Top / 141 参議院 厚生委員会 5号 平成09年10月30日

○中原爽君
 引き続きまして、自民党の中原でございます。私の分担は、今回の医療法の一部改正の部分につきまして少し御質疑をちょうだいしたいと思います。
 私も臨床から離れまして少しく年がたっておりますので、隣の同僚議員と同様にペーパードライバーでございますけれども、直接臨床に即したお話はできないかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事上野公成君着席〕
 それで、今回の医療法の一部改正の一番先に書かれておりますことは「医療提供に当たっての説明に関する事項(第一条の四第二項関係)」だということになっております。手っ取り早く申し上げると、いわゆるインフォームド・コンセントの関係のものが条文として取り入れられたと、こういうことのようであります。それはそれでよろしいわけでありますが、現在、別途の法律といたしまして、現行の医師法二十三条、歯科医師法二十二条でありますが、おのおの保健指導を行う義務という条項がございます。この意味が、今回導入されました医療提供に当たっての説明に関する事項の医療法の一部改正とどうかかわりがあるのかということを、まず行政側の見解として御意見がございましたらお聞かせいただこうと思います。
 少しく説明をつけ加えますと、医師法の二十三条というのは、「医師は、診療をしたときは、本人又はその保護者に対し、療養の方法その他保健の向上に必要な事項の指導をしなければならない。」、こういう規定でございます。医師法につきましてはそういうことでありますが、歯科医師法は医師を歯科医師に置きかえただけで、あと以下同文であります。
   〔理事上野公成君退席、委員長着席〕
 そうしますと、今回の医療法の中に入りました問題については、先般五月に行われております衆議院の厚生委員会の場等におきまして、インフォームド・コンセントの在り方に関する検討会、あるいは医療審議会の最終答申等、「等」と言いますのは、そのほか社会保障制度審議会の勧告、こういった中にインフォームド・コンセントを徹底させたい、そういう趣旨の答申等があってのことであろうかというふうに思います。
 しかし、私ども、医師、歯科医師という立場から申し上げますと、医師、歯科医師の基本法であります医師法、歯科医師法に患者さんに対して保健指導を行えという義務規定があるわけであります。
 ここの関係について、御担当になるわけであります厚生省の御見解をまず伺いたいというふうに思います。

○政府委員(谷修一君)
 医師法二十三条それから歯科医師法二十二条、とれは今、先生お触れになりましたように同様の内容が書かれているわけでございます。
 この医師法あるいは歯科医師法の解釈というか基本的なこの条文についての考え方でございますが、もともとは医師の責務あるいは歯科医師の責務ということで医師法、歯科医師法第一条にそれぞれ書かれております。「医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する」というこの第一条に掲げる任務を医師あるいは歯科医師は持っているわけでございます。したがって、患者の診察に当たっても、単に疾病、病気に対する手当てをするだけじゃなくて、日常の療養の方法、その他の保健指導を行う義務を課したというふうに解釈をしております。  今回、御提案をさせていただいておりますこの医療法の改正案におきましては、これらの規定も踏まえつつ、基本的には患者との信頼関係に基づいて医療が提供される、また医療従事者が個々の医療内容について十分患者さんに説明を行い理解を得るということが重要である、そういうような考えのもとに、今申しました医師法二十三条あるいは歯科医師法二十二条の規定も踏まえつつ、医療従事者全般、医師、歯科医師のみならず医療従事者全般が医療を提供するに当たって適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るように努めなければならないということを法文上明らかにしたものでございます。

○中原爽君
 お話を伺いまして安心いたしました。
 今回の医療法改正に伴いまして、今御指摘の医師、歯科医師、薬剤師、看護婦、その他の医療の担い手は医療を提供するに当たり適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るように努めろ、こういうことであります。
 これが出てくる基本に、私は、やはり医師たる者あるいは歯科医師たる者という人たちが自分の法律でありますこの義務をどのように理解しているかということが一番大事な基本であるということを、口幅ったいことでありますけれども、この関係の免許を持っている立場から申し上げたいというふうに思ったわけでございます。ありがとうございました。
 それでは引き続いて、先ほどやはり同僚議員の方からお話がございました成年後見制度につきましてお尋ねをしようかと思っております。
 介護保険実施、それとのかかわりがどうということではありませんけれども、いずれにしても高齢社会が到来いたしますと、その高齢化に伴いまして痴呆症等の判断能力、理解力をに欠く高齢者あるいは障害者がふえていくわけであります。自分の権利擁護ということが自分自身でできないということでありまして、諸外国、イギリス、スウェーデン、ドイツ等におきましてはそれぞれやり方は違うと思いますが、成年後見制度の必要性が認められているわけであります。
 先ほどのインフォームド・コンセント、そういう言葉は使いたくありませんけれども、説明に対して理解と同意を得るということでありますが、説明をいたしましても御本人が御理解いただけない、まして同意もいただけないという、医療を提供する側から言えば、そういう患者さんがふえていくというのも一つの現実の問題であります。
 そういう意味で、先ほどお答えもございましたけれども、法務省関係から成年後見問題研究会の報告書が出ているという御説明がございました。それの状況を踏まえて厚生省としては判断をされるという趣旨のお答えもあったかというふうに思います。
 しかし、この報告書を読んでみますと、報告書の(3)のところでありますが、「成年後見の事務」というのがありまして、「ア 身上監護」、身の上の監護をすると。それで、「医療に関する事項」という項目がございます。そこの主たる結論は、ちょっと読んでみますが、少しわかりにくい文章でありますけれども、「医療行為について本人の判断能力に問題がある場合における第三者による決定・同意全般に関する問題として、将来の十分に時間をかけた検討に基づいて立法の要否・適否を判断すべき事柄であり、当面は社会通念のほか、緊急性のある場合には緊急避難等の法理にゆだねることとせざるを得ないとの意見が多数であった。」、こういうことであります。結果的にはこの成年後見制度、民法上から検討されているということが主体でありますけれども、しかし医療の現場というのは日々即その時点の問題でありまして、それがすべて緊急避難の法理に当てはめて処理ができるというはずもないのであります。
 そういう意味で、先ほど後見問題の研究会の報告書が出ているということでございましたけれども、その中で特に医療にかかわった後見の問題について、厚生省の御見解を説明していただきたいと思います。

○政府委員(谷修一君)
 成年後見制度は、現在法務省、厚生省でも検討しておりますが、今、法務省の研究会がまとめられた報告書を引用されました。
 確かに現在、例えば高齢者のみの世帯が増加している、また現行の成年者の保護制度でございます禁治産あるいは準禁治産制度というものが現実にいろいろ問題がある、また非常に利用しにくいというようなことから、先ほど申しましたように法務省を中心にして、例えば痴呆性の高齢者あるいは知的障害者等の財産管理などの権利擁護の新しい枠組みをなす新しい成年後見制度の検討が進められているということでございます。
 一方、医療の現場におきます問題としては、例えば精神科医療あるいは先ほどお触れになりました痴呆性老人、それから救急医療、そういうような何らかの理由で一時的にあるいはかなり長い期間、理解をする能力あるいは同意をする能力が問題となる場合がございます。具体的な問題として、今回提案をさせていただいておりますいわゆるインフォームド・コンセントの問題、説明に対する理解と同意、あるいは十分な説明をして理解をするかどうかということで、これをどうするかということでございます。
 成年後見制度の研究会の中では、先ほど先生がお触れになりましたように、医療については幾つかの留保条件がつき、なおかつ今後必要な検討をしなきゃいけない、それから意見が分かれているということでございますので、この成年後見制度については、私ども厚生省全体としては、医療の問題だけじゃなくて障害者の関係、そういうようなことも含めて法務省の検討に合わせて研究会等でも検討しております。当面の話として、この医療法の一部改正案が成立をした段階で、いわゆるインフォームド・コンセントの問題について、そういう説明に対して事実上理解ができない、それはいろんな事情があると思います、場合があると思いますが、そういう方に対してこの法律の解釈をどういうふうに適用するか。
 例えば、イギリスなんかの例を見ますと、これはいわゆるカルテ等の情報開示に当たっての解釈でございますけれども、当然のことながら患者本人に対してやるけれども、患者本人が未成年者である場合、あるいは理解する能力がない場合については、保護者等の例示を挙げているようでございます。また、これは大分以前でございますけれども、日本医師会がいわゆるインフォームド・コンセントについて検討をした報告書の中でも、同様な場合における取り扱い、例えば配偶者、父母、その他本人にかわる適当な人に説明をするとかというような考え方も示されておりますので、そういうことを参考にしながら対応をしていきたいというふうに考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 通常の高齢者あるいは痴呆性の方は、大体主治医がおられるというのが通例であろうかというふうに思いますので、そう緊急避難というような状況がたびたび起こるということにはならないかもしれません。しかし、医療における診療の契約あるいは医療契約というものはいろいろ解釈がございますので、緊急避難だけで事が処理できるというような状況にはならない場合が多いわけであります。
 診療の契約というのは、病気を治してほしいという患者さんの委任あるいは依頼がございまして、それに対して医療担当者側がお引き受けをしましょうという、いわば双務的な委任契約が成り立つという形になるわけであります。しかし、病気を完全に治すというお約束はできない場合がほとんどであります。したがって、治すために努力をするという事務的なお約束になるということでありますので、通常は医療の契約は準委任の契約だと、こういう形を言われているわけであります。基本となるのは、やはりその病気に対して結果を予見するということ、それから起こってしまった危険を回避するということ、それからその時代に即した医療行為を行っている、十人の医師が十人とも同じ処置をするだろうという普遍的な医療行為が行われ、それと同時に患者さんに対して説明と同意、あるいは保護者に説明と同意を得る、これだけの条件を整えた上で緊急避難に対応するということにならざるを得ない部分があります。
 したがって、せっかく介護保険制度が出発いたしますときに、やはり介護保険の出発と同時にこういった後見制度の実施を進めていただくということは、先ほど同僚の議員が御発言になりましたことと同じことを申し上げたいというふうに思っております。  それではもう一つでありますが、今回、医療法一部改正にかかわりまして、医療計画に関する事項の条項の中で、都道府県が定める医療計画においては、病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定を定める、これに掲げる事項は二次医療圏ごとの医療提供体制が明らかになるように定めるものとする、こういうふうな形で表現されております。
 現行の医療計画というのは、その医療計画にのせるべき必要事項がありまして、それは医療計画の単位となる区域の医療圏を定め、その中で特に二次医療圏については主として一般病床の病床の整備を図るという地域単位として区分する区域だと、こういうふうになっているわけであります。
 平成八年三月末の時点で三百四十四圏、現在は三百四十八にふえているということだそうでありますけれども、こういったエリアと、それから今回ここにかかわってくるのが必要病床数、それについて一般の病床、それが二次医療圏で設定されるわけですけれども、今回はその中にこれから出てまいります地域医療支援病院が加わってくるということになるわけでありますので、今度設定されます地域医療支援病院と従来の二次医療圏のあり方のかかわりはどういうふうに整理をされるのか、このところを御説明いただきたいと思います。

○政府委員(谷修一君)
 今、提案させていただいております医療法の一部を改正する法律案の中で、地域医療計画にかかわる圏域の二次医療圏の問題については、私どもは二次医療圏という圏域についての基本的な考え方は現行のものと変わっていないというふうに考えております。ただ、二次医療圏の中で都道府県知事が審議会の意見を聞いて決めるべき事項として、今、先生お触れになりましたように、従来の病床数にかかわるもの以外に、地域医療支援病院の整備、あるいは介護保険との関係がございます療養型病床群に関する整備の目標、その他従来いわゆる任意的な記載事項でありました救急医療あるいは僻地医療あるいは医師の研修等の具体的な内容を二次医療圏ごとに決めていくということを盛り込んでいるところでございます。
 それで、そういう意味で特に今、先生がお触れになりましたような地域医療支援病院との関係でございますが、地域医療支援病院につきましては、基本的にかかりつけ医を中心にした医療を行っていくに当たってかかりつけ医を支援するという考え方で地域医療支援病院の整備を図っていきたいということでございます。そういう意味で基本的な考え方といたしましては、二次医療圏ごとの医療を提供する体制を明らかにすると同時に、やや抽象的な言い方ですが、ほぼ日常的な医療については二次医療圏の中で完結をする、そういう考え方のもとにこの医療計画というものを充実していきたいというふうに考えています。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 そのところを明確にいたしませんと、地域医療支援病院の内容というのは国、都道府県、市町村、それから特別な医療法人の病院がかかわるということに恐らくなると思いますし、そう説明されているわけであります。それが今回廃止をされます総合病院、その総合病院がそのまま地域医療支援病院として移行するという程度にしか考えられないということでありますと問題でございまして、 今御説明がありましたように、かかりつけ医を支援するという意味での二次医療圏の中の地域医療支援病院であるというところを明確に御説明いただきたいというふうに思っておりました。  それでは引き続きまして、同じく療養型病床群の件でございますけれども、これもたびたび御質問等、御意見の交換が出ておることでございますが、ごく簡単にお聞きしておこうと思います。
 このたびの有床診療所は、医療計画上の療養型病床群へ転換病床が出てくるということ、その療養型病床群の中でやはり高齢者対応の病床というのもあるでしょうし、療養型という意味では若年者の患者さんに対する病床もある。それから、相変わらず有床の診療所という意味では、同一の患者さんを四十八時間を超えて収容しないように努めなければいけない部分もあるでしょうし、また今後これから医療提供体制の抜本的な改革が行われる中で、たびたび御説明がありますけれども、急性期用の病床、慢性期用の病床、病棟の区分、わずか十九床以下の病床数の中での有床診療所が管理上どういう形で対応していくのかということについてはっきりとした御指導をちょうだいしたいというふうに考えておるところでございますけれども、この辺のところはいかがでございましょうか。

○政府委員(谷修一君)
 有床診療所というのは、現在ベッド数にいたしまして二十六万床ぐらい。しかし、実際に稼働しているベッドは、患者調査等によりますと大体半分でございます。
 今、この十九床以下の有床診療所を療養型病床群に変えていくという際に、私どもの理解は、これは先ほど朝日先生の御質問の中にもございましたけれども、構造設備、それから人の配置、これの基準も決めていかなきゃいけませんので、十九床そのままが療養型病床群に転換されるとは考えておりません。当然のことながら、スペースを広くしていかなきゃいけませんので、二分の一なり三分の一あるいは三分の二になっていくだろう。その場合に、これは今、先生お触れになりましたように幾つかの類型が現実にはあるかもしれませんが、十九床のものが三分の二なりあるいは二分の一になった場合に、さらにそれを細分化するようなことが実際に起きるんだろうかと。それは理論的には起きると思いますが、しかし、当然のことながら、改築なり必要な構造設備を変えていかなきゃいけないということになれば、やはり有床診療所が療養型病床群に変わる場合には全体として療養型病床群に変わっていくということが多いんじゃないかというふうに考えております。
 そういう意味からいいますと、当然のことながら、有床診療所が現在果たしているいわゆる地域のかかりつけ医としての機能、そういうものと療養型病床群を設置するということによって介護保険の施設としても地域に身近な施設として機能していくということでございますので、ある意味では施設側の立場に立てば選択肢が広がってくるということになるのではないかと。
 なお、先生がおっしゃいました病床の区分ごとの管理という点に関しましては、構造設備基準を決めていく中で具体的に詰めていかなきゃいけないと考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 お話しのように、十九床そのままが施設基準の中で療養型病床群に移行するという場合もあるでしょうし、病床数を減らさないとその基準に合わないということも当然起こってくると思います。基本的には、いずれにしても有床の診療所の機能として、御説明がありましたように地域のかかりつけという意味合いをいかに位置づけていくかということでありまして、ここが大事な今回の医療法の一部改正のポイントであろうというふうに思っておりますのでわざわざお尋ねをしたということでございます。
 それでは次になりますけれども、立場上、歯科医業にもかかわっておりますので、そのところを少しお聞きしようかと思います。
 このたび、二次医療圏と地域医療支援病院の制度が創設されるわけでありますが、現在、全国で国公私立の歯科大学、歯学部附属病院が二十九あるわけであります。この地域医療支援病院の制度と二次医療圏の設定に当たりまして、歯科医療の中心的役割、教育的な役割を担っております歯学部の附属病院の位置はどのような形で地域の医療にかかわるのか、あるいは地域の歯科医療にかかわるのかということが、歯科医業にかかわった立場の者からいいますと非常に問題意識を持っているわけであります。
 この地域医療支援病院の中身は、いわゆる地域に対してオープンシステムがとれる、あるいは救急医療の実施ができる、それから地域の医療従事者の研修、卒後の研修あるいは生涯研修を行える、さらに施設的な条件として、厚生省令で定める病床数以上一定の病床数を収容施設として持っている、こういった条件が書かれているわけでありますけれども、この中で、全国の歯科大学の附属病院、歯学部の附属病院がクリアできない、承認の要件に満たないという条件は、恐らく病床数、ベッドの数がクリアできないということになるだろうと思います。
 また、二次医療圏という考え方からいいますと、三百四十幾つの医療圏に対して二十九の施設しかないということでありますから、全国的な展開という、歯科医業に対する支援、かかりつけ歯科医師に対する支援という意味でも充足できないということになるわけであります。しかし、歯学部の附属病院というのは、やはりその附属病院が存在している地域にとっては、その地域のかかりつけ歯科医師に対する中核的な病院であろうかということがあります。
 別途、今回の改正の説明の中に三つのポイントがございまして、一つは地域医療支援病院の整備の目標ということで、もう一つは療養型病床群に係る病床の整備の目標、その次にその他機能を考慮した医療提供施設の整備の目標に関する事項、この三つが掲げられておりまして、都道府県が定める医療計画の中身は、今申し上げた三つの事項について定めるんだ、こういう趣旨でございます。
 そういう意味では、わずか二十九しかございませんけれども、歯学部附属病院は、医療提供施設相互の機能の分担及び業務の連携等に関する事項を二次医療圏ごとに定めるという趣旨を踏まえて、その他機能を考慮した医療提供施設の整備の目標に関する事項、こういったところに該当させていただければ、その地域にとって、医科の病院、医学部の病院というところと施設等の相互の機能分担ができるというふうに考えているわけでございますけれども、今申し上げたような考え方について御意見がございましたらお願いしたいと思います。

○政府委員(谷修一君)
 大学病院の位置づけをどうするかということだと思います。  今、先生が引用になられましたこの地域医療支援病院の整備の目標、療養型病床群に係る病床の整備の目標その他機能を考慮した医療提供施設、これは、がん、歯科も入ると思いますが、要するに専門病院、専門機能を持った病院というような位置づけで一応具体化していくというふうに考えております。
 歯科大学の附属病院が地域医療支援病院であってはならないということは私はないと思います。ただ、専門医療機関としての位置づけと、いわゆるかかりつけ医を支援していくという機能と、どういうふうに考えていったらいいのか。それから、先生もお触れになりました数の問題もありますから、最終的には、これはこの地域医療支援病院をどういうふうに当てはめていくかというのは、県段階での医療圏ごとの整備になると思いますけれども、歯科医療の特殊性というか、いわゆる医科の医療に比べて病院が非常に限定されているというような事情も考慮して、今後具体的な問題について詰めてまいりたいと思っています。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 もう一点、やはり歯科診療にかかわりましてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど来のこの地域医療支援病院は、国あるいは都道府県、市町村あるいは特別な医療法人の病 院ということが該当するようであります。かなり大型の病院であろうかと、中小病院ではないというイメージがあるわけであります。そうしますと、その規模の病院については必ず歯科の診療科が存在しているはずであります。その地域医療支援病院に該当する病院の機能として、先ほど御説明申し上げましたけれども、臨床研修が行えるということが承認要件の大きなポイントであろうかと思います。
 そういう意味で、その地域医療支援病院になりました医科の病院、当然研修医を受け入れるという研修施設でもあろうかと思います。しかしその中の歯科診療科はどういうふうな立場になるかということでありまして、もちろん、昨年から歯科医師法上も、歯科医師の卒業直後の臨床研修ということが法制上行われるわけであります。親の病院と申しますか、その地域医療支援病院が医師の臨床研修病院になっている。しかし、その中の歯科診療科において歯科医師の臨床研修ができるのかできないのかということになるわけであります。
 今の歯科医師法の条件といたしましては、歯科の臨床研修の施設の指定要件がございまして、歯科大学はもちろんでありますが、医学部の附属病院の中の歯科施設、これは自動的に研修施設に法令上はなるわけでありますし、また単独で十二カ月研修を行うということができます。しかし、一般病院あるいは歯科の単独の診療所というところは十二カ月間単独で研修はできません。厚生大臣の指定によりまして従の施設、歯科大学あるいは医学部の附属病院を主という病院にいたしますと、診療所等の研修施設は従の研修施設になるという規定でございまして、その比率は研修期間四カ月ということが従の施設であります。しかしその中間程度のものがございまして、一般病院の中の歯科診療科で一定の要件を満たしますと単独で研修を引き受けることができるということであります。
 それにはいろいろ条件があるわけでありますけれども、その条件を満たすために、先ほどお話がありましたように、都道府県単位というところでのこういった地域医療支援病院のあり方、大変問題でありまして、例えば三名の常勤の歯科医師が必要だというときに、県立病院で歯科医師数をふやさない、人件費上の問題もあってふやさないということになりますと、我々歯科の研修施設はそこには存在しないという形に追い込まれるわけであります。
 そういう意味で、厚生省として、こういった新しくできてまいります地域医療支援病院の中の歯科診療科というところにも一応目をとめていただくということをお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○政府委員(谷修一君)
 地域医療支援病院についての、いわゆる医療従事者の研修という項目がございますが、これは今、先生がおっしゃられました意味での、いわゆる卒後医師ないしは卒後歯科医師の臨床研修というものとは必ずしも同じものだとは位置づけておりません。かかりつけ医を中心とした地域のお医者さんなり歯医者さんの研修なり研究をその支援病院が提供していくという趣旨でございますので、そういう意味では、昨年から始まりました歯科医師についての臨床研修の施設であります主たる病院あるいは従たる病院とは概念としては別だというふうに考えております。
 ただ、先ほどの歯科大学のお話とも関連いたしますが、歯科の診療科を持っている病院というのは全体としては非常に数が少ないということでございますので、地域医療支援病院の要件を考える際に歯科というものをどういうふうに要件の中に入れるのか、それがなければだめだとするとなかなかこれはまた難しい。したがって、歯科については、別の一般的なルールとは別に歯科についてのある程度当てはめる要件というものを考えた方がいいのではないかと。またそれが、そうすることによって、歯科のためだけじゃございませんが、歯科も含んだ支援病院ということができれば、歯医者さんだけじゃなくて一般のお医者さんにとっても役に立つ病院になるんじゃないかというふうに考えております。
 そういう意味で、先ほどの歯科大学の取り扱いも含めまして、この地域医療支援病院の具体的な要件ということについては、今後、法案を成立させていただきました後に、国会での御審議も踏まえまして医療審議会の中で具体的に詰めてまいりたいと考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。
 今お答えをいただきました内容で本日のところは十分なお答えであろうかというふうに思っております。
 御指摘がございましたように、歯科医師の臨床研修は昨年から出発したばかりでありまして、臨床研修の実施率を高めるということが当面の我々歯科医業にかかわります者の目的でございます。したがって、主たる病院という研修施設は限られた数でございますので、やはり主と従の従の研修施設ということもこれから確保していくということも踏まえて、今申し上げたように地域医療支援病院の中の歯科診療科という位置づけを今後重要視していきたいということで発言をさせていただきました。どうもありがとうございました。委員長、少し早いんですが、大体お答えがスムーズに進みましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-02-26 (火) 16:41:03 (3799d)