Top / 免責制度

免責制度とは、医療機関でかかった医療費のうち、定められた金額以下を患者の全額自己負担とし、それ以上の医療費については原則、自己負担三割の現行保険制度を適用する考え方。
例えば、二千円以下を免責金額として、保険対象外とした場合、医療機関で一万円の医療費がかかったとすると、現行制度では患者本人は三割にあたる三千円が自己負担となるが、免責制度が導入されると、二千円に加え、残りの八千円の三割にあたる二千四百円とあわせた四千四百円が自己負担になる計算だ。
具体的な免責金額については今後、議論が進められるが、「国民の理解を求めるためにも、最初から高額に設定するのは無理」(政府関係者)との見方は強く、減免措置など低所得世帯に対する一定の配慮もあわせて検討する。
(産経新聞より)




また必ずや俎上に載せられるであろう「免責制度」。
昨年度の地方新聞からの抜粋で御容赦頂きたいが、筆者は呼吸器疾患の権威泉孝英先生。これを歯科に置き換えてみると、どうであろうか。



京都の町から医療を考える(38)・・・泉孝英(中央診療所長/京都大学名誉教授)

最近十年間の動向をみると、健康保険で受診した風邪の患者は毎年百万人程度で、全患者(重複を含む)四千万人の2.5%、その医療費は四千〜五千億円程度である
風邪の医療費の内訳は、診察料が60%、薬剤費は25%、金額では一千億円から一千二百五十億円程度である。
一方、薬局・薬店・ドラッグストアでの風邪薬(総合感冒薬・解熱鎮痛薬・鼻炎治療薬・鎮咳去痰薬・うがい薬)の販売金額は年間一千五百億円と保険診療における薬剤費より大きい。

来年の医療保険制度改革に「免責保険」の導入がうわさされている。
免責保険とは、自動車の事故保険と同様、医療費の一定金額までは自己負担とする制度である。風邪の場合、免責金額が五百円とされると、自己負担は三百八十円から四百五十円、千円とされると七百三十円から九百円の範囲で増加する従来負担の少なかった患者(高齢者)ほど、負担増は大きい。医療機関を受診して投薬を受けるより、薬局などで風邪薬を直接買う方が安いとなる。医療費の抑制、受診抑制には有効にはたらくことである。
しかし問題は、それで良いのかということである。

「風邪は万病のもと」。これは古くからある言葉である。特に、高齢者ではそうである。風邪症状で受診した患者のうち、本当の風邪症候群は50%程度で、30%は慢性気管支炎、喘息、肺炎など風邪以外の呼吸器疾患、また10%は呼吸器以外の感染症、10%はその他の病気であったとの報告がある。

元気な若者は薬局・薬店・ドラッグストアで大丈夫だと思われるが、高齢者の場合は心配である。また、免責保険導入による風邪医療費の節減は年間十億円程度である。
自己負担の増加は、社会保障としての医療保険の基本に反することである。患者負担増よりも、医療内容、無用な医療がないか、の点検による医療費増加の抑制を期待したい。しかし、これは行政だけでできることではない。医師の保険医療に対する認識の高まりが、何よりも重要で期待されることである。

(京都新聞 2005年11月15日)







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Last-modified: 2008-03-16 (日) 13:29:26 (3780d)