては、年金の二分の一に当たるのは、そのうちの、機能強化のうちの一%分です。そのほかに、やはり制度を改革して、私どもは、全世代型にして、子供、子育てとか若者を中心にした就労とか、これまでの高齢者三経費ではないような形で制度設計をしていますので、その全体にその五%が回るということをしっかりわかりやすく、今、社会保障の全体像の取りまとめを十二月の上旬をめどにやろうとしておりますので、それをまとめて、それから皆様方にわかりやすく、いろいろな資料も提供をしながら、国民の皆様にも、それから一緒に議論をしていただく野党の皆様にもお示しをしていきたいというふうに考えているところです。

 社会保障の改革がまず先にあってというふうに私どもは考えています。


○橋本(勉)委員 今、社会保障の改革も同時にやっているということであります。

 では、消費税を上げるということもありましたので、ちょっと一言申し上げますと、消費税、例えば逆進性の問題があり、またインボイスの問題等が解決されていないという中で、価格転嫁が十全に図られていない。消費税の改革すら完璧にされているというわけではない上に消費税で社会保障改革というようなことになると、まだまだこれは十分ではないと思います。

 そしてまた、一番問題は、先ほど和田委員もお話があったと思いますが、世代間の負担格差というものも非常に大きくなっていると思います。今、十九歳以下の方が、負担と給付の格差というのは七千七百万ぐらいある、要するに負担の方がふえている、二十代から四十代も負担の方がふえているというようなデータが三菱UFJリサーチから出ております。
 そういうような中で、今回増税をして、そしてもらう給付が少ないということになったら、さらに格差を拡大してしまうんじゃないか。また、年金を名目として増税をさせることが年金不信の拡大につながらないのかどうか。こういう問題は、やはり、同時期にやるとか後から社会保障改革をやるとかいうのではなくて、しっかりとそこの見通しだけははっきりさせておいてこの増税論議をやるべきではないかと私は思っております。
 そういう意味では、社会保障の一体改革というのは非常に大きな大きな問題であります。

 二〇〇九年の民主党のマニフェストで、最低保障年金七万円のために消費税を充てると考えていました。これは安定財源であるということで、僕は、消費税というものは、ある程度妥当だと思っています。しかし、年金制度改革というのは、さっき和田委員もおっしゃったように、これから数十年かけてやっと完成するという話でありますので、ならば、消費税というのは、改革の案を出して、その後で足らない税金を上げていくというようなことを今ならやってもいいのではないかと思っているんですね。

 そして、税金のほかに、いろいろやり方があるんじゃないですか。

 私も、これは、特別会計の不用額の推移ということでちょっと出させていただきました。二十二年で剰余金が四十一兆円、そして不用額が二十一兆円、年金の特別会計だけでも三兆円ぐらい不用額があるということでありますので、こういったものの活用、吟味というものがされないでいきなり二・五兆円分の増税を持ってくるというのは、僕は、これはいかがなものかと思います。

 それで、もう一つ大事なこと、グラフでちょっと示させていただきましたけれども、宍戸駿太郎さんの、増税をして財政収入が上がるのかどうかというデータをちょっと出させていただきました。計量経済学の権威でございます。

 例えば、VATアップというのは、付加価値税三%アップしたときにGDPは四年間、五年間で五%下がっちゃうというグラフであります。五年間で五%GDPが下がって財政赤字がふえてしまっては元も子もないと思いますので、まさにこういう問題を、財源を吟味しないでいきなり増税ありきという結論を持ち出してこれは社会保障のためだよというのは、私は危険だと思います。

 私の考え方はいろいろあります。こういった不用額とか、それから剰余金。もう一つは、日銀の通貨発行も、これは短期的には一つのいい政策ではないかなと思います。

 つまり、短期的と申し上げたのは、別に、二・五兆円が、消費税が今十二・五兆円ありますので、それを年金に使って、十二・五兆円一般会計であいた分を短期的に埋め合わせてもいいという考え方であります。この不況、デフレの中では短期的にはいろいろな方法があるじゃないか、そういう意味を申し上げているので、短期的な方法だと思って言っているわけであります。

 十二・五兆円とか、今度もし増税をするならば、日銀の通貨発行をして、デフレも解消できる、円高も解消できるでしょう。そして、今、日本とアメリカの金利差が少なくなっているので、自民党さんがやってこられたような、ああいった円キャリーというものはないと思います。

 そういう意味で、今本当に財源としてはそういう選択も十分考えてもいいんじゃないかなと思っているところでございますが、そういう財源論からいって、増税ありきという考え方にもたらすということはいかがなんでしょうか。ちょっと大臣の簡単な御答弁をお願いします。

○小宮山国務大臣 なかなかそう簡単にお答えできるものではございませんが、先ほどの、前の質疑もお聞きいただいたように、今回、基礎年金の二分の一のところを安定させるということは、将来に向けて、先ほど言われた、若い世代にとって持続可能でメリットがあるというふうに考えています。このままでいったら、本当に、それこそ若い世代の年金というのは先細っていってしまう。とにかく二・五兆円が毎年必要なんですから、これまで二年間の間に、かき集められるものというか、可能なものは工夫をしてやってきました。だけれども、毎年毎年二・五兆円要るというのに、この不用額とかそういうところだけでできる話ではありません。

 先ほど申し上げたように、これは高齢化の要素があったりとかいろいろな要素があるので、おっしゃる年金の二分の一だけに消費税の五%分を使うわけではありませんし、先ほど申し上げたように、子供の方への支援ですとか若い人の就労の問題とか、全体に充てるために今どうしても毎年一兆円ずつ増加をしている社会保障費を賄うためには御負担をお願いしなければいけない。

 そのために、やはり、医療、年金、介護だけではなくて、今の社会保障制度の中でもう少し御負担をいただける部分がないかということも当然やっておりますし、先ほどから、増税が先に出ているというふうにおっしゃっていますけれども、決してそうではないように、社会保障の改革像を先にお示しをして説明をしたいと思っていますので、今の委員の御指摘は当たらないと私は思っています。

○橋本(勉)委員 今、社会保障費が毎年一兆円ずつふえるという話ですけれども、例えば一兆円ずつふえて十年で十兆円。今、十二・五兆円。五%上げたとして、地方へ回っている分が大体四割ぐらいあります、交付税を含めて、一%の消費税。そうすると、大体六割ぐらいから七割ということになると、六兆円とか七兆円ぐらいが全部年金に使ったとして賄えるというぐらいですので、どんどんどんどん一兆円ずつふえていったらとても追いつかないんじゃないかなという、あらかじめの試算ですけれども、そういうような考えもちょっといたしておりますので、いわゆるもっともっときめ細やかな議論というのは私はしておかないといけないところではないかなと思っております。

 年金問題、これについては、国民生活第一という視点に立って、しっかりとすべて、消費税を上げるかどうかも、我々も政権与党として頑張って議論をしていきたいと思っておりますので、またよろしくお願い申し上げます。

 それから、時間がありませんので、地元から、せっかくこのチャンスを与えていただいて、そんなに多くのチャンスは与えていただけないんではないかと思っていますので、ちょっと追加の質問だけさせていただきたいと思います。

 それは、保険医に対しての指導監査という件でちょっと質問をさせていただきます。
 私は、医者でもありませんし薬剤師でもありませんので、別に、第三者的な立場でこの問題を今考えさせていただいております。

 例えば、道路交通法の免許の取り消しというのは、一億人で約五万人ぐらいあるので、確率的に〇・〇五%免許取り消しがあるんですよ。そして、保険医の取り消しもかなり高いんですね。二十万人いて五十人ぐらい取り消し処分が毎年されているということになると、〇・〇二五%で、かなり近い数字だと思いますね。そして、医者が免許を取り消されるというのは、これはもう自殺を強要されるというような大変な問題でありますので、ここは私もいろいろと調べました。

 二〇〇八年四月に神戸地裁、福島地裁、甲府地裁とか、毎年毎年、取り消し処分の取り消しみたいな判決が出されていたり、今回、二〇一一年六月、東京高裁で、保険医の取り消し処分が裁判で違法とされて、国はもう上告を断念して、保険医取り消しは違法だということがこれで確定したという高裁の決定もあります。

 そういう意味で、ちょっとこれ、注目してみないと、お医者さんも安心して治療できない、そして我々患者も安心して保険医にかかれない、そういうことが戦々恐々としてあるんじゃないかと思いまして、質問だけさせていただきたいと思います。

 岐阜でもありました。個別指導から監査に移る段階で、混合診療が違法だけれども、混合診療は最初の監査で疑いないとはっきりしているにもかかわらず監査に移っちゃったということで、行き当たりばったりでずるずるずるずるといってしまって、もう監査が四回もされているということであります。四月から始まった指導から始めて六カ月以上、七カ月ぐらいたってもまだ結論が出ていない。私も国税局出身でいろいろと調査しておりますけれども、ちょっとこれは異常だ。小さな店ならば一週間で調査は終わります。

 そういう意味で、相手の、調査者の気持ちを考えて、もう必要がないにもかかわらず監査が続けられているといった問題については、これはゆゆしき問題だと思いますし、奥さんが自殺未遂されたり、病院に運ばれてしまったというようなことがありますので、そこまで至ると何をか言わんやでありますので、しっかりと技官の教育というようなもの、そしてまた、いわゆる裁量権逸脱と思われるところについては、もう潔く、ごめんなさい、これで帰ります、こういうことをやっていただかないと、これはお互いにとって不幸になると思いますので、ぜひともよろしくお願いをしたいところであります。

 では、お答えだけ、簡単に、一分だけ、よろしくお願いします。

○藤田大臣政務官 今委員の方からお話がございました監査中の個別の事案についてのお答えは差し控えたいというふうに思っておりますけれども、御指摘のように、指導医療官についての研修、資質の向上ということについては、これからもしっかりと努めてまいりたいと思っております。

 ただ、監査の際には、医師会の方であるとか歯科医師会の方であるとか、こうした方々の立ち会いのもとにも行われているということでございまして、これからも公正かつ適切な実施に努めてまいりたい、このように思っております。

 確かに、監査の結果取り消しとなった保険医療機関からの訴訟が提起をされて、そして敗訴をした事例というものがあることも事実でございますが、このことについても、これからさらに監査が適切に行われるように、先ほど申しましたような資質の向上であるとか、あるいはいろいろな研修等も評価をいたしまして、そして適正な保険診療が行われるように努めてまいりたい、このように考えております。

○橋本(勉)委員 ありがとうございました。しっかりとやっていただきたいと思っております。

 もう一つだけ。これは、障害者の方、知的障害者の方がいらっしゃいまして、今話題になっています障害者自立支援法を廃止して新たに障害者総合福祉法をつくる段階の話でございますが、知的障害者の問題は非常に根が深いものがあると、私も、会って気づかされました。

 そういう意味で、今度、新法になって、単純に、身体障害者とはちょっと違う世界がありますので、今、五段階、六段階で介護を区分けして効率的に運営しておりますけれども、知的障害者の場合はそういうのが本当にうまく当てはまるのかどうかというのが一つの疑問であります。

 そして、もう一つは、では逆に、精神科病院とか養護施設とか障害者の支援の施設を廃止して、そしてグループホームとかケアホームに移すというようなことも、本当にいいのかどうかということもちょっと疑問であります。

 知的障害者は非常に若い人が多いので、こういった人たちの処遇をどうしていくか、この後、新法でそんなところをしっかりとつくりかえていただけるよう、または、余り一方向に行かないようにお願いをしたいと思います。
 ちょっと一言だけお答えをお願いします。

○牧副大臣 今の御指摘の向きがいま一つよく私なりに理解できませんが、障害者自立支援法のもとで、障害の区分にかかわらず、でき得る限り地域で皆さんと一緒に生活をしていただくという方向性のもとで、知的障害、精神障害の方々についても同じ扱いをする中で、その障害程度区分の客観的な見方についてのお話だと思います。

 でき得る限りの努力をする中で、一律、ただ客観的にコンピューターで処理をする第一段階の審査を経て、よりきめ細やかな医師等の判断のもとで二段階目の判断を行うところで、一段階目と二段階目のずれが知的障害の方にはややあるということの質問の向きだと多分思いますけれども、そこら辺については、よりきめ細やかな配慮のもとで今後の政策を進めてまいりたいと思っております。

○橋本(勉)委員 時間が参りましたので、本当に最後に一言だけ。

 民主党が、二〇〇九年マニフェスト、いろいろありましたけれども、一番大切なのは国民生活第一、本当に、下からの目線で改革をいただけるよう、ぜひともそのところだけよろしくお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。




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Last-modified: 2012-04-02 (月) 20:38:03 (1819d)