Top / 中医協「歯科診療について」議事録

2011年6月3日 第191回中央社会保険医療協議会総会議事録

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001eqb8.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dp1h.html

○ 歯科診療について

資料(総−2−1)(PDF:172KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dp1h-att/2r9852000001dp7m.pdf

資料(総−2−2)(PDF:3,686KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dp1h-att/2r9852000001e66n.pdf

資料(佐藤専門委員提出資料)(PDF:5,048KB)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001dp1h-att/2r9852000001e66g.pdf

○日時
平成23年6月3日(水)9:00〜10:07

○場所
厚生労働省専用第18〜20会議室(17階)


 それでは、次の議題に入らせていただきます。「○ 歯科診療について」を議題といたします。

 事務局及び佐藤専門委員より資料が提出されておりますので、続けて御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○鳥山歯科医療管理官

 歯科医療管理官でございます。

 本日は歯科医療に関連いたしまして、資料を3点御用意させていただいております。中医協総−2−1、中医協総−2−2、この2点が事務局で御用意をさせていただいた資料でございます。もう一点、佐藤専門委員からも資料を御提出いただいております。

 それでは、私からは中医協総−2−2に基づいて御説明をさせていただきます。

 恐れ入ります。資料の表紙を1枚おめくりいただきまして、3番をごらんください。グラフが2つ並んでおりますけれども、左側のグラフは年齢別の人口の推移と将来推計、右側は年齢別の歯科診療所の患者数の推移でございます。歯科診療所の患者総数はおおむね横ばいでございますけれども、グラフでいいますと、オレンジや赤の部分でございます高齢者の患者が増加しております。

 次に同じページの下の4番をごらんください。このグラフは年齢階級別の1人平均現在歯数、歯の数の推移でございます。

 ブルーの囲みの部分をごらんいただきたいんですけれども、これは70歳から74歳の年齢階級についての結果でございまして、白いグラフは昭和62年当時でございます。この当時、平均約10本であったものが、青のグラフをごらんいただきますと、平成17年の結果でございますが、15本へと残存歯数が増加をしているというグラフでございます。

 1枚おめくりいただきまして、7番をごらんください。こちらの青のグラフは12歳児の1人平均のむし歯の数の年次推移でございまして、グラフの左端が平成元年、右端は平成22年でございます。平成22年の結果を見ますと、平成元年に比べて約7割減少している。子どもの虫歯が非常に減っているというグラフでございます。

 同じページの8番でございますが、これは最近10年間の歯科医療費のグラフでございまして、総額自体はおおむね横ばい傾向でございます。ただし、グラフのオレンジの部分が65歳以上の歯科医療費、また赤の部分は75歳以上の歯科医療費でございまして、このように高齢者の歯科医療費の割合が増加しております。

 1枚おめくりいただきまして、11番と12番をごらんください。11番と12番は歯科点数表の構成でございます。基本的な構成は医科点数表と共通でございますけれども、12番の下から3つ目にあります歯冠修復及び欠損補綴、更にその下にあります歯科矯正、この2つは歯科点数表独自のものでございます。

 次に13番と14番をごらんいただきたいと思います。ここに歯科診療の代表的な例を幾つか写真でお示ししております。詳細は割愛をさせていただきます。

 1枚おめくりいただきまして、15番から20番までが、前回平成22年度の歯科診療報酬改定の概要でございます。

 まず15番でございますけれども、在宅歯科医療の充実について、例えば歯科訪問診療料の評価体系の簡素化、あるいは2点目にございます歯科衛生士などが行う指導の引き上げを行っております。

 次のページの17番をごらんください。また、前回の改定では在宅歯科医療や障害者歯科医療の後方支援病院の拡充を図るため、施設基準の要件の緩和あるいは該当病院の再診料の引き上げを行っております。

 なお、在宅・障害者歯科医療については、今年度、中医協の結果検証に係る特別調査を実施予定でございます。

 下の18番をごらんください。生活の質に配慮した歯科医療として、一番上にございます小児義歯の適応範囲の拡大というところにアンダーラインが引いてありますけれども、これは先天的に永久歯がない患者さんに対するものです。小児義歯の保険適応の範囲を従来は疾患を特定しておりましたけれども、22年度の改定においては、特に疾患の特定はせずに患者さんの適応範囲を拡大しております。

 また、一番下にございます破損した有床義歯を預かり、2日以内に修理を行った場合の評価、入れ歯の修理の関係でございますけれども、これについては、昨年度の結果検証の特別調査の項目となっております。

 1枚おめくりいただきまして、19番をごらんください。こちらには歯科固有の技術の評価として、例えばう蝕の治療でありますとか歯周病の治療、こういった技術の評価の改定内容をお示ししております。

 また、同じページの20番でございますけれども、こちらには点数の包括化などを行った項目の代表例を幾つかお示ししております。

 21番をごらんください。在宅歯科医療の関連でございます。既に2月の中医協総会におきまして、在宅歯科医療に関連した資料をお示ししておりますが、本日はその際の資料も一部修正をしてお出ししております。

 1枚おめくりいただきまして、23番をごらんください。在宅歯科医療の対象となりますのは、この図の左側にありますとおり、大きく分けて3通りございます。

 1つ目は、居宅・居宅系施設で、常時寝たきりの方。

 2つ目は、歯科の標榜がない病院の入院患者。

 3つめは、介護保険施設に入所する通院が困難な患者でございます。

 このような患者さんに対して、在宅歯科医療を実施した場合には、歯科訪問診療料と齲蝕治療や義歯の治療などの費用を算定する取扱いとなっております。

 ページが変わりまして、25番をごらんください。障害者の歯科医療についてでございます。高齢者が増加するということは、障害を持つ方が増えるということにもなりますが、現在、歯科診療報酬では脳性麻痺などで身体の不随運動がある方など、歯科診療が著しく困難な場合に初・再診料や特掲診療料の加算点数など、障害者歯科診療の評価を行っておるところでございます。

 1枚おめくりください。27番をごらんください。高齢患者の増加は歯科外来診療におけるリスクの増大にもつながることから、平成20年度の改定におきまして、安全で安心な歯科医療の環境を整備した歯科医療機関に対して、初診料の歯科外来診療環境体制加算というものを設けております。

 下の28番になりますけれども、この加算につきましては、平成21年度の結果検証に係る特別調査が実施されておりまして、患者さんの側からも一定の評価をいただいておるところでございます。

 次に29番と30番をごらんいただきたいと思います。今、申し上げました在宅の歯科医療のみならず、歯科医師などが広くチーム医療や医療連携に関与することの重要性が昨今指摘されております。

 29番の図は、昭和大学病院において胸部心臓血管外科の患者に対しまして、感染性心内膜炎や誤嚥性肺炎などの合併症予防のための口腔ケアの実施例でございます。

 また、下の30番でございますが、こちらは国立がん研究センターと日本歯科医師会の連携によるがん治療の支持療法としての口腔ケアの取組み例でございます。  1枚おめくりください。31番になりますが、こちらは最近保険収載された歯科の医療技術の例でございます。

 31番の下の写真でございますが、これは舌接触補助床というものでございます。これは脳血管障害などで舌の動きが悪い患者の上あごに義歯のような装置を装着いたしまして、舌の動きを補助することにより食べ物の飲み込みをしやすくするための装置でございます。

 また、下の32番でございますけれども、写真が2つ並んでおりまして、これは最近導入された歯科の先進医療でございます。

 上の写真は、あごの動きや咀嚼能力を定量的に検査する先進技術でございます。

 下の写真は、歯冠補綴物、むし歯などを削って被せるものでございますけれども、歯冠補綴物をコンピュータを利用して設計、作製する先進技術でございます。

 恐れ入ります。次の33番をごらんください。歯科医療で用いられるCTについて若干説明をさせていただきます。

 33番の右側の写真が実際の歯科用のCTの画像でございます。現在、歯科用のCTが歯科の診療報酬上どういう取扱いなのかということでございますが、それを34番の2つ目の○と3つ目の○にお示しをしております。現在、歯科点数表には歯科用CTに該当する項目がございませんで、適応症を限定した上で、医科点数表の項目を準用して算定する取扱いとなっております。次回改定の際に、歯科診療報酬の項目として位置づけるよう御要望もいただいているところでございます。

 1枚おめくりください。35番でございますが、歯科用の貴金属につきましては、その素材である金やパラジウムなどの市場価格の変動に対応するため、材料が告示価格の±5%を超える変動があった場合には、改定時以外に6か月ごとに改定するということを中医協の方で既にお認めをいただいているところでございます。

 最後に36番になりますけれども、今、申し上げたことを総括して、ここに5点整理させていただいております。

 1点目は、人口の高齢化に伴い歯科の受診患者も高齢化しており、また、高齢者の残存歯数が増加していること。

 2点目は、患者の高齢化に対応し、在宅や障害者歯科医療について重点的に評価してきたこと。

 3点目は、安全で安心できる歯科医療の環境整備を評価してきたこと。

 4点目は、周術期の口腔ケアなど、歯科医師が医療連携やチーム医療にどのように関わっていくかが新たな課題であること。

 最後は、舌接触補助床など新たな技術の保険導入を行ってきたこと。

 以上でございます。

○森田会長

 ありがとうございました。

 それでは、佐藤専門委員、続けてお願いいたします。

○佐藤専門委員

 ただいま解説されました我が国の歯科受診者の動向の変化に伴いまして、大学病院側ではなく一般の歯科医院での診療内容や対応に、以前と比べまして変化が見られるようになりました。

 現在、歯科と言われますと、歯科インプラントや美しくあるための審美歯科を始め歯列矯正などが脚光を浴びております。しかし、先ほどの解説のように、高齢患者が増加の一途をたどるとともに、今までの種々な要因により、高齢者でも御自分の歯が残っているありがたい時代になってきております。ということは、当然のことながら、高齢者のむし歯や歯周病の治療の必然性が生じてきていることになります。つまり現在も、在宅診療の問題ばかりでなく、今後ますます世の中の歯科医院を受診する患者さんは高齢者ばかりになっていくと言っても過言ではないでしょうか。すべての高齢者患者さんを病院歯科や歯科大学病院にお任せするわけでもありません。

 その上、御存じのように、参考のために配付させていただきましたが、これは某歯科医療雑誌に連載されたものの一部でございますが、おのおのの高齢者歯科患者さんは数例お示ししたような高齢者に多い基礎疾患を抱えておられます。

 このような患者さんの1本の歯を治療するに当たりましても、口を開けにくかったり、歯科処置のためにある時間開口状態を保ちにくい患者さん、また舌の不随運動のために歯科治療上危険が生じやすい、また観点は違いますが、認知症のため症状判断が出にくいなど、これらはいずれの医療機関でも悩まされることかもしれませんが、歯科におきましては、それ以上の治療者側にとってのリスクを伴う場合もございまして、細心の注意や努力を要する対応が迫られております。その上、病態特有の注意事項を勘案しての歯科処置や服用中の薬との副作用や相互作用を考慮する必要がございます。

 一方、患者さん御自身も、歯以外にも身体的な不安を抱えて受診されているため、相互が連携をとりながら、安心・安全な歯科治療を受けられるように講じていくことが今まで以上に必要とされてまいります。

 さらにこれらの患者さんは、ほとんど基礎疾患に対する主治医がおられますので、この先生方と密接な連携をとりながら、より困難な歯科治療をスムーズに実施できる必要がございます。

 患者さんにとって安心して歯科治療が受けられる体制が、診療場所は同一場所ではございませんが、患者さんと歯科医師、患者主治医との3者が一体となった診療が存在するのが現在の我が国の歯科診療の実態であり、今後さらにそのような症例が増加していくものと予想されます。

 以上でございます。

○森田会長

 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまの御説明につきまして、質問等がございましたら、お願いします。堀委員、どうぞ。

○堀委員

 歯科の資料につきましては、2月の中医協で厚労省から一度御提出がありまして、今回は新しい委員の先生方も増えたということで、改めて総論的なお話をすると理解をいたしております。

 歯科の話でございますので、私からも3〜4点補足のコメントをしたいと思います。  ただいまのスライドの4番目におきましては、残存歯、すなわち残った歯の数が近年増えてきているという内容になっております。また、7ページにはう蝕の数が最近ずっと減少してきているという説明になっておりますが、簡単にいいますと、健康度が増進しているというデータでございますが、この背景には日常の臨床現場でかかりつけの歯科医師の先生方が常に啓発的な助言、指導を行ってきている成果であろうと思っておりますし、またそういった指導、助言というものを評価してきた施策の大きな成果だろうと理解しております。

 最近こういった指導と管理ということから、指導の評価というものが少し変わってきていると懸念しておりますが、スライドにあるような結果等を踏まえまして、今後とも臨床現場で行われている指導、助言というものは、従来以上にしっかりと評価をしていただきたい、そういう施策を堅持していただきたいと思っております。

 14ページと21ページに在宅歯科医療の写真が出ておりますが、在宅で歯科がどういうことをやっているのかというのは、余りイメージがないのではないかと思います。ここに写真が出てきておりますので、イメージをお願いしたいんですが、歯科医療は基本的に注水下で電気エンジンあるいはタービン等を使っての微細な切削行為がございます。それから、観血処置、すなわち出血を伴う処置が通常的に行われているという特性がございます。

 在宅ではここの写真にあるとおり、照明がかなり不十分な環境で、また頭部の安定がなかなか得られないような環境で、そこに電気機器を設置していくということで、この設置を含めて、時間、労力、ストレスというものがかなり伴うというのが在宅における歯科医療の特徴であると認識いたしております。

 そういったことをこの写真をごらんいただきまして、少しイメージを持っていただければということでございます。

 24ページに歯科訪問診療ということで記載がございますが、この中で1点、最近の懸念がございまして、そこに歯科の場合は常時寝たきりの状態等という文言で規定がございます。最近全般に通知の文言を厳格に運用するという流れがございますが、基本的にこれは通院困難な状態に対して、訪問診療を行うという趣旨であるということは間違いないところでありますので、常時寝たきりということを厳格に運用されますと、現場で円滑な在宅歯科医療が提供できないという方向も懸念されますので、もし必要があれば、今後この文言についても工夫をしていただきたいということを思っております。

 最後になりますが、30ページに国立がんセンターとの連携事業ということで御説明がありました。これは日本歯科医師会の事業として紹介されましたので、補足をいたします。  現在、この事業につきましては、がんセンターに連携窓口を設置していただいておりまして、ここに受診した患者さんがこの事業に該当いたしますが、1月31日から5月9日までの間に受診の総数は125名となっております。

 また、歯科医師側は、一定の研修を受けた歯科医師がこの連携事業に登録いたしまして、対応いたしますが、現在6月2日時点で、このセンターの近隣の1都4県の中で945名がこれに登録をいたしております。今後これ以外の地域に対しましても、拡大してまいりたいと思っておりますし、またがんに限らず、ほかの疾患についても必要な医療連携を推進してまいりたいと思います。御理解をお願いしたいと思います。

 以上です。


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Last-modified: 2011-06-18 (土) 16:56:14 (2319d)