Top / 輸入技工物の取り扱いについての国会質疑

第169回国会 予算委員会 第4号

平成二十年二月四日(月曜日)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/169/16902040014004a.html


○櫻井充君

 ここは物すごく大事なことなんです。要するに、経済財政諮問会議はこういうことを議論してないんです。日本で試算しているのは第一生命総合研究所でして、ここはGDPで約四・一%減少するんじゃないかと。それから、ほかの国々はちゃんと調べてお~りまして、WHOなどではやはり三・一%の減少ではないかと。それから、オーストラリアが日本のGDPは約三十兆円、六・一%程度減少するんじゃないかと。

 つまり、こういうことも起こり得るわけであって、いたずらに医療費だけを抑制するような政策を転換してもらわないと本当に困るわけです。日本の医療費をちょっと見ていただきたいんですが、もう悲惨なものですよ。(資料提示)これは対GDP比です。そうすると、第一位はアメリカでして、一五・三%です。先進国で日本より低かったイギリスがブレア政権になって医療費を増やしてから、日本はついに世界で最低になりました。日本の医療費は多い多いと言われていますが、日本の医療費は決して多くはございません。一人当たりの医療費も多くないのが、これがこの国の実態です。世界から見たときにこういう状況にあるわけです。そうすると、なぜ日本の医療費を増やせないのかと、この点が私は本当に疑問です。

 これは大田大臣にお伺いした方がいいんでしょうか、それとも額賀大臣にお伺いした方がいいんでしょうか。

○委員長 (鴻池祥肇君)

 どちらが御答弁ですか。額賀財務大臣。

○国務大臣(額賀福志郎君)

 医療費についてはこの二十年度予算案においても相当増えておりまして、社会保障全体では二十二兆円、そしてその中で医療費というのは八兆円ぐらいあります。毎年、これから三千億円から四千億円ぐらいずつ増えていくことになっていくわけであります。

 OECDの統計でそういうふうになっておりますけれども、例えば、総医療費ではおっしゃるとおりなんだけれども、公的な医療費、税金とか社会保険料だとか、そういうことになると日本は六・六%で、OECDの平均の六・四%よりは上回っている。それから、地方とかあるいは政府とかあるいは社会保障関係の負担では、日本は一七・七%の負担、そしてOECD平均は一五・二%。

 そういうことで、公的医療としては、できるだけ国民の皆さん方に安心を与えていく社会保険制度を維持していくために全力投球をしている。しかもなおかつ、医療費は、高齢化社会を迎えまして若い人よりも高齢者の方々の負担がどんどんどんどん増えていって、今の二十八兆円の負担が、これは二〇二五年には実に倍の四十八兆円に膨れ上がろうとするわけです。

 だから、適正な医療水準というものをどういうふうに確保していくか。これは、負担と給付の関係を国民の皆さん方が納得ができるような形をつくっていかなければならない。そのために政府で、福田首相の下に国民の福祉会議というものを呼びかけて、今、議論をしているところでございます。

○櫻井充君

 医療費に関して言うと、そうやって国家財政上の問題であるとか負担がどうだというふうに出てくるわけですよ。道路に関しては全くそういう議論はないんですね。例えば、今回だって二十五円ガソリンが下がることによってどれだけの経済効果があるかですよ。

 それは地域の、僕ら田舎に住んでいる人間からすれば、公共交通で通勤しているわけじゃありません。ですから、二兆六千億円の減税になれば、地域であればあるほど効果が大きくなるはずなんですよ。そういったところの、負担と、何というんでしょうか、供給面での関係というんですか、そういうのは全く議論されずに、いつも医療だけがその対象になります。

 しかし、これはイギリスの実例をお見せしましょう。(資料提示)

 今まで、医療のことに関して言えば、根拠なきことだけずっと言われてまいりました。イギリスは、サッチャー政権で医療費を大幅に抑制して医療が崩壊いたしました。ブレア政権が誕生してから一体どうなったかというと、一番上の、この折れ線グラフの青ですけれども、この十年間で医療費は倍に伸びております。イギリスは全額国庫です。全額税金でやっておりまして、これだけ増やしてきています。

 そしてその上で、いつも言われるんです、借金が増えるから困るんだと言われますが、イギリスの借金を見てください。借金は対GDP比では全く増えていない、横ばいなんですよ。今まで国の説明は、医療費を増やせば財政を圧迫する、借金を増やすだけで大変だという説明しかしていないけど、そうでないということは少なくともこれはイギリスでもう実証されています。

 私はお伺いしたいと思いますよ、大田大臣に。私は、こうやって実例を持ってきて、対GDP比で借金は増えないんだということをお示ししました。経済財政諮問会議は何の根拠をもってして、どういう根拠をもってして今までのようなお話をされているんですか。

○国務大臣(大田弘子君)

 医療費が増えても、仮にそれと同じだけ経済が伸びていけば国家財政の圧迫にはなりません。しかし、日本では、医療費の伸びはGDPの伸びを上回っております。しかも、これから高齢化が進みますと、更にGDPの伸びを上回って医療費が増えていくと考えられます。そうしますと、その分は、増税をすれば国家財政の圧迫にはなりませんけれども、負担がやはりマイナスになると、経済へのマイナスになると言えます。

 ただ、だからといって必要な医療の機能が損なわれていいということは全く考えておりません。そこはやはり、国民に選択を問いながら、必要な医療をめり張りを持って供給するということだと思います。

○櫻井充君

 今度、もう一度、根拠を持って説明していただきたいと思いますよ。

 医療費が増えた場合には、私は、これは経済効果はもっとあると思っています。それはなぜかというと、国民の皆さんがまず安心を確保できるということですね。それから、医療産業というのは極めて底が、何というんでしょうか、広いんですよ、かなり広いんです。

 例えば、薬なら薬を開発すれば、これは相当世界に売れていく。医療機械もそうなんです。ところが、例えばPETってありますね。PETの検査などは日本が最先端を行っておりました。しかし、医療費が抑制されて、保険に収載されても逆ざやになるから全く進まなかった。その間にアメリカに抜かれているんですね。こういうものがいっぱいあるんですよ。

 これは、医療費を抑制してきた結果、経済が本当はもっともっと大きくなっていけるものを圧縮していっただけの話ですからね。もう少しそういうことが分かる人がメンバーに入らないと駄目ですよ。私はそういうふうに思います。

 いいでしょうか、皆さん。国の説明はこうやってうそばっかりです。自分たちの都合のいいことだけ出してきて、そして皆さんにこういうことしかないんだということを言ってきている。我々がデータ調べてきてやれば、一方的なデータだというふうに言ってくる。それはおかしな話ですよ。なぜこんなことをやっているのかといえば、先ほど鳥インフルエンザのところで例をお出ししましたが、国民の安全を守るために必要だと。経済だって同じことなんですよ。

 じゃ、もう一つ申し上げておきますが、国は感染症対策として幾ら使われているのか。ちなみに、アメリカは保健省疾病管理予防センター、CDCというところだけで八千五百人います。国内外に人を配置しています。そして、その中で感染症対策として三千四百人ぐらいです。日本はたった四百人しかいません。この国立感染症研究所の人員だって削減されるかもしれない、しかも予算も削減されるかもしれないような危機的状況にあります。アメリカは今全体で五百七十億、日本の感染症の予算はわずか三十三億です。道路予算五十九兆あるんなら一兆円ぐらい回してくださいよ。その方が国民の安全や生命を守れるわけであって、そこに極めてこの国は不親切な国だと、私はそう思いますね。

 我々は、今医療費を大幅に増やさなきゃいけないと思っています。医療費を増やして、国民の生命やそれから安全を守っていくのが我々民主党の使命だと思っていますよ。今の政府はそうやっておやりになるんなら、それで選挙を戦えばいい。そして、民意をちゃんと問うてくださいよ。私はそのことをまず一つ指摘しておきたいと思います。

(中略)

○櫻井充君

 今回問題になったのは、もう一つ、その検査体制なんだろうと思うんですね。

 実を言うと、農薬の問題が随分食の安全という点で取り上げられておりますが、 実際もっと問題のあるものが入ってきているんです。

 例えば、これ、テレビを見ている皆さんは化学物質過敏症という病気を御存じでしょうか。

私は化学物質過敏症の患者の一人です。私は新築の住宅に入れません。新車に乗れません。それから、例えば家庭で使っている、うちの娘などが使っていた寝癖直しがあるんですが、スプレーがあるんですが、それを吸うとせきが止まらなくなって、娘にやめてもらいました。

 今、そういう患者さんたちが増えています。実際のところ、それはせきが出たりとかいわゆるぜんそく様の発作が起こるものですから、子供たちがそういう病気になると基本的にはアトピー型のぜんそくだという形で治療されています。しかし、私のところの外来に来てくれた人たちや私の周りの人たちは、化学物質をやめてもらった途端にそういった症状が止まっています。じんま疹が出ている人たちもいます。私の場合には、中枢神経系の症状が強く出てくるので、僕は目まいがするとかふらつくとか体がだるくなって実は動けなくなったりします。

 僕は全部中国製を悪者にする気はありませんが、中国製の足温器を使って実は化学物質過敏症になった患者さんがいらっしゃいます。つまり、今危ないのはそういった食べ物だけではありません。

 今、化学物質過敏症のところを、ちょっとこれ、皆さん見ていただきたいんですが、(資料提示)多分、体調不良を訴えてよく原因が分からないという方いらっしゃると思います。まあ一応、私も内科の医者の端くれでございまして、もし何か不安があればそれはお尋ねいただければ幾らでもお答えしたいと思いますけれども。

 ここの中でポイントになるのは、化学物質過敏症というのは実は空気から入ってくるのがほとんどでございます。特にその中の室内の空気汚染でして、これ若干古い数字でありますが七十四人、約半分の方が何らかの住宅関連です。

 特に最近私の感覚でいうと増えてきているのは、シックハウス対策がそれなりに取られてきているので、むしろ家庭内での薬品の使用ですね。例えば、芳香剤であるとかそれから防ダニ、それからあとは抗菌処理剤でしょうか、それからこういう嫌なにおいを消しますよとか、そういったものによってせきが止まらなくなってきている子供さんたちを実は多く経験しております。

 それだけではなくて、大気汚染のほかに、ここからポイントなんですが、
百四十四例のうち入れ歯という方が二例いらっしゃるんです。
食べ物での報告はありませんが、基本的に申し上げると、
要するに何が原因かよく分かっていないからですけれども、
問題は入れ歯の方が二例いらっしゃるということなんです。

 今、歯科の技工物がどういう扱いを受けているのかというと、
雑貨ということになっておりまして、日本国内だけでも、
歯科業界もこれは本当に大変なことになっていて、
技工物そのものを中国にお願いして作ってもらっている現状がございます。

 ところが、これがノーチェックなんですね。なぜかというと、技工物は雑貨なんです。口の中に入れて病気になるかもしれないものが雑貨で扱われているので全くチェックされておりません。

この点について、舛添大臣、どうお考えでしょう。

○国務大臣(舛添要一君)

 最近、歯科技工物、これは人件費が安いということで海外で作られている例を私も歯医者さんから聞きました。

 やっぱりこの安全性ということ、それは四六時中口の中に入っているものですからそれはきちんとすべきだというふうに思っておりまして、具体的に、平成十七年の九月の八日に厚生労働省から、国外で作成された補綴物などの取扱いについてということで、歯科医師に対して注意を喚起し、十分な情報提供を患者さんに行ってくださいと、そして患者の理解と同意を得て、そしてこの良質かつ適切な歯科医療を行うように指示を出しているところであります。

 その後、今の委員の指摘をお受けいたしましたんで、更に調査をし、この法制面を含めて、こういうことは雑貨扱いであれば国民の健康を守れないということであれば、しかるべき手を早急に検討して打ちたいと思います。

○櫻井充君

 ありがとうございます。

 本当に口腔内に何が入っているかによって全然違うんです。しかも、多分、国民の皆さんは、口の中の詰め物で具合が悪くなっているなんて思ってないと思うんですよ。

 今、本当に訳の分からない病気が増えてきていて、みんな不定愁訴と言っていますけれども、そうすると現場でどうなるかというと、自律神経失調症だとか、それからうつだとか、そういう病名だけ付けられて、本当に気の毒、御苦労されている患者さんがいっぱいいるわけですよ。ですから、そういう点で考えてみても、この辺のところをきちんとやっていただきたいと、そういうふうに思います。

 その上で、歯科技工士さんたちがどれだけ苦しいのかということをまず、ちょっとお話だけしておきたいと思いますが、これは歯科技工士さんたちの年齢の分布です。(資料提示)これ見ていただくとお分かりですが、二十五歳未満の方々が毎年毎年減ってきています。これはなぜかというと、余りに仕事が厳しいからです。歯科技工学校がつぶれています。それから、学校で募集しても定数に足りないところがほとんどです。卒業されても、一〇%程度の人しか技工士さんになりません。あとは金属の加工とか、そういうところに行った方がはるかに処遇の面でいいから、そうなってきています。

 そうすると、今現在二五%ぐらいを占める五十歳以上の方々がこれお辞めになると、日本の歯科医療の根幹を支えているところが根底から揺らいでくるということになっていくわけです。これも実を言うと、医療費の抑制政策がこういうところにも来ているんです。今まで看護師さんであるとかいろんな人たち取り上げられてきましたが、技工士さんのところ取り上げられてきていませんけれども、この業界もめちゃくちゃ大変です。この点について大臣、どう御認識されているでしょう。

○国務大臣(舛添要一君)

 これ、全体の医師不足の問題ともかかわりありますけれども、やはり養成に五年、十年と掛かる。そういうときに、長期的な計画を立ててこの定員をどうするかということを考えないといけない。昭和五十年代に歯医者の技工士の方が多過ぎるという要望があったようなことも聞いております。そういうことから抑制路線を取ってきた。そして、今処遇の問題、待遇の問題もありますんで、今おっしゃったように定員割れをしている状況です。

 それから、まあ治療よりも予防という方向の転換もありますけれども、今のようなことはきちんとして、それはこれから高齢化社会になって、例えば義歯、入れ歯ということのこの需要も高まりますし、また治療ということは当然行われないといけない。その根幹である技士の方々の不足ということを来しては駄目だと思いますんで、これ、長期的な観点からも今医療ビジョンを作成し直そうと思っていますんで、そこでもこれはきちんと取り上げさせていただきたいと思います。

○櫻井充君  ありがとうございます。

 いずれにしても、この最大の問題は、医療費をずっと削減し続けてきたこと、抑制し続けてきたこと、必要なところに結局はお金が付いていないことが原因なんだろうと、そう思います。

 ですから、これ総理、改めて総理の御決意を僕はお伺いしたいと思いますよ。後で自民党の議員もいかに医療費が圧縮されてきたかということをこれ質問されますけれども、もうそういう時代ではないわけです、これは。これは与野党関係なしに取り組んでいかなければいけないことだし、先ほど総理は経済財政諮問会議の言いなりにならないんだと。経済財政諮問会議は公的給付を抑制しろばっかり言ってきているわけです。こういう声を聞かないで、本当にもう一度見直していただいて、医療費を大幅に増額していただきたいと思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(福田康夫君)

 医療費の重要性というのは十分認識しておるつもりでございます。日本の限られた財政事情というようなこともございますから、それは、じゃ幾らでも増やさなければいけないという、そういうことに直結するわけじゃありません。全体のバランスを見て考えていかなければいけないと思います。

 しかし、医療、今は、今は世界一の長寿国だ、しかし、来年、再来年どうなのかということもあります。やはり将来、そういう水準というものを、良い医療の水準を維持できるかどうかというのは、やはりこれも考えていかなければいけないということであります。ただ、この医療費を予算を増やすとかいうことになった場合に、国民の負担はどのぐらいになってくるかということも当然考えなければいけないわけでありますので、そのバランスも取らなければいけない。

 そういう意味において、ただいま社会保障についての検討会議を開催いたしまして、これは国民会議と私ども申し上げておりますけれども、各般の方々にお集まりいただいて、将来の社会保障、もちろんその中に医療もございますけれども、そういうものはどうあるべきか。当然、負担があるから負担との兼ね合いで考えていかなければいけないというのはこれ当然のことでございますので、そういうことについて十分な議論をしていただきたい。そして、早急に考え方を取りまとめて、それを具体化するというような手はずを整えておるところでございますので、でき得れば、そういうような議論について民主党の皆さん、野党の皆さんにも御参加をいただいて議論をしていただくというのがよいのではないかというように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。





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Last-modified: 2008-02-18 (月) 08:44:32 (3590d)