Top / 159 参議院 決算委員会 11号 平成16年05月10日

○中原爽君
 自由民主党の中原爽でございます。
 平成十四年度決算審査に関する意見を申し上げます。意見を八項目に一応分けましたので、項目ごとの表題を申し上げながら意見を申したいと思います。

 一、参議院の存在意義。
 最近、憲法改正の議論に付随しまして、衆議院、参議院の二院制度の見直し論が述べられております。この内容は、あたかも参議院を廃止する形で一院の制度にするというような議論でありますが、このことについて、衆参両院ともに合併をするので、参議院のみを廃止するのではないというような説明が行われております。しかし、どうもこの説明では納得が得られないと私は考えておりまして、甚だ遺憾であるというふうに極端に申し上げておきたいと思います。
 以前から、我が国の立法府の二院制度にかかわります見直しの論議は古くて新しい課題とされてまいりましたが、二院制の短所を補いながら長所を生かす工夫が求められているというふうに考えているわけであります。
 衆議院と参議院における役割分担、任務のすみ分けというのも一つの方法でありました。すなわち、衆議院は予算審議を重点に行い、参議院は決算を重視した審議を行うということであります。この決算監視機能を強化することは、正に参議院の独自性を参議院議員の議員任期に基づいて発揮できるということではないでしょうか。

 二、決算の重要性と決算審査の意義。
 民間企業にあっては、決算はその企業の年度の経営状態を表す重要な財務情報であり業績評価の指標であって、この業績評価に基づいて次年度予算の編成を民間企業が行われるのではないでしょうか。本来、国における決算と予算の関係も民間企業の決算の在り方と同様に位置付けるべきでありまして、この点は先ほど又市委員が御指摘をされたとおりでございます。
 過去、昭和三十九年の臨時行政調査会において、決算に重点を置くべきであるが、決算に対する関心は極めて薄い、したがって決算の結果は十分に予算に反映されていない、こういう趣旨の警鐘を鳴らす意見が述べられております。この例を見るまでもなく、国会においても四十年以上も前から同様の意見が言われてきたのであります。
 言うまでもなく、国の決算は予算の執行実績を示すだけでなく、予算が効率的及び有効的に使用されたのかどうかの確認に基づいて国家事業にかかわる財政を考える上での基本的な財政収支の情報なのであります。
 したがって、決算審査の意義は、決算質疑を通じてその結果を政府の予算編成や政策執行に反映させ、国の健全な財政運営に寄与することであります。このためには、先ほど来お話がありますように、決算の早期提出と早期審査が必要であります。
 三、決算の早期審査と早期提出。
 参議院は、決算審査の意義を高めるため、従来から行われてきた常会冒頭における決算提出の時期を早め、常会召集前年の秋に決算結果を提出するように主張してきました。
 また、このために早期審査の実施に努めてきたわけですが、国会情勢から、なかなか計画どおりに審査を進めるのは難しい状況でした。しかし、昨年は三十五年ぶりに常会内の六月に決算審査を終了させることができました。このことは、言わば遅きに失したという側面があるとはいえ、評価すべきことであります。
 さらに、昨年の締めくくり総括質疑の際の委員長質疑に対し、小泉総理大臣は平成十五年度決算を本年十一月二十日前後に提出するように努力をする旨の答弁をされました。これも、先ほど、十一月二十日という質疑が行われております。この決算の早期提出を約束されましたので、また同日の参議院の本会議における警告に対する所信においても、総理は同様の発言をされました。
 このような経緯で参議院が長年主張してきた決算の早期提出が実現することは極めて画期的な出来事であったと言えましょう。

 四、決算審査の充実。
 平成十四年度決算審査においては、勤労者福祉施設であったスパウザ小田原の視察、政府開発援助、ODA及び決算審査の在り方に関する参考人からの意見聴取、また本日の特別会計を中心とした公会計見直しの集中審議、それからこの自由討議など、従来にも増して審査の充実を図っていることを大きく評価し、委員長、理事、委員を始め関係各位に敬意を表するものであります。
 今後も、従来の審査はもちろん、参考人の御意見、質疑を踏まえた決算審査を行い、委員会機能を充実させていくべきであると考えております。

 五、警告決議の作成と内容の充実。
 委員会における審査の結実として参議院の本会議における議案、決議の案がありますが、決算を是認することの議決の後に行う警告案の議決について私なりの意見を申し述べますが、先ほど決議と申し上げましたが、議決の案のことであります。
 決算審査の集大成である警告は極めて重要な位置付けのものであり、警告事案に対して政府に改善の措置を取らせるという重みのあるものであります。したがって、内容の充実に併せて更に警告を権威を持ったものにしていくという必要があります。
 過去の警告事案の傾向に関し、特にここ五年ないし六年間における警告について分野別に区分した状況を調べてみました。最近の警告事案の傾向は、不適正経理等に関する事案は毎年含まれているものの、決算とは必ずしも関連があるとは思われない事件、事故等につきましてかかわる事案が毎年含まれております。このような時局対応事案そのものが悪いとは申しませんが、やはり決算事案を中心に作成すべきであると考えておりました。
 幸い、昨年からこの傾向が変化し、事件等の時局的事案がなくなり、税収見込み、不適正経理、社会保障、政府開発援助及び防衛関係等の決算事案が警告に取り入れられております。
 さらに、昨年は、決算の早期提出、会計検査院の機能強化等、四項目にわたる要請決議を決算委員会決議として行ったところであります。

 六、決算審査報告の不当事項等。
 平成十四年度決算報告においては、指摘された事項等の指摘金額の総計は四百億円を超え、過去二十年以来最高額になっております。その中でも、医療費及び年金の不適正支出と同じく保険料徴収不足は、過去五年間の会計検査から明らかなように、支出と徴収の不当事項は毎年数十億円に達しております。しかし、事案にかかわる発生原因は同じ状況が続いております。これについては、抜本的あるいは根本的な再発防止策が必要です。
 一方、スパウザ小田原のこの施設が著しく安価な価格で譲渡されておりますが、今後引き続く年金施設の売却処分に当たっては、年金資産・財政の損失を最小限に抑えるための一層の努力が必要であります。

 七、処分調書の、失礼しました、時間が迫っておりますので、七を飛ばしまして八番を申し上げたいと思います。
 独立行政法人における財務情報の国会提出。  中央省庁等改革の一環として平成十三年四月に五十七法人でスタートをした独立行政法人は、本年七月までに百七法人になる予定です。このほか、本年四月に八十九の国立大学法人が発足をしております。この独立行政法人制度、国立大学法人制度は、その予算措置として運営交付金が交付されるなど予算段階での規制を緩和し、各法人の自主的運営を尊重する一方で、事業の成果等の事後評価を精密に行うということになっておりますが、また、これらの事業評価や財政諸表は国民に公表されることになっておりますが、我々国民の代表である国会には報告されません。  先ほど遠山委員から地下室でビフテキのお話がございましたけれども、先般、参考人として出席をされた野村総合研究所の理事の富田俊基さんが某日刊紙に、特別会計である離れですき焼きを食べにくくなっても独立行政法人である地下室でビフテキを食べていることに、真の財政健全化が、国民の負担の抑制がおぼつかないと、こういうような意見を発表されておるところであります。したがって、このお話は塩川大臣が、一般会計でおかゆ、それから特別会計ですき焼きと、こういうことを発言されたことを受けてのお話であります。これは正に独立行政法人等の財政運営の透明と規律の確保が求められるゆえんでありまして、この意味で、今申し上げた意味で国会に対する報告の提示も必要であるということを申し上げたいと思います。  以上、私なりの意見を申し上げまして、時間少しオーバーをいたしましたけれども、この私の発言が多少反映される側面があればと考えております。  ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-03-18 (火) 23:46:38 (3778d)