Top / 154 参議院 厚生労働委員会 18号 平成14年07月11日

○中原爽君
 自由民主党の中原爽でございます。
 健康保険法一部改正につきましては、特に被用者本人自己負担二割を三割にするという件については、もう質問も御回答も出尽くしたという感がございますけれども、いずれにしましても、この問題、少し振出しへ戻ってお尋ねをしてみたいと思います。
 この健康保険法一部改正案附則の第二条でありますけれども、「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」と、こういうことであります。これは、医療保険各法でありますから、すべてを含むということでしょうから、健康保険法各法、それから各種の共済保険、国民健康保険、船員保険であります。したがって、被保険者本人、それから被扶養者でありますから家族共々、給付の割合を将来にわたって七割給付にするということであります。
 本来、この医療保険を支える財源は、一つは被保険者が支払っております保険料、事業主折半でもありますけれども、保険料、まず、それから患者になってしまったときの入院にしろ外来にしろ自己負担分、それから医療保険各法制度にかかわります国庫助成、国庫負担、いわゆる税金になるわけでありますけれども、この三つが主たる財源ということになります。したがって、今後、高齢社会が続いていく中で、この医療費、更に増え続けるということになります。
 また、この負担増をどう考えるかということでありますけれども、この附則のとおりでありますと給付を七割に制限するということでありますので、そうなると、先ほど申し上げたように、財源の中身、自己負担分を増やすのか、あるいは保険料を増やすのか、このバランスによるわけでありまして、したがって、厚労省の御説明では、今回、平成十五年の四月を目途に三割負担をお願いしないと保険料が〇・四%増になると。しかし、十五年で何とか始末ができれば〇・一%増で済むんだと。あるいは、今後五年間のいろいろ計算をされたということであります。
 しかし、基本的にここに法律という形で百分の七十にとどめるわけでありますから、将来このバランスをどういうふうにするんでしょうか。将来にわたって七割給付を維持するということは、国庫負担を別にすれば保険料の引上げでしか対処できないと、こういうことであります。このことについて十分な説明をされているのかどうかということ、ちょっと疑問に思っているわけであります。
 言い方を変えますと、給付率を七割給付に統一して固定するんだと、これが上限だということでありますから、どうしてこういうような附則を付けなきゃいけないのかという対応、これは恐らく、患者さんになってしまった人にもう三割以上の自己負担を掛けるのは気の毒だと、心情的なところから出発している面も多分にあるのではないかというふうに思います。
 いずれにしても、こういう法的な対応をおやりになったことについて少しく御説明いただきたい。

○国務大臣(坂口力君)
 今、中原議員から御質問をいただきましたとおり、今回のこの法律の中には七割給付を維持すると明確に書いたわけでございますが、その理由は、国民皆保険制度をこれからも維持をしていくと。国がやりますこの制度、国民皆保険制度というものが存続します以上、やはり一部負担をしていただくといたしましても、その自己負担というのには限界がある、保険制度でありますから。それは三割以上ということになってまいりますと、その保険制度そのものが崩壊することになるということから、三割を、三割と申しますか七割給付を、これを一つの限度とするということにしたわけでございます。
 これから先、そういたしますと、七割給付であります以上、もし医療費に更に掛かるということになってまいりますと、これは保険料の方で見ていただかざるを得ないということでございます。しかし、これにも限界というものがあるんだろうというふうに思っておりますが、我々の試算では二〇二五年を予測をいたしまして、二〇二五年で大体どのぐらいになるかということを見ておりますが、少なくともここで、約、保険料としましては一〇%、この辺のところでは抑えなきゃならないだろうというふうに思っている次第でございます。
 したがいまして、これからの医療制度を考えていきます場合に、これらのことを盛り込みました以上、これを基本にして、そして新しい制度の積み上げと申しますか、あるいは新しい制度の改革というものをしていかないといけないというふうに考えている次第でございます。

○中原爽君
 御説明いただきましたように、今後、この保険料をどうするかということでありますけれども、以前に大臣の御答弁も、たしか外国と比べて将来一〇%という数字はそう大幅な数字ではないのではないかというお答えもあったような気がいたします。
 いずれにしても、こういうことでありますので、この百分の七十ということを踏まえて、やはり将来保険料をどうするかということは本当に真剣に考えていくという必要があるということでございますので、そのことを確認をさせていただきました。
 それでは、例の自己負担二割を三割にするということでありますけれども、どうして被用者本人の自己負担分二割を三割にしなければならないのかという一番最初の御説明辺りでありますけれども、今年の三月一日に厚生労働省がお出しになりました二割を三割に引き上げるということの説明の文書がございまして、「被用者保険の被保険者等の患者負担を三割とすることについて」という表題があります、平成十四年三月一日。「被用者保険の被保険者等の患者負担を三割とすることは、医療保険制度間の給付率の統一を図り、公平でわかりやすい給付体系の実現を図るものであり、」と、こういう御説明でございますけれども、この説明で、とにかく全部三割にするということが公平で分かりやすいという最初のこの何行かの文章なんでありますけれども、これよく考えてみますと、被用者本人、今二割、これを三割にすると。ほかの保険制度のものは現在三割であります。例えば、この被用者保険の家族、外来今三割ということであり、国民健康保険三割であります。
 しかし、よく考えてみると、国民健康保険が三割になったという理由はそれなりの理由が存在しているわけでありますし、それから被用者保険の家族、外来三割にして現在入院が二割だということもそれなりの理由があるわけであります。そういう今の状態で、制度間の状態から出てきている負担度、そのことをきちっと御説明された上で被用者保険の自己負担三割、これを統一する形で全部三割にしましょうということを言うべきでありまして、そこを、「給付率の統一を図り、公平でわかりやすい給付体系の実現を図る」、「医療保険制度間の」と、こういうふうに付いております。でも、制度間というよりも、もう単純にこの言葉の説明からいえば、被用者保険の現在の三割負担をほかの三割に合わせるんだということの説明でしかないということであります。このことはどうもおかしいなというふうに思います。
 ですから、誠に申し訳ないんですけれども、現在の国保の三割、それから家族の三割がどういう由来で三割になっているのかということの御説明をもう一度きちっとしていただきたいというふうに思います。これが一つ。
 それから、更にその説明文は、「これにより、現下の窮迫した被用者保険財政の状況を改善するとともに、政府管掌健康保険の保険料の引上げ幅をできるだけ抑制することが可能になると考えている。」ということであります。
 そうしますと、先ほど申し上げたことが出てくるわけでありまして、自己負担分と保険料のバランスをどうするかということであります。その説明が、先ほどのお話のように、百分の七十で附則で固定されているということの意味がこのところできちっと御説明をされる必要があったのではないか、三月の時点で。それが一つ。
 それから、更にこの文書は、「同時に、将来にわたって医療保険制度の安定的運営を図るため、医療保険制度の体系の在り方、」、それから「新しい高齢者医療制度の創設、」、それから「診療報酬の体系の見直し等」と、こうなっておりまして、三つの条件が付いているわけですね。医療保険制度の体系の在り方を見直すと。例えば一元化にすると、いろいろな保険制度をですね。それから、今言われております、今後高齢者医療制度をどういうふうにするか、どう変えるかということ。それから、診療報酬体系を全部見直すというこの三つ。この三つのことを本当はやらないうちに三割負担を掛けるということをおっしゃっているわけですね。ですから、三割負担にする、被用者保険の二割を三割にするというベースに今申し上げた三つの問題があるんだと。これはやらなきゃいけないけれども、当面は三割をやるんだと、こういう説明になっているというふうに思います。  こんなことで、こうした改革の今後の着実な進捗を図るということ。これと、平成十五年の四月に保険料負担と患者自己負担の負担度のバランスを取って、他の保険制度間との患者自己負担率を三割に統一するということですね。これは、よく考えてみると全く別個の問題じゃないのか。三つの改革をやるということと、現在被用者本人の二割を三割の負担にするということは、本当は違った問題ではないのかという疑問があるわけであります。
 このことについて分かりやすく、文章には、分かりやすく説明すると、「わかりやすい給付体系」というふうに御説明になっておりますので、分かりやすく今のことを御説明いただきたい。

○政府参考人(大塚義治君)
 十分分かりやすく御説明できるかどうか自信はございませんけれども、今日の制度改正の背景には、やはり一つには我が国の医療保障制度の歴史的な経過というのがございます。
 特に給付率について言えると思うのでございますが、少し話が古くなりますけれども、我が国におきましても、医療保険制度の淵源は、他の大陸、欧州諸国などと同様でございますけれども、労働者の保護立法というような色彩の強い制度として大正十一年に健康保険法がスタートした。これが淵源に当たるわけでございますが、その後、戦時を経まして、昭和三十六年に国民皆保険ということになるわけでございますけれども、健康保険法につきましてはその当初のスタートが労働者の保護立法ということも色彩が強くございまして、いわゆる十割給付という形でスタートをいたしたわけでございます。
 一方、健康保険でございますが、国民皆保険実施前は一種の市町村の任意事業ということでございましたが、当時の財政事情あるいは保険料の状況からいたしまして五割給付というのが皆保険時におけるスタートでございました。
 当時における被用者保険の方の家族でございますが、これも同様に五割給付でございました。これは、その当時の給付の状況というのは、やはり歴史的な背景、経過によるものでございますが、その後、これは御案内でございますけれども、国民健康保険につきましては、経済の発展も背景にございまして、あるいは社会保障の拡充、福祉の拡充という流れの中でその給付率の改善ということが図られてまいりまして、七割給付に引き上げられたというのが国保の場合ですと昭和四十三年のことでございます。その前、途中経過では世帯主のみ七割という時期がございました。
 一方、健保家族につきましても、五割でスタートいたしましたけれども、昭和四十八年に七割給付に引き上げられると。
 他方、被用者保険の本人でございますけれども、これも御案内でございますが、定額負担、定額負担ございましたけれども、考え方としては十割給付ということから、五十九年に一割、そして平成九年に二割給付というふうになってきたわけでございます。
 全体の流れからいたしますと、私どもの理解といたしましては、それぞれの背景、経緯があってスタートいたしましたが、医療保険制度が国民に定着するに従いまして、国民健康保険など給付率の低い方はより給付の率を高めるという方向に、また被用者保険など本人に見られますように、十割給付でスタートいたしましたけれども、これは給付率を見直す、引き下げるという方向で、言わば一種の格差の縮小というような流れがあったと思うわけでございます。
 今日、こうした背景を経まして、言わば当然のことながらもう国民皆保険制度、国民の間に定着をいたしましたし、非常に重要な制度として理解をしていただいているわけでございますが、一種の成熟期、特に今後のことも考え合わせますと、成熟期に入り、今後どういう形で運営していくかという時代に入ってきているんだろうと思います。特に、途中経過で老人保健法というものが昭和五十八年に施行されておりますが、これはそれまでそれぞれの淵源を持った、背景を持った制度を横断的に一種の調整をするという新しい枠組みができてまいりました。言わば国民皆保険という制度の中で、制度は分立しておりますけれども、全体としてはそれを調整をする手法が必要だと、また、その過程で給付率などについてもできるだけこれを合わせていくということが必要だという流れが大きな流れとしてあったと思っております。
 今日、今後の高齢社会の進展という状況を控えましてこれから先のことを考えますと、更にこの給付あるいは負担面での公平を図っていく、それで国民全体で皆保険というものを支えていくと、こういう時代だろうと考えております。
 今回の三割負担、いわゆる七割給付でございますけれども、七割給付の導入につきましては、もちろん、先ほど御指摘もございましたが、保険料とのバランスということも考慮をした上での導入ということになりますが、大きな流れとしてはただいま申し上げたようなことというふうに考えているわけでございます。
 今回、給付の面での各制度あるいは世代を通じた公平化といいましょうか、分かりやすい公平な制度と私どもも申しておりますが、制度、世代を通じた一定の給付体系ができ上がります。今後の課題として、まだまだ今度は負担面での格差というのも現実にはございますから、そういった辺りが今後の課題というふうに考えておりまして、そうした課題をどういう形で対応していくかというためには、医療保険制度そのものの体系、特に今後の高齢社会の進展を考えますと、高齢者医療制度の在り方、密接に絡みますが、そうした体系にさかのぼった議論が必要だろうということで、今後の検討課題として診療報酬も併せて明示されているというふうに考えておるところでございます。
 それから、保険料と自己負担のバランスの問題がございました。これは、原則的には、定率負担ということになりますと医療費が大きくなりましても保険料と患者負担のバランスは維持されるのが基本でございます。
 ただ、今回の御提案申し上げている制度の枠組みで申しますと、高齢者につきましては一割の御負担をお願いしておりますから、その高齢者が今後増えてまいります。したがいまして、将来に向かいますと、全体といたしましては給付率が今回の御提案しているよりも徐々に高まるという方向にはなるわけでございますが、これは高齢化に伴う変化、構造的な変化というふうに考えておりまして、医療保険制度を安定的に運営するためには、やはり患者負担と保険料負担のバランスをどう考えるかと。公的な保険制度という意味では七割が限度というのが私どもの考え方、七割給付が逆に申しますと少なくとも必要な給付率と考えておるわけでございますが、それを前提に制度の枠組みを仕組んでいくと。こんな課題が今後の課題だろうと考えているところでございます。
 十分な、御指摘に対しまして適切な御答弁を申し上げられたかどうか分かりませんけれども、私どもの現状の認識を申し上げれば以上のようなことでございます。

○中原爽君
 御説明がございましたように、この制度間のアンバランスを調整を要するということは、それはもっともでありまして、そこでこの医療保険制度間の給付率の統一を図り、公平で分かりやすい給付体系にまず整えるんだと。それは一つの調整でありまして、その調整をやるということについては別に問題はないわけでありますけれども、今おっしゃっておられる大きな流れというのが、本来、保険者を一元化するということが本当の基本ではないんですかね。それが一番大きな流れだと思うんですよ。いろいろな健康保険制度間のアンバランス、それはどこから生じているかと言えば、やはり今お話が出ている、将来保険制度を一元化しようということを基本に置いて、その上で末端の調整の三割を調整するんだと、こういうことが本当はきちっと言うべき中身だというふうに思っているわけであります。
 それでは、次は健康増進法についてお尋ねをしようかと思いますが、この健康保険法における、私が関係しております、私の職種にも関係あります歯科についての問題でありますけれども、この健康増進法案第七条の二の六というところにこういうふうに書いてございます。「食生活、運動、休養、飲酒、喫煙」、その次に「歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関する事項」と、こう書いてありまして、「歯の健康の保持」と、これわずか七文字でありますけれども、この大変、三十九条にわたる健康増進法の法案の中で、言わば歯科に関係のある文字は七文字しかないと、こういう状況であります。これは、いいとか悪いとか申し上げているわけではございませんけれども。
 別に、参議院の厚生労働委員会の調査室が作成されました参考資料がございまして、大変本当に参考になる資料でありますけれども、この百五十一ページに「八〇二〇(ハチマル・ニイマル)運動推進対策の概要」というページがございまして、そこに歯科保健運動推進の活性化の機構図というのが示されているわけであります。その次の百五十二ページにも、歯科の問題としまして、健康の問題としまして、胎児期から老年期に至ります歯科保健の年代別の対策表も付けていただいている。この二つが、それと「歯の健康の保持」が今回、歯科医療にかかわる健康増進法の中身ということであります。
 元々、申し上げたいのは、その七文字とか、そういうことにこだわっているわけではありませんで、この八〇二〇運動というのは、元は厚生省の成人歯科保健対策検討会という検討会がございまして、平成元年、一九八九年十二月十三日に中間報告書を出されました。その報告書の項目の中に、当面の歯科、成人歯科保健対策についてと、歯科衛生思想の普及啓発の項で、歯科保健の努力目標を設定するということで八〇二〇の運動を提案するというふうに書かれているわけであります。
 したがって、今、もう十何年かたっているわけでありますが、これは皆さん、歯科医師会がやっていることだというふうに御理解があるようでありますけれども、元々これは政府が二十一世紀の高齢社会に対する成人の歯科保健の健康をどうするかという努力目標を設定したんです。そこから始まっていることでありまして、このことを今回改めて申し上げて、健康増進法において今後、国民の口腔、口の中の衛生と健康増進を図る上でこの八〇二〇運動の推進が重要であると思われますが、この八〇二〇運動が開始された経緯と、その運動の持つ意味の再確認をお願いをして、平成元年以降、行政としてこの八〇二〇運動の推進をどういうふうに進められたかということの御説明をいただきたいと思います。

○政府参考人(篠崎英夫君)
 ただいま先生から御指摘がありまして、若干繰り返す部分になるかもしれませんが、八〇二〇運動は平成元年に厚生省が設置をいたしました成人歯科保健対策検討会というものの中間報告書におきまして、国民の歯の健康づくりを推進していく一環といたしまして、八十歳で自分の歯を二十本以上保つ、そういう具体的な歯科保健目標として提唱をされました。それを踏まえまして、関係者の御協力を得ながら、政府として、その推進に取り組んでいるところでございます。
 その推進の経過、経緯について申し上げますと、平成四年度からは、八〇二〇運動推進会議の設置、これは今では四十七都道府県ほとんどに設置をされていると思いますが、そういうものですとか、あるいは八〇二〇運動実践指導者の養成、そういうものを行う八〇二〇運動推進対策事業というものを実施いたしてまいりました。
 また、平成十二年度からは、地域における八〇二〇運動の一層の推進を図るため、従来から行われております健康診査の普及などに加えまして、各都道府県における推進体制の整備ですとか、あるいはその地域の実情に即した事業、これを特別事業と申しておりますが、八〇二〇運動推進特別事業というようなものを実施しているところでございます。  今後とも、こうした取組を通じまして、この八〇二〇運動の更なる推進を図って、高齢者を含めた国民の歯の健康づくりに努めてまいりたいと考えております。

○中原爽君
 ただいまの御説明で、八〇二〇という、八千二十という数字の意味について少し補足をさせていただきますけれども、この八〇の方は、これは日本人の平均寿命が八十歳になっているという意味でありまして、じゃ、二十は何かということであり、この二十は何かということが全くもう十何年たちまして分からなくなっている。八千二十だけが独り歩きをしておりまして、二十の本来の意味が失われております。
 何で二十かといいますと、我々人間の歯の数二十八本から、いわゆる親知らずが全部生えておりますと三十二本、それで二十でありますから、歯の数が二十という意味でありまして、じゃ、あと八本どこへ行っちゃったのかと、こういうことになります。本当は八〇二八の方がいいんじゃないかと、こういうことになるわけでありますけれども、どうして二十かということを説明しろと言われると、皆さん説明できない。
 これもう一回、余計なことでありますけれども、確認をさせていただこうと思うんですが、自分の歯が二十本残っておりますと、自分の歯でかめる最少の歯の数であり、自分の歯の数が二十本あれば、何とか自分の歯でかめる限界が二十ということであり、そういう意味で、少なくとも平均寿命に達したときに自分の歯を二十本残しておこう、あと八本なくなってしまったのは、いわゆる部分入れ歯で補おうと、こういう趣旨であり、したがって、平均寿命のときに二十本の自分の歯がどうしても必要だと、こういうことでこの八〇二〇運動が推進されているということを御理解をしていただきたいと思います。
 私ども人類は、特に日本人は平均寿命が延びました。しかし、この八十歳を超えた平均寿命の中で、私ども日本人の八十歳のときの歯の数は五本しかないわけであります。八〇〇五しかないというのが現状であります。あと十五本確保しようというのが本来の高齢社会、二十一世紀の高齢社会における歯科保健の努力目標である、こういう意味で御理解をいただきたいというふうに思います。
 それと、野生動物は自分の歯がなくなりますとえさが取れませんので、即死んでしまう。野生動物は命の寿命と歯の寿命が一致しているわけでありますけれども、我々日本人はそこのところが、命の寿命が延びましたけれども歯の寿命が延びてないということを申し上げたいというふうに思います。
 それで、もう一点でありますけれども、これは今回の法律には関係ございませんけれども、規制改革推進三か年計画という計画などがございまして、あるいは規制改革推進三か年計画、これが今いろいろ御提案がされているわけでありますけれども、この中でいわゆる支払基金のことについて、社会保険診療報酬支払基金、このことについてお尋ねをしようと思います。
 閣議決定をされましたこの規制改革推進三か年計画において、支払基金を通さずに保険者が自ら審査をし支払を行うことを可能にする方向がこの三か年計画で提案をされているわけであります。このレセプトの直接審査について、医療機関の関係者から、支払基金ができたという意味はどういう意味であったのかということのいろいろ問い合わせ、疑問がございまして、昭和二十三年の話になるわけでありますけれども、当時、支払基金が設立されてその法律ができたということは、当時、支払基金がない状態のときに、保険者からの診療報酬の支払が遅延する、いろいろなことがありまして、この支払基金が設立されたということであります。
 このことについて、一応政府の方から、今の支払基金に対するお考えを概略お聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(大塚義治君)
 医療費の支払の事務は、一方で大変数多くの医療機関がございます。病院、診療所合わせまして二十万というような数の診療機関があるわけでございますし、他方では、保険者ということになるわけでございますが、保険者は五千というような数がございます。全国それがすべて行き来をするとはもちろん限りませんけれども、大変多数の医療機関と保険者との間で支払事務を行うというのは大変複雑な、また膨大な事務になるわけでございます。
 今御指摘がございましたように、これを効率的に行う、適正に行うということになれば、必然的にこれを一元化した、集約した形で行うというのは合理的な発想でございまして、当時、こういう考え方で支払基金が設立をされたわけでございます。
 細かいことを申しますと、一部例外もございましたけれども、徐々に支払基金が自主的にも一元化をして、今、審査、支払を被用者保険については行っているわけでございます。
 念のために申し上げれば、国民健康保険については国民健康保険団体連合会が行っている、こういうことでございますので、私どもも、原理的には支払基金というような組織が一元的にこれを行うというのが少なくとも効率的で合理的だろうと考えておりますが、一方では、保険者が自主的に様々な活動をする、またしたい、すべきだと、こういう御議論がございます。
 そこの接点をどう考えるか、こういうことだろうと考えておりまして、今御指摘の規制緩和三か年計画では、保険者自らが審査、支払を行う道を開いてはどうかと、こういう御指摘で閣議決定をされておるわけでございますが、私どもの基本的な考え方は、ただいま申し上げました接点というような考え方を前提に医療機関と保険者が合意をいたしまして、相互に様々な条件も詰めてこれを合意として、当事者の間で言わば様々な約束をした上で実施するということを、これを否定をする必要もないと考えておりますし、それぞれの努力ということであれば、これも新しい一つの形というふうに考えておりまして、こうした前提で必要な措置をしたいというふうに考えているところでございます。

○中原爽君
 お手元に二枚ほど、歯科診療にかかわります資料をお出ししておりますが、もう時間がございませんので、歯科にかかわります各論的なことは次回に回させていただこうと思います。
 ただいま御説明ございましたように、この社会保険診療報酬支払基金というのは、いずれ民営化されるということでありますので、来年十月には民営、民間法人に移行するというふうに伺っております。したがって、これは法律改正を伴うわけでありますから、いずれこの支払基金の問題については、ただいまのレセプト審査も含めまして、各論的なことはいずれお伺いをする機会があろうかと思いますので、そのときにまた改めてお願いを申し上げたいというふうに思います。
 最後に、大臣にお答えをしていただきたいと思うんですが、ただいま申し上げましたように、この総合規制改革会議であるとか経済財政諮問会議、今いろいろ諮問が行われておりまして、私ども医科にかかわります問題については、医療機関の株式会社であるとか、あるいは医療にかかわります経済特区を作ると、いろいろ御提案がありまして、基本的には市場原理を導入して、そこのところは競争していただくんだというような意味がございますけれども、改革というのはすべてを、古いものを全部変えてしまえばいいということではないというふうに思うんですね。古いものの中でいいものは残す、そして改革をして新しいものを付け加えていくということが本来一番必要なことではないかと思いますが、大臣のお立場として、この辺り、今後医療制度を含めて改革をされることについての基本的なお考えがございましたら、本当に簡単で結構でございますけれども、お聞かせをいただきたい。

○国務大臣(坂口力君)
 医療の抜本改革を行うにいたしましても、いろいろのことを挙げておりますが、まとめて言えば、それは医療の質を高めることと、安定したシステムを作ること、そして負担と給付の公平を図ること、大体この三つに私は要約できるというふうに思っております。  これらのことを成し遂げるために、診療報酬体系をどうするとか、あるいは分立いたしております医療保険制度をどう統合・一元化をしていくかといったような問題がそこから生じてくるというふうに理解をしているわけでございます。
 今お話がありましたように、様々な医療を取り巻きます問題で提言されていることは事実でございますが、私も、それを聞きますごとに戸惑うわけでございますし、そこでいつも申し上げておりますのは、やはり医療というのは経済効率だけを追求するものではない、経済効率も否定はしませんけれども、併せて医療の質を高める、医療の質を高め、そして医療の効率を図る、そのことが抜きにして、そして経済効率だけを言ってはいけないのではないでしょうかということを常に申し上げているわけでございまして、そうした観点から、これからいろいろの御発言あると思いますけれども、受け入れるべきもの、しかしそれは御遠慮を申し上げなければならないもの、取捨選択を明確にしていきたいと考えております。

○中原爽君
 ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-03-22 (土) 11:40:56 (3683d)