Top / 164 参議院 厚生労働委員会 21号 平成18年05月30日

○中原爽君
おはようございます。自民党の中原でございます。
 資料の配付をお願いいたします。
   〔資料配付〕

○中原爽君
少し配付資料が多い数になりますけれども、一応右の上の方に資料番号が振ってございます。
 ただいま議題になっております医療法等の一部改正につきまして、関連の医師法、歯科医師法、薬剤師法、それから看護師関連の法律の改正点につきまして、大体同じ内容になりますので、歯科医師法を例に取りまして質疑をさせていただきたいと思います。
 資料の一でありますけれども、黄色のマーカーが入っておりますのが今回改正しよう、あるいは追加しようという改正の条文であります。
 まず、現行の法のことでありますけれども、第四条「次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。」と、与えないことがある。一から四まで号がありますけれども、関連のあるものは三号の罰金以上の刑に処せられた者、それから前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者、この三号と四号について免許を与えないことがあると、これが現行であります。
 これに関連いたしまして、現行の七条の二項、歯科医師が四条各号のいずれかに該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為のあったときは、厚生労働大臣はその免許を取り消し、又は期間を定めて歯科医業の停止を命ずることができると、こうなっております。これが、今度新しく改正になる予定の内容が次のマーカーの入った二項のところであります。「歯科医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、」、ここまでは同じでございます。「次に掲げる処分をする」ということで、処分の内容が三つに分けられたというのが新しい改正案であります。一、戒告、二、三年以内の歯科医業の停止、三が免許の取消しというふうにここが変わりました。変わっておりませんのは、品位を損する行為というところが変わりません。すなわち、戒告と三年とその部分が増えて、免許の取消しはもちろん現行と変わりがないという表現になります。
 それで、その下の方に七条の三項の新しい改正の条文があります。前二項の規定による取消処分を受けた者は、括弧書きがありまして、「(第四条第三号若しくは第四号に該当し、又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつた者として前項の規定による取消処分を受けた者にあつては、その処分の日から起算して五年を経過しない者を除く。)」であって、免許の取消しの理由となった事項に該当しなくなったときは云々と、こう書いてありまして、要するに免許取消しになった者は五年を経過しないと再免許の申請ができないと、一言で言ってしまえば、こういうふうな括弧書きになっているということであります。これが新しい形の改正案であります。
 それから、その下の方に、第七条の二になります。これは全く新しく新規に設定する条文でありまして、厚生大臣は前二項第一号若しくは第二号に掲げる処分を受けた歯科医師又は同条第三項の規定による再免許を受けようとする者に対し、歯科医師としての倫理の保持又は歯科医師としての具有すべき知識と技能に関する研修を受けるということですね。要するに、再教育と再研修を受けさせるということを厚生労働大臣が命ずると、こういう新しい条文が作られるということであります。
 したがって、倫理の保持という部分は、言うなれば、歯科医師としての品位を損する行為を行った者に対して倫理の保持にかかわる教育をする、再教育をすると、こういうふうに受け取っていいかと思いますし、それから医業、歯科医業の停止三年という意味は、三年以上医業の停止、歯科医業の停止を行いますと、今度復帰をする、いずれ復帰をするわけですから、復帰をしたときに現状の医学の進歩に付いていけないと。要するに、浦島太郎になってしまうというような状況であると、かえって復帰をさせるということが障害が起こるということでありますので、今までは期間を定めておりませんでしたけれども、今回は三年という期間を設定して、医業の停止、歯科医業の停止あるいは業務の停止を行う場合には三年を限度として、三年以内ということで業務の停止を設定しようと。その代わり、再教育と再研修を行うということであります。
 したがって、ここに書いてありますように、七条の新しい二のところに書いてありますように、倫理の保持というのは品位を損する行為に対して倫理的な教育を、再教育をするのかという意味になりますし、それから歯科医師としての具有すべき知識及び技能に関する研修と、こうなっております。
 歯科医師法の九条は歯科医師の国家試験の目的が書いてありまして、歯科医師として具有すべき知識と技能について試験を行うと、こうなっております。それと同じ意味で再教育をするについても、再教育の期間、後れを取らないように知識と技能を再教育、研修をしていくと、こういうことになるかというふうに思います。
 それと、一番最後の、ページの一番下の方でありますけれども、第七条の二の五項があります。前条十一項から十八項まで、十三項を除いて、規定は一項の規定による命令をしようとする場合について準用すると。この場合において必要な技術的読替えを政令で定めると、こうなっております。
 歯科医師法の政令というのは一条から八条まであります。ほとんど免許にかかわることが書いてあります。第一条が免許の申請、第二条が歯科医籍の登録事項、第三条が登録事項の変更、第四条が登録の抹消、第五条が免許証の書換え、それから第六条が免許証の再交付、それから第七条が免許証の返納、第八条が省令へ委任すると、こういうことになっております。
 したがって、この関係のところは、再教育をする、再研修をさせるわけですから、それについて再教育を受けたことをまた歯科医籍に登録をすると、こういう段取りになるわけであります。その関係のことが政令で読み替えるということでありますけれども、どうも技術的という言葉が入っておりまして、法令の条文で技術的というような表現が入ってくるというのは私余り聞いたことがありません。じゃ、技術的という範囲は何なんだと、こういうことになりますので、この辺も教えていただきたい。
 以上でありますけれども、繰り返して申し上げますと、品位を損する行為ということがあって、それを受けて戒告ということが出てくるのかもしれません。その関係と、品位というのは何なんだということ。それから、歯科医業の停止、業務の停止を三年に区切ったということは、私が申し上げたような理由でもって区切ったということでよろしいかどうか、これが一つ。それから、免許停止を五年経過しないと再免許の申請をさせないということについて、その五年の意味を教えていただきたい。
 それから、倫理の保持、再教育について倫理の保持という意味が品位を損する行為ということと関係があるのか、あるいは歯科医師として具有すべき知識と技能というのが再教育の中でどういうふうに行うのか。歯科医師と看護師と再教育の中身は違うと思うんです。それと、当該の者の年齢によっても違う。どういうような期間を取るのか、再教育の期間を取るのか、それと再教育の中身はどう考えるのか。それから、再教育を行う組織はどうなんだということ、このことについてお答えいただきたい。

○政府参考人(松谷有希雄君)
歯科医師法の改正につきまして、特に処分、再教育に関する各点についての御質問でございます。
 まず、歯科医師法第七条第二項に規定する品位を損する行為というものは一体どんなものなのかという問いでございますけれども、行政処分の対象となる歯科医師としての品位を損するような行為というのは、例えば不当に高額の報酬を要求したり、あるいは患者さんの貧富によって極端に診療内容が変わるような行為といったようなものが挙げられると思います。また、例えば、わいせつ行為等の歯科医業とは関係のない行為で有罪となった場合、これも品位を損する行為ではありますが、この場合は歯科医師の職業倫理の観点からも問題となるわけですけれども、こういうような者については罰金以上の刑を受けた者として処分されますので、そちらの条項で行政処分が行われるということになろうかと思っております。  歯科医業の停止期間について今般の改正で上限を設けて、その期間を三年としたということについての問いでございますが、現在、歯科医業の停止期間の上限というのは運用上、五年を上限として運用されているわけでございます。この歯科医業の停止につきましては、先生今御指摘のとおり、長期間の歯科医業停止は歯科医業の再開をするに当たりまして技術的な支障となる可能性が大きく、医療の質と安全を確保するという観点から問題があるということ、あるいは歯科医師の権利を制限する処分の内容はできるだけ明確に法律に規定しておくことが望ましいといったようなことなどによりまして、今回の法改正におきまして歯科医業の停止期間に上限を設けることといたしたところでございます。
 また、歯科医師の免許取消しの処分をした後、五年を経過しない者について再免許を与えないということを今回の改正で明確にしたところでございますけれども、その理由についてのお問いがございました。
 歯科医師免許の取消処分を受けた者に対する再免許につきましては、処分後の事情によりまして免許を再び与えることが本人の状況等に照らして適当と認められるときに限って交付するということとしてございまして、現在でも医道審議会の審議を踏まえまして慎重にその可否を決定しているところでございます。
 しかしながら、現行法の下では免許取消処分から再免許付与が可能となるまでの期間を明記しておらないということから、制度上は免許取消処分から極めて短い期間しか経過していないにもかかわらず、再免許を申請することが形式上は可能となってございます。実態として、そういうことは近年はほとんどございませんが。このため、再免許に係る行政手続を明確化する観点から、今回の改正では再免許の付与に係る最低経過期間を法律上明記するということといたしたところでございます。
 また、今回の改正で導入をいたします再教育研修の関係で、倫理の保持、いわゆる倫理の研修、それから具有すべき知識及び技能、技術の研修におけるその内容、考え方についての問いでございます。
 お尋ねのとおり、今回の歯科医師法改正案におきましては、行政処分を受けた歯科医師に対しまして再教育の受講を命じることができる旨の規定を設けておりまして、あるいは免許取消しを受けた者が再免許を付される際にもこれを受けることを命ずることができる旨の規定を設けてございまして、この内容につきましては職業倫理に関する研修、倫理研修と医療技術に関する研修、技術研修等を受講させることといたしてございます。
 個々の処分を受けた方が受けるべき研修の具体的な内容は、その被処分者、処分を受けた方の状況に応じて、助言指導者の助言などの下に作成をされます研修計画書の内容が適切なものであると厚生労働省が認めることによって決定されるということになりますが、その内容につきましては、現時点におきましては、倫理研修として社会奉仕活動や教育的な講座を受講していただくこと、あるいは技術的研修といたしましては専門的な知識、技術を有する歯科医師による被処分者への教授等を想定しているところでございます。
 なお、先生御指摘の中で、倫理研修につきまして品位を損する者についてこれを行うのかという内容のお問いがあったかと思いますが、必ずしもこれには限らず、品位を損する行為によりまして処分を受けた方については当然倫理研修を受けていただくことになると思いますが、罰金以上の刑の中にも倫理的な面は入る場合も多いと思いますので、倫理研修につきましても、それぞれの人の処分の状況によりましてこれらの両研修を受けていただくことが多いかと思っております。
 再教育研修をどういったところで行うのかという問いでございますが、再教育の内容は、今申し上げましたとおり、助言指導者の助言等の下に作成されました研修計画書が適切な内容であると厚生労働省が認めることによって決定されるものでございますが、被処分者の置かれた状況によって変わり得るものというふうに考えておりますので、必ずしも全員が同じ内容の研修を受けるわけではございませんが、現時点では倫理研修につきましては助言指導者やあるいは医療関係団体、社会奉仕団体といったようなところ、それから技術研修につきましては、処分の原因となった医療事故の分野において実績を持つ医療機関あるいは歯科医師などが実施すると。そういうものを一定程度受けることによって再教育を修了することになるというような内容にいたしたいと考えております。

○中原爽君
ありがとうございました。
 限られた時間でありますので、次の資料の二の一をごらんいただきたいと思います。
 真ん中より下のところに四月一日から施行になりました十八年度の診療報酬改正につきまして、新しく〇科疾患の総合指導料というのが新設されまして、点数としては百三十点でありますけれども、特に初診時に治療内容、初診時ですからこれからどういう治療をするのかという、その治療内容につきまして患者さんに説明をすると。その説明が終わりまして、患者さんがその説明の内容を理解したということで、患者さんに署名、サインをしていただくということになりました。これはイとロがありますけれども、詳しくは説明しませんけれども、要するに初診のときの説明に対して患者さんが了解をしたということの患者の自署、サインをしてもらうということになっております。それと、△里箸海蹐蓮⊇蘓任ら三か月か何か経過をいたしました後に、その疾患について更に継続の診療をしていくということについて説明をし直して、その説明、継続をするということについて患者さんの了解を求めてサインをもらうと、こういうことになっているわけであります。
 都道府県の歯科医師会の顧問弁護士の方々から、これは診療契約に当たるんじゃないかと。要するに、初診時にこれからの治療計画を説明して、じゃ患者さん了解したと。そうすると、サインをしてもらう。そのサインが診療契約書になるんじゃないかと、こういうことを弁護士さんが言ってこられたわけであります。
 上半分、この資料の上半分に神戸地裁と東京地裁の判例があります。原告と被告の間に準委任契約が成立したか否かの点について、通常は患者さんが病院を訪れて、この病気で病的状態を医学的な解明を求めて、これに対する治療法があるなら治してくれと。じゃ、医者の方はそれじゃお引き受けして治しましょうということの診療契約があると。これは病気ですから、治そうと思っても治らない場合があるわけであります。したがって、これは純粋の委任契約じゃないんだと、準委任契約の更に事務処理を目的としたものであって、それが医療の契約であるということになっているわけである、そういうことになっているということでありまして、東京地裁の方は片仮名の古いものでありますけれども、該診療方法が結果において何ら当該疾患の治癒に効果なくして終わりたるとしてもこの点につき医師として甚だしく注意を欠如したるによるにあらざるに限り医師として疾患治療の依頼に対し債務の本旨に従いてこれを履行なしたるものと言わざるべからずと、こういうことでありまして、善良な管理者の注意義務をもって一生懸命病気を治そうと努力をしたと、しかし、患者さん、結果的に治らなかったということがあっても、これは甚だしくその医師としてのこの依頼に対してきちっとした善管注意の業務をなしたということであれば、患者さんが結果的に病気が治らなくてもこれは致し方ないと、こういう判例になるわけであります。こういうことで弁護士さんも大分心配されております。
 次の資料の二の二でありますけれども、これが今回厚労省がお出しになった、左の上の方に別紙の様式2というのでありまして、初診のときに、初診、これからですね、一番上に主訴があって、初診日があります。それから、治療計画と指導内容があって、ここに治療計画、どういう計画で歯科疾患を治すかと。それから、治療期間どのぐらい掛かりますかと、それから何回ぐらい通っていただきますかということも全部説明すると。で、この一番下の方に、私は上記の説明を受けて一連の治療計画に基づくこの総合指導に同意をするということで患者さんはサインをするということになるわけです。
 これは、今申し上げたように、弁護士さんから見れば、これ治療計画書じゃなくて診療契約じゃないのかということになります。もしここに患者さんがこの当初、初診のときにこの計画を教えてもらったけれども、結果的に別の形になってしまったと、約束が違うじゃないかと、こういうことになって訴訟問題が起こるという可能性があると、こういうことであります。
 したがって、もう一枚めくっていただきますと、資料の二の三がございます。これは古いかかりつけの歯科医師の治療計画の説明書でありまして、もちろん当時は患者さんにサインをしてもらうということはやりませんでした。これは私が歯科医師会長だったときの出した資料でございます。一番下のところをごらんいただきますと、注の1と注の2があります。「病名等は、現時点で考えられるものであり、今後治療を進めていくにしたがって、変わり得るものである。」と。それから、注の2は、治療回数、治療期間については現時点で予想されるものであって、それは三回で治りますと言っても五回掛かるかもしれないと、こういうことになりますね。そういう注意書きを入れました。
 したがって、前のページの資料の二の二の、今回の厚労省の別紙様式の2にもこの注の1と注の2を入れたいと思うんですよ、私は。入れた方がいいと思います、患者さんにとっても、医療側にとってもですね。入れるということについて、厚労省、どういうお考えを持っておられるのか、これが一つ。
 それから、この歯科疾患総合指導料の説明文書というのが、説明を受けたということについてのこの了解のためのサインであって、これは診療契約じゃないんだということをおっしゃるのであれば、それは弁護士さんから問い合わせがあればきちっと厚労省の方でお答えいただくのか、この二点、お願いいたします。

○政府参考人(松谷有希雄君)
先ほどの再教育の問いで一つ答弁をし忘れてございましたので、御答弁申し上げます。
 再教育研修を規定する歯科医師法第七条の二第五項における技術的なものというものの趣旨でございますが、この再教育命令は行政手続法上でいいますと不利益処分に該当いたしますので、命令の発出に先立ちまして弁明の機会を付与する必要があるわけでございまして、この歯科医師法第七条の二第五項は、この弁明手続を各都道府県知事に行っていただくことができる旨及びその処分の手続を定めると、そういう規定でございまして、ここで言う技術的なというのは法技術的な観点からの規定の整備ということでございます。

○政府参考人(水田邦雄君)
ただいま委員の方から歯科疾患総合指導料、それから歯科疾患継続管理診断料についてのまず様式についての記載の内容について御質問があったわけでございます。
 私ども、この患者に交付する文書の様式を定めておるわけでありますけれども、これは患者に対して情報提供を行うべき基本的な内容、これをお示ししたものでございまして、実際に患者に文書を交付するに当たりましては、厚生労働省において示している様式だけでなく、これに準ずるものを使用していただいても差し支えない旨、これも明記をしているところでございます。例えば、治療の過程で当初の治療計画から変更になることが想定されるような場合には、その旨の注記をするということは差し支えないものと考えてございます。  それからもう一つ、この文書の法律的な性格ということでございます。
 私ども、この指導料、診断料につきまして治療計画等につきまして患者に文書で交付する、それから当該文書に患者の自署による署名を求めるということとしてございますけれども、これは患者に対します十分な説明と、これに基づく患者の同意というものを確認するための言わば手段として求めているものでございます。
 一方で、医療機関と患者の間の契約、診療契約でございますけれども、これは診療という形の医療サービスの提供そのものにありまして、文書同意そのものには診療契約としての性格はないと、このように考えてございます。
 もう少し申し上げますと、診療契約につきましては、先ほど判例も紹介されましたけれども、一般には民法上の準委任契約又は委任契約に近い契約という学説が有力でございまして、この民法上の委任契約、それから準委任契約につきましては、これは契約の当事者の意思の合致をもって成立すると、言葉としては諾成契約と言っておりますけれども、こういうもので特に契約文書が必要であるとは一般に解されてないわけでありまして、私どもはそのように解釈しておるところでございます。

○中原爽君
ありがとうございました。
 御説明によりまして、別紙の様式2号の説明文書については、これに準じたものであって、先ほど申し上げた資料の二の三の注の1と注の2が書かれてあっても一向差し支えないと、こういうふうに理解してよろしいかと思います。
 それから、診療契約につきましては、もちろん契約書を今まで取り交わしたというようなことで診療が進んでいたわけじゃありませんけれども、司法の、法律判断によれば、先ほど申し上げた神戸地裁とか東京地裁の判例が出てくるということであります。したがって、今御説明のこの別紙2号様式の説明文書は、要するに初診時の説明文書を理解したということのサインをしていただくという意味であって、契約書ではないと、診療契約書ではないと、こういうふうに理解してよろしいわけですね。はい、分かりました。
 それでは、次の資料の三でございますけれども、この厚労委員会の先生方、実は少子高齢社会の調査会のメンバーと大分皆さんダブっておられる委員が多いわけでございまして、調査会の清水嘉与子会長もおられるわけでございます。そんなわけで、この専業主婦がパートタイマーで行っておる状況と年金の制度との関係をお尋ねしたいと思います。
 時間限られておりますのでくどくど説明申し上げませんけれども、資料の三の横軸は、パートタイマー、専業主婦ということにしてパートタイマーでありますけれども、年収であります。年収が百三十万を超えますと、国民年金の三号被保険者であった専業主婦が今度は国民年金の一号保険者で該当することになってしまいまして、要するに保険料を納入しなければいけない、こういう状況になります。年収が百三十万を超えた場合であります。
 それからさらに、百万円を超えた場合には、専業主婦御本人が住民税を払うと。これは市町村と都市の県と二種類あるわけでありますが、合わせて住民税と言っておりますが、これを払うということが起きてまいります。
 それからさらに、百万円を超えて百三万円を超えるということになりますと、今度は所得税が掛かってくると、こういうことになっております。
 それから、百三万円を超えて百四十一万円までの間は、今度は配偶者、どちらかといえば配偶者控除は夫の方が受けられるという制度があるということになっておりますが、大体こんなことで、これ以上詳しくは申し上げませんが。
 縦軸の方は、今度は労働時間が取ってありまして、法定の労働時間は大体一週間四十時間を超えないと、こういうことになっておるわけでございますので、その一か月の所定勤務の日数が一般的な正社員の労働時間の四分の三を超えてしまうということになりますと、今度は国民年金の三号被保険者の専業主婦は厚生年金に加入せざるを得ないと、こういう状況になるわけであります。これが二号被保険者と言っている、いわゆるサラリーマンの形になるということであります。これは年収が百三十万を超えていようがいまいが、労働時間が四分の三を超えた場合にはこっちの二号被保険者の方に移行してしまうと、こういう制度になっておるわけです。
 今回お聞きしたいのは、平成十六年の年金法の改正のときに、この四分の三を更に引き下げて二分の一に下げたらどうかということが審議をされまして、五年間猶予期間を置いてもう一度見直そうということになっています。それからもう一つは、このたび別の形の、内閣府の方で、内閣府というよりも別の諮問機関がございまして、二十六日でございましたか、答申案、報告書を出しまして、その報告書の中にも、手っ取り早く申し上げると、この四分の三を二分の一までに引き下げたらどうかという報告書の案が出るというふうに伺っております。こんなことで、これを引き下げていくということの問題点があるわけであります。
 私どもは、先般、この年金の関係につきましてマクロ経済スライドというものを導入しまして、そのときのスライドの条件としては、平均余命の伸び率とそれからこれからの現役加入者の減少率、これを掛け合わせて、それから更に〇・九を差っ引くということで、高齢者の年金の支給率、給付率を現役世代の五〇%までは確保したいと、こういうことでやってきたわけでありますけれども、問題なのは、やっぱり現役加入者の減少ということなんですね。歯止めが掛かんない。今回の社会保険庁のいろいろな問題もこういったところに原因があると思うんですが、私はその質問をするわけではございませんけれども。
 そういう意味で、このパートタイマーとかこういった人たちの労働時間を変える、法的に変えていくということ、それから年収の問題、こういったことをきちっと整理をしていかないと、何でマクロ経済スライドをやったんだということなんですよ。平均余命の延びというのは、これ高齢社会ですから、これはどんどん延びていくでしょう。しかし、現役加入者の減少というのは、少子社会ですからね、この少子の歯止めが掛からない限り、このマクロ経済スライドというのはどんどん高齢者にとって不利な数字しか出てこないわけです。だから、年金制度を基本的に変えようと、基本的に何とかしようというところは、本当の基本は少子社会を改善するということに尽きるんですよ。私はそう思っております。
 ですから、私どもはこの少子高齢社会に関する調査会、今一生懸命やっているわけなんですけれども、やはりこの少子化に歯止めを掛けるということが年金問題を安定化させるという一番の原因だと思うんですよ。そのことを基本に考えないで、単にパートタイマーの労働時間、四分の三を二分の一に下げたらどうかと。そうすれば、それは厚生年金の加入者は増えますよ。だけど、基本的には年金制度の改善にはならないんじゃないかということを私は申し上げたい。この点について御意見を伺いたい。

○政府参考人(渡邉芳樹君)
ただいま委員御指摘のとおり、去る平成十六年の年金改正におきましては、それに先立ちまして、社会保障審議会の年金部会等の議論を経た上で厚生労働省案を出し、そして与党でも御議論をいただいて、法案の形にして成立を見さしていただいたわけでございますが、そのプロセスをちょっと振り返ってみますと、年金部会における御答申というのは、雇用保険の適用基準を考慮してこの短時間労働者の厚生年金適用基準を考え直してはどうかという御議論がございました。それに先立つ研究会等におきましては様々なファクター入れられておりましたが、年金部会におきましては、併せて年収基準というものも見直してはどうかという意見があった旨記されておるところでございます。平成十五年十一月に発表した厚生労働省案では、今御指摘いただいたように、週所定労働時間が一般の半分程度の二十時間以上の者までを基本として適用を拡大する案ということでございましたが、具体的には、法案としては、施行後五年を目途として、総合的に検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるべきものとすると、こういうこととなったわけでございます。
 また、先ほどお触れになりました去る二十六日に取りまとめが行われました官房長官の下に置かれた社会保障の在り方を考える有識者懇談会の報告におきましても、パート等の労働者の社会保険適用あるいは年金適用の在り方について検討を更に進めるよう指摘がなされているところでございます。
 そもそも、この問題につきましては、御指摘ありましたように、様々な側面でこの問題は重要な課題であるということを種々指摘されておるところでございます。一つは、被用者としての年金保障を充実させるというストレートな観点もございますが、家族の働き方や雇用形態の選択に中立的な年金制度を目指していくべきである、こういう考え方、あるいはパート労働者など短時間労働者を多く使う事業者とそうでない事業者の間の事業主負担の不均衡という問題を公平化するという点も大事であるということなどございますが、今日的にいえば、正規労働者と非正規労働者の処遇の格差、相互転換の困難性等々を放置するということについてどう考えるか、そういう皆保険、皆年金の前提となる社会連帯の弱体化ということにつながらないか、こういうような御指摘も各方面からいただいておるわけでございます。  そういう中で、今委員おっしゃられたように、そもそも厚生年金という被用者年金におきまして、就業形態の多様化、それが例えば正社員比率の低下ということに伴いまして全労働者数に占める厚生年金被保険者数の割合が人口減少の割合以上に減っていくというおそれはないのかと、こういうような側面からも議論がなされてきて、被用者年金を支える支え手の確保という観点も大事であろうと言われておるわけでございます。
 しかし、御指摘のそのマクロ経済スライド自身は、国民年金の被保険者数も含めて全体の被保険者数というものを指標といたしましてそのスライド調整率というものを設定していくということにしておりますので、独り被用者年金制度の被保険者数だけをメルクマールにしているわけではないという点だけは補足させていただきたいと思いますが、御指摘のとおり、全体としての人口構成あるいは雇用市場の変化というもの、そういうものが一番年金制度にとって重要なファクターであるということ、ほかにも重要なファクターがございますが、重要なファクターの一つであるということは確かでございます。

○中原爽君
時間がなくなりましたので、今お話の出ました契約社員であるとかアルバイターあるいはフリーターの質問は割愛をさしていただきまして、次の機会にお願いをしようと思います。
 御指摘のございましたこの少子化という問題については、やはりこの少子化をどう改善するかということについて、専業主婦という、夫婦単位ということであれば夫婦単位に掛かる所得税課税の方法ですね、これを現在、二分の二乗方式とか、そういうことで提唱されてきておりますけれども、これは財務省にかかわる税制上の問題でありますので、厚労省にお聞きする問題ではないかもしれませんので、今回は申し上げないということにしようかと思います。またの機会がございましたらお願いをしたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-02-24 (日) 13:52:47 (3621d)