Top / 164 参議院 行政監視委員会 7号 平成18年06月12日

○中原爽君
自由民主党の中原でございます。
 まず、環境省関係で質疑をお願いしようかと思います。
 去る五月二十九日開催いたしました本委員会で、総務省からいろいろ各行政部門に対しまして御指摘がございました。こういうふうに書いてございます。特に大気汚染につきましての指摘でございますが、本評価は、自動車から排出される窒素酸化物及び浮遊粒子物質の汚染状況が著しい地域に対し、各種施策を総合的に推進することにより、大気環境の保全、確保を図ることを目的とする云々と、こうなっておりまして、幾つか項目を挙げておられます。それについて関係の四省庁に御指摘をされたと、こういうことでございます。
 最初のものは、長期間にわたり大気汚染基準が達成されていない地域での有効な汚染対策が検討されていない、これを検討をし直せと、こういうことが一つ。二番目に、排気ガス基準に適合しない自動車の対策地域外から流入するということの対策について検討をしろと。大まかに申し上げるとこの二つを四省庁に指摘をしたと、こういうことになっておりまして、これを受けて二十九日には環境省からコメントがございまして、したがって総務省からの御指摘の内容と環境省のお答えというのは必ずしも一致していない部分があるように見受けられます。
 環境省からの回答は、この窒素酸化物とそれから微粒子の、粒子の規制につきます特別措置法、自動車NOxとPM法、これの対策地域の沿道の大気基準達成率というのが、二酸化窒素については平成十四年が六九%だったけれども平成十六年は八一%に改善されたと。それから、粒子物質についても平成十四年は二五%であって十六年には九六%に改善されたと、こういうふうに報告書に書かれておるわけですが、この点について、この数値の出どころをお尋ねしようと思っておったわけですが、数値は出ているというような御指摘もありましたけれども、実は粒子状物質の平成十四年が二五%になっているんですが、これは実際は二五%ではない、三四・三%ではないのかと思いまして、したがって、この八一だとか九六だとか、こういう数字はどこから出てきたのかということをもう一度確認をさせていただこうということが一つでございます。
 それからもう一つの質問は、これは総務省の資料に書かれておるんですが、自動車を三十台以上使用する運送業者に対しまして自動車使用管理計画を作成してこれを提出するという、義務化しているわけでありますけれども、この自動車使用者、運送業者も含めて、特に貨物自動車の運送業者の三割がこの計画を出していない、提出をしていないということが書かれてありまして、これは罰則を伴う規定というか、義務化でございますので、この辺り改善をしろという総務省の御指摘でありますけれども、実態は今どうなっているのかということと、この自動車運送事業者以外にいろいろな、三十台以上持っていればこの規則に該当するということがありますので、こういったところの状況について、まず簡略に御説明いただきたいと思います。今、二点でございます。

○政府参考人(竹本和彦君)
ただいまお尋ねのまず第一の点でございますが、大気汚染状況、全国の監視、常時監視というのを地方公共団体、都道府県中心にやってきておりまして、その総合的取りまとめを毎年環境省の方で取りまとめをしているところでございます。この常時監視は大きく二つの種類の測定局に分類をしておりまして、道路の沿道、自動車の影響を受ける道路沿道については自動車排出ガス測定局というのを設けておりまして、それ以外の住居等一般の大気を観測をする一般環境大気観測局、この大きく二種類に分かれております。
 また、先生御指摘のとおり、首都圏など三大都市を対象としまして特別の自動車排出ガス対策を行っております。自動車NOx・PM法というのがございまして、これの対象となる対策地域、これらに焦点を当てまして集計に当たりまして整理をさせていただいたところでございます。先般環境大臣の方からこの委員会の方に御説明を申し上げたのは、この全国調査に基づくものでございまして、平成十六年度の常時監視の測定結果に基づくものでありまして、自動車NOx・PM法の対策地域で、かつ自動車沿道の自動車排ガス測定局に限って二酸化窒素と浮遊粒子状物質の達成状況につきまして御報告をいたしました。
 具体的には、NO2につきましてはこの分類の中で二百十七局ございまして、そのうち百七十六局が環境基準を達成をしておるということで、平成十六年度につきましては八一%の達成、また浮遊粒子状物質につきましては対象が二百六局のうち百九十八局が環境基準達成でございまして、そういうことから達成率九六と御報告申し上げたところでございます。
 続きまして、自動車使用の管理計画の対応状況でございます。
 自動車NOx・PM法に基づきまして、御指摘のとおり、対策地域内におきまして三十台以上の自動車を使用する事業者に対しまして、事業活動に伴う窒素酸化物などの排出抑制のための計画の策定、提出を義務付けておるところでございます。
 平成十五年度末の状況でございますが、この法律の対象となる八都府県におきまして約七千五百事業所の提出を見ているところでございます。この提出を受けます都府県等におきましては、制度の目的に従いまして事業者による自主的な取組を促すとともに、技術的な指導など実施をしておるところでございます。
 以上でございます。

○中原爽君
御説明いただきました点で、先ほど申し上げましたけれども、浮遊粒子状物質の平成十四年度、二五%というふうに記載されておりましたけれども、実際は三四・三%じゃないかということをお尋ねいたしました。後ほどで結構ですから、一応、環境省として提出された文書で数値的なことでもし誤りがあるといけませんので、御確認をお願いしたいと思います。
 あと二つほど簡単にお尋ねしようと思いますけれども、総務省の指示の中で、大気中の化学反応による二酸化窒素の生成過程など大気汚染発生のメカニズム解明に努めるということが必要だと、こう書いてございまして、恐らく、各自動車に設置するような窒素化合物の除去の問題ではなくて、大気汚染発生にかかわる二酸化窒素のメカニズム、これを解明しろと、こういうふうに書いてありますので、恐らく大学等の研究施設で研究しろというようなことかと思いますけれども、これ実際にどういう形に今なっているのか、概略御説明いただきたいと思います。いかがでしょう。

○政府参考人(竹本和彦君)
ただいま御指摘をいただきました大気汚染の発生メカニズム、とりわけ二酸化窒素の生成プロセス、メカニズムにつきまして、大変重要な課題ということで、私どもかねがね各種の知見の集約に努めてきたところでございます。
 道路沿道におきます二酸化窒素の生成のプロセスというのは大変複雑でございまして、その幾つかのエレメント、自動車から直接排出されるもの、また大気中におきまして一酸化窒素とオゾンの反応により生成をされるもの、さらには光化学反応により生成され一酸化窒素が酸化をされて二酸化窒素になると、こういうような動態がございまして、これらについては既に一般的な見解ということで解明されておるところでございます。
 しかしながら、一方で、自動車等から直接排出される窒素酸化物のうち、走行状態に応じました二酸化窒素の排出量の変動、また大気汚染物質の反応速度、これらの点につきましてまだまだ研究を進める部分があるというように考えておりまして、実は、大学の研究者も含めまして、この大気汚染のメカニズムにつきましては、独立行政法人国立環境研究所というのがつくばにございまして、こういった研究機関を中心にこのようなメカニズムの解明に努めておるところでございまして、環境省としましても、こういった研究がなお一層進むように、生成メカニズムの更なる解明に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

○中原爽君
ありがとうございました。
 あと一点、現在、幹線道路あるいは高速道路のバイパス等でETCであるとかいろいろな道路交通の通信システムが取り入れられているわけでありますし、先般は民間によります駐車違反の取締りと、こういったことも系統的に整備されるようになりました。
 しかし、この大気環境を保全をするということについては、こういう道路の状況の整備と併せて、もちろん自動車そのものの整備を、整備というか排気ガス等の規制を行うという両方の対策を併せて総合的に考えるということが必要だと思います。
 これは環境省だけの問題ではございませんけれども、概略、総合的に今後どういうふうに考えたらいいか、概略だけで結構ですから、御説明をお願いいたします。

○政府参考人(竹本和彦君)
ただいま委員御指摘のとおり、大気環境の保全のためには、個々の自動車からの汚染を低減させます自動車の単体対策と、そして道路におきます交通流でありますとか交通量の対策、これらを総合的に組み合わせて実施することは大変重要であると私ども認識をしております。
 自動車単体の対策について申し上げますと、我が国は世界最高水準の規制を導入し、また、更にこの強化に努めてまいりたいと考えております。自動車NOx・PM法によります車種規制というのを特別にまた導入しておりますし、低公害車の普及推進も図っておるところでございます。
 一方、交通量・交通流対策としましては、先生御指摘のとおり、国土交通省を始めとする関係府省と密接な連携を持ちまして、モーダルシフトや共同配送の推進、公共交通機関の利用といった交通量対策、さらには交差点及び踏切の改良、違法駐車の取締り等々交通流対策に取り組んできたところでございます。
 いずれにしましても、自動車の単体対策と、そして交通量・交通流対策が相まって環境改善効果をもたらすということが極めて重要でございまして、私ども環境省としても、関係する府省と更なる密接な連絡を取りながら対策に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

○中原爽君
ありがとうございました。
 それでは、環境省関係につきましては、以上、質疑を終わらせていただきたいと思いますが、私以外に御質疑の先生方で環境省をお呼びになっておられる方はおられないようでございますので、できれば、委員長、大気環境局長、竹本局長に御退席していただいて結構だと思いますので……。

○委員長(荒木清寛君)
では、環境省、御退席ください。

○中原爽君 ありがとうございました。
 それでは、引き続いて厚生労働省関係の質疑をお願いしたいと思います。  先日、例の合計特殊出生率一・二五の騒ぎがありまして、六月の一日から三日ぐらいの間、いろいろ日刊紙にも取り上げられた経緯がございます。それで、六月三日の日刊紙にはこういうふうに書いてありまして、平成十七年度の合計特殊出生率が前年度を大きく割り込み、五年続けて過去最低を更新し、出生率一・二五ショックを来したと。すなわち、少子高齢化の中で、少子化は、社会の活力を失うばかりか、年金、介護、医療といった社会保障制度に大きな影響を与えると。特に年金は、将来の人口推計をもって制度設計をされているから、より深刻だと。現在の年金制度は、平成十九年に一・三〇の出生率、合計特殊出生率で下げ止まる、四十四年後には一・三九まで回復するという前提に立ってこの年金制度を設計したんだと、これは狂っているんじゃないかと、こういうような報道が行われております。  この意味で、もう一回、この合計特殊出生率の統計的な計算方法を確認をしたいと思います。二種類あるようでございますけれども、期間合計というやり方、それから世代別コーホートというやり方、二種類あるそうでございますけれども、この辺り、概略で結構ですから簡単に御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(桑島靖夫君)
このたび公表いたしました平成十七年の合計特殊出生率一・二五という数字でございますが、これは十七年におきます十五歳から四十九歳の女性の年齢別の出生率を合計したものでございまして、どの年齢の女性の人数も同じとした場合の平成十七年の出生率でございます。こういう合計特殊出生率でございますけれども、これ現在、晩産化が進行している最中でございますので、出産を終えた世代の高年齢時における低い出生率と、それから晩婚化、晩産化により出産を先送りしている世代の若いときの低い出生率の合計となっておりまして、実際に一人の女性が一生の間に産む子供の数というものよりも低く表れているというふうに考えております。
 それでは、実際に一人の女性が一生の間に産む子供の数というのはどういうふうに計算するかといいますと、ある年に生まれた女性の各年齢における出生率を過去から積み上げたものというふうな計算の仕方をします。
 例えば、平成十七年におきます三十五歳から三十九歳の世代の方々につきまして、これまでの出生率は約一・四八というふうな数字となっておりまして、最終的にこの世代の方々が一生の間に産む子供の数は一・五を上回る見込みというふうに考えております。

○中原爽君
御説明いただきました。
 結局、十五歳から四十九歳までの日本の女性、一言で言ってしまえば出産可能という世代ということになります。三十五年間掛かるわけですね、十五歳から四十九歳まで。ですから、その各年代ごとに、今年の、いつでもいいんですけれども、十五歳の年代で何人今子供がいるかという、これはまあ簡単な意味での期間合計のようなものだと思うんですけれども。しかし、十五歳の女性が今人口的に何人いるかということは抜きにして、十五歳の年代が何人子供を今持っているかと、こういう考え方が期間統計だと思いますけれども、それではなくて、やはり世代別というコーホート方式だと、要するに三十五年間の積み上げの数字を出すと。
 こういうことで、結局、今の時代ですと、お子さんを二人持つ、三人持つということはだんだん減っておりますから、そういう意味と、それと四十九歳の人口が何人いるかということもかみ合わせていろいろ考えていかなきゃいけないので、結果的には、期間合計と世代別の統計処理は数値一致しないという場面が出てくると、こういうふうに理解してよろしいわけですね。
 それでは次、この関係で、今まで厚生労働省、平成七年からエンゼルプランを積み上げてこられたわけなんですけれども、いろいろ対策をやってこられましたけれども、これを効果はないと言い切ってしまうとまた語弊がありますけれども、今までいろんなことをやってきたんですが、大体この少子化対策はどの程度積み上げてきたかという、簡単で結構ですから御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(北井久美子君)~  政府がこれまで取り組んでまいりました主な少子化対策ということでございますが、今御指摘がございましたように、これまで政府におきましては、平成六年末に策定いたしましたエンゼルプランや平成十一年末に策定いたしました新エンゼルプランに基づいて、まず保育関係の事業を中心に具体的な目標を掲げ、保育所における低年齢児受入れ枠の拡大や、延長保育の促進、ファミリー・サポート・センターの整備など、子供を産み育てやすい環境づくりに向けて計画的に取り組んだところでございます。
 その後、新しい新人口推計の発表を受けまして、もう一段、少子化の流れを変えるための取組を推進をすることになりまして、平成十五年には次世代育成支援対策推進法と少子化社会対策基本法が国会で成立をいたしました。現在は、この次世代育成支援対策推進法に基づきまして、各地方公共団体や企業にも次世代育成支援のための行動計画の策定を義務付けまして、取組を進めていただいているところでございます。
 また、少子化基本法に基づく大綱の具体的実施計画でございます子ども・子育て応援プラン、これを平成十六年末に策定をいたしまして、これまでの保育中心であったエンゼルプランとは異なりまして、若者の経済的な自立、それから働き方の見直しや両立支援、それから地域の子育て支援など、各般にわたる施策を具体的な目標を掲げまして総合的に進めているところでございます。

○中原爽 御説明ありがとうございました。
 それで、このたびの政府では新たな少子化対策の骨太方針をこの六月に策定するということの予定のようでしたけれども、もう会期末でございますので、七月にずれ込むというようなことも聞いております。
 ただいま御説明いただきました各種の少子化対策積み上げてきたということですが、しかし一・二五は二五になっているという状況でありますので、社会保障制度や子育ての支援、あるいは将来の人口推計の在り方、合計特殊出生率も含めて、厚労省としては概略今後どういうふうに考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

○副大臣(赤松正雄君)
今、中原委員御指摘ありましたように、この出生率一・二五という問題については、極めて日本のこれからに大きな影響を与えるということで、深刻な認識を持っているわけでございます。特に少子化対策につきましては、できるだけというか、あとう限りの努力をいたしまして、今月中に新たな少子化対策を作成すべく、今少子化対策に関する政府・与党協議会で政府・与党一体となってそういうまとめる議論の最終段階に入っていると、こういうことでございまして、厚生労働省としましては、そうした結果を受けて、先ほど局長の方からこれまでの少子化対策についての取組を申し上げてまいりましたけれども、更にしっかりとしたものを構築していきたいと、そう思っております。
 それから、新人口の推計でございますが、年金財政の再検証とかあるいは社会保障の長期推計の基礎数値になるものとして極めて大事なものでございますが、この新人口推計につきましては、さきに行われました国勢調査の結果を踏まえまして、この六月辺りに平成十七年国勢調査の速報値が出ると、そして国勢調査の確定値が大体十月ごろという形になっておりますので、そうした統計調査を基にした分析をしていかなくちゃいけないということで、その方向性の中で社会保障審議会の人口部会をこの平成十八年六月三十日、今月の末、六月三十日に立ち上げまして、当面月一回、専門家による会議、調査審議というものをやっていって、先ほど申し上げましたようなそういう新人口推計の作成については、できれば年内、通常でいくと来年の頭とか一、二月ということですが、できるだけ早くお願いをして年内中にこの人口推計の結論も出していっていただきたい、そんなふうに考えておる次第でございます。

○中原爽君 ありがとうございました。
 常識的に人口動態とか人口数の数値を推定するというのは、素人考えですと随分正確に出るものじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、実際には上位、中位、低位にしろ、大幅に予想が狂うという面があるようでございますので、特にこのことを含めて、年内には厚生労働省として御検討いただくということでございますので、是非お願いをしたいと思います。
 それと、先ほど新聞論調、日刊紙論調にも出ておりましたように、年金問題とこの少子化について、今副大臣概略お答えをいただいておりますけれども、私どもが以前マクロ経済スライドということで年金制度を立ち上げる格好をしたわけでありますけれども、そのときはこういう状況でした。
 当初の給付増加率から現役加入者の減少率と平均余命の延び率を勘案して、年平均〇・九%を差し引いて伸びを抑制すると、こういう概略な考え方であったわけでありますし、このマクロ経済スライドのモデル年金制度で、将来の高齢者に対する年金の給付水準は現役の年収の五〇%以上は確保しようと、こういうことでございました。それで、当時の厚生労働省のお考えでは、モデル年金の水準は緩やかに下がって二〇二三年以降は五〇・二%ぐらいで下げ止まると、それ以上は下がらないと、こういう予定でありました。しかし、これは二〇〇二年、もう過ぎましたけれども、二〇〇二年に合計特殊出生率一・三二という計算でありまして、これが一・三九へと回復して、経済も順調な基準係数で推移をするということであれば、出生率が一・一〇へと下がって、それから経済の悪化するケースという場合という、いろいろ想定をしてきたわけなんですけれども、現在一・二五ですから、これが一・一〇へと下がるということと、あるいはもっと経済が悪化するということであれば、高齢者に対する年金の支給水準というのは五〇%を割ると、こういうことになるわけであります。そういうことにならないように、この一・二五の数字を踏まえて対応をしていきたいと思いますので、是非、これ厚労省だけの問題ではございません、関係の政府全体としての少子化対策ということにつながるわけでございます。ひとつよろしく対応をお願いしたいと思います。  もう一点でありますけれども、これも六月三日の日刊紙辺りで、この合計特殊出生率、全国の状況を見ると、一番数字的に高いレベルを示しておられるのは沖縄でありまして、合計特殊出生率一・七一であります。しかし、これも前年度の十六年に比べますと〇・〇一下がっている。十六年度は一・七二であったわけなんです。最高レベルを維持しておる沖縄県についてもやはりじわじわと合計特殊出生率が下がりつつあると、こういうことであります。
 その中で福井県、福井県だけが平成十七年が一・四七、前年度の平成十六年は一・四五でありますので、〇・〇二ほど合計特殊出生率が上がっているということであります。このことは、全国が全部下がっているのに福井県だけ何で、わずかにしても〇・〇二上昇しているということは、何かその要因があるのではないかというふうに新聞論調は言っているわけでありますけれども、これは前年度対比の話でありますから、長年の集計の中で見ていけば、全国至るところ、都道府県全部すべて下がっていく、合計特殊出生率が下がっていくという傾向に歯止めが、止まらない状況なんですけれども、ただ福井県だけ前年度対比でこういうふうになったということについて、何かしかるべき要因があるのかないのか。その辺のところは厚労省でお調べでございましたら御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(北井久美子君) 御指摘のように、平成十六年と平成十七年の都道府県別の出生率を比較してまいりますと、全国で唯一福井県が上昇しているわけでございますが、ただ近年のトレンドを見ますと、福井県も傾向としてはまだ低下傾向にあるということ。それから、他の都道府県でも、これまである年に上昇が見られても翌年にはまた低下するというようなケースも見られるということで、こうしたものはある程度の期間の推移を見なければ評価や要因を分析し切ることはなかなか難しいのではないかとは考えております。
 ただ、福井県について特徴的なことでよく指摘されることを少し申し上げますと、福井県は女性の就業率や夫婦の共働き率が非常に高くなっております。行政も保育サービスの充実など、働きながら子育てできる環境づくりに取り組んでおられまして、福井県の保育所入所待機児童はゼロということでございます。また、三世代同居の割合が高く、ボランティア活動も比較的盛んでございますので、家族や地域の人々が協力して子育てを応援する地域環境となっているというようなことも言われます。また、雇用面でも失業率が低く、求人倍率が比較的高いというようなこと、それから住宅、家も面積、比較的大きいというようなことも指摘されているところでございまして、要は親族、近所の人々あるいは公的サービスのサポートを受けながら共働きで子育てしやすい環境にある地域ということが言えるのではないかというふうに思っております。

○中原爽君
ありがとうございました。全国的に今御説明がありました福井県の状況が広がっていけばよろしいわけでありますけれども。
 先日、六月五日のこの委員会質疑の際に橋本聖子議員が質問に立たれまして、そのときにも説明されたと思うんですが、橋本議員は今自民党の女性局の関係のお仕事をやっておられますが、アンケート調査をおやりになったそうでありまして、関係のアンケート調査の結果が九千七百名近い回答があったということで、この種のアンケートの調査では非常に多い回答を得られたということだそうでありまして、その中で、九千七百名近い回答の中で要望的に多かった事項というのはただいま局長御説明のあったような中身でありまして、まず第一に、奨学金事業の一層の拡充をしてくれと。それから第二番目に、三子以降の保育料あるいは幼稚園の経費、これを、一人目二人目はともかくも、三人目以降はこういった保育関係、幼稚園関係の経費を無料化してもらいたいと、こういう要望だそうであります。それから三番目は、やはり安心して妊娠、出産ができるシステム、産婦人科医等の確保も含めて医療制度の中でのこういった妊娠、出産に対する要望が非常に多いということだそうであります。それから、四番目が税制上の問題でありまして、所得の高い低いにかかわらず子供が多いほど優遇される制度、括弧書きになっていまして、税制控除やN分のN乗方式等を導入することによって子供が多い家族の税負担の軽減を図ってほしいと、こういうことだそうであります。
 考えてみますと、今御説明のありましたいろいろな保育関係、こういったことは私どもも一生懸命積み上げてきたわけですけれども、実際、子育てにかかわる税制をどうするかということは根本的には検討してなかった。したがって、N分のN乗であるとか二分の二乗であるとか、こういう税方式を取り入れて、できるだけ子育ての家族について何とか優遇をしていくという方向性はこれから必要じゃないかと思います。これからいろいろ次年度の税制の問題を検討するわけでありますから、こういったところで検討が行われればなというふうに思っております。
 それでは、あと、もう一つ問題につきましてお願いしたいと思います。  どうも各論の各論ばかり申し上げて申し訳ないんですけれども、歯科関係でありますが、今年度四月から歯科臨床研修の必修化が体制整備が整いまして出発をいたしました。その検討会、十六年の三月の二十五日に報告書を出しておられまして、臨床歯科研修医の労働者性を認めると、これが一つと。それと、複合型の臨床研修施設、大学病院とその関連の診療所と、こういった関係の複合型の臨床研修施設で研修を行う場合に、雇用関係の、要するに労働者性を認めているわけですから大学病院に研修医が雇用されるということになるわけでありますので、その雇用の契約に係る一つの形態として在籍型の出向方式を取り入れたらどうかということを報告書で示唆をしているわけであります。
 そうしますと、これがいろいろ考えが出てくるわけでありまして、労働基準法上の措置ということが出てまいります。出向契約をする、労働保険はどうなっているのか、社会保険というか健康保険はどうなっているのか、雇用保険はどうなっている、こういったことが全部連動して出てくるわけでありますので、その関係について一つ御質問したいと思うんですが、臨床研修歯科医を在籍型、要するに大学病院で雇用している研修医をどこかほかの診療所に出向させるという、言うなれば在籍型の出向でありますけれども、これも一つの確かにやり方なんですけれども、従来からあります労働者の派遣ですね、派遣労働者として、大学病院で雇用している研修医をほかの施設、診療所に派遣労働者として派遣すると、こういうやり方もあるかと思うんですが、この辺りのお考えをお聞かせいただきたいと。

○政府参考人(岡島敦子君)
研修歯科医が複数の臨床研修施設で臨床研修を行う場合に研修歯科医と各臨床研修施設との間でどのような雇用関係を形成するかにつきましては、当事者間の契約にゆだねられているところでございます。
 実際には、例えば大学病院といった主たる研修施設との労働契約を維持したまま出向先の研修施設とも労働契約を締結する在籍型の出向、あるいは、移籍型と言われます出向先の研修施設とのみ雇用関係、労働契約を締結する雇用形態というものによりまして雇用関係を形成しているということを承知しているところでございますが、医療分野におきます労働者派遣は原則として禁止されているために、労働者派遣法に基づく派遣という労働形態によって各臨床研修施設と雇用関係を形成することはないと考えております。

○中原爽君
ただいま御説明がございましたけれども、在籍型で出向させるということは、元の大学病院で雇用されている、それから出向先の診療所でも雇用されている、両方に雇用されているという形がこの出向の契約になるわけでございますので、そうすると、やはり診療所の方も新しく人を雇っていると、こういう体制が整備されていないとおかしいと、こういうことだと思うんですね。それがきちっと行われているかどうかということであります。  例えば、従業員含めて十名以上の事業所は必ず就業規則を関係の基準局へ届けると、こういうことから始まっているわけでありますけれども、そういう形がきちっと行われていなければ、結局、出向先といっても出向先で雇われていないという格好になってしまえば、これは派遣と同じような状況になるということになります。その辺のところはこれから御担当の関係のお役所としては確認をしていくということは必要じゃないかというふうに申し上げたいところであります。
 それから、そうしますと、仮に研修歯科医師が派遣労働者として派遣されたという場合、在籍型の出向の場合と比べて、研修先、すなわち派遣先に出向いているということについて、研修先というか、派遣先の事業所の法令上の責任というのはどういう形のものが考えられますか。

○政府参考人(鈴木直和君) 臨床研修の場合には派遣ということは考えられない旨答弁ありましたので、一般論としてお答え申し上げたいと思いますが。
 在籍出向の場合、今も御指摘がありましたように、出向元、出向先、それぞれと雇用関係が成立をしております。その労働者と出向元との関係、これはいろんな形態様々ありますので一概には言えない面ありますが、一般的に言いますと、法令上の責任、これは出向元と出向先との契約によってその分担がなされるというのが通常であるというふうに理解をしております。
 それから、一方、派遣労働者として派遣された場合、この場合には、派遣元とは雇用関係、それから派遣先とは業務上の指揮命令関係がございます。この場合の法令上の責任につきましては、労働者派遣法によりまして派遣元、派遣先、それぞれの責任が明示されております。主なものだけ申し上げますと、派遣元には労働基準法上の賃金の支払や年次有給休暇取得の責任、それから派遣先には、労働基準法上の労働時間や休憩、休日等の労働者の具体的な就業に関する事項に関する責任、それから安全衛生法上の安全管理者の責任等が課せられているものでございます。

○中原爽君
ありがとうございました。
 それで、この歯科医師の臨床研修が修了した後に、出向元の大学にそのまま在籍しているというか、雇用関係を結んでいるということでありましょうけれども、そういった研修医が新たにどこか就職先を求めて就職したいというような場合には、これがどういう形にしろ、歯科医師、医師等につきましては従来、派遣ということについていろいろ制約がありましたけれども、平成十五年の法律改正によりまして、紹介予定派遣という形が取れるということにもなっております。
 したがって、今後こういった研修医、研修を修了した医員につきまして紹介予定派遣に該当するという場合も起こり得るかと思いますけれども、この辺りの法令上の問題。
 それからもう一つは、出向型にしろ、在籍出向型にしろ、出向先に行っているわけでありますので、その出向元と出向先の関係で、今回の個人情報保護法というものが当然掛かってくる場面があると思います。出向元の大学病院というのはまあとにかく大きい組織でしょうし、六か月間のある時点でもって帳簿に載っている個人関係の情報五千人以上ということであればこの関係の法令上の事業所に該当するということになります。
 したがって、お聞きしたいのは、紹介予定派遣という考え方について法令上の整理はどういうふうにするのか、お考えがあるのか。それと、いずれにしても、出向先、出向元の間の個人情報の保護法の取扱い、この辺についての御見解を伺いたい。

○政府参考人(鈴木直和君)
前段の紹介予定派遣の問題についてお答えをしたいと思います。
 紹介予定派遣、これは前回の改正で導入されたものでありまして、具体的に申し上げますと、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可あるいは届出をした者が派遣労働者、派遣先の間の雇用関係の成立のあっせんを行い、またそれを行うことを予定すること、これを紹介予定派遣といっております。医師あるいは医療関係者につきましては派遣法の適用が制約されている面がございますが、この紹介予定派遣につきましては医師であっても可能でございます。
 先ほどから申し上げておりますように、臨床研修というシステムの中ではこの紹介予定派遣というものが適合する場面とは恐らく想定し得ないだろうと思っておりますが、臨床研修が修了した後につきましては、この紹介予定派遣、これは医師であっても使えるものでございますので、こういったものが利用されて派遣されるということはあり得るというふうに考えております。

○中原爽君
御説明のとおりでありますけれども、臨床研修が修了した後、大学病院なりあるいは学校法人と言ってもいいかと思いますが、そういった事業所がその研修医、研修を終わった人を常用型の派遣労働者というか、特定労働者派遣事業という形で雇用をするということはあり得ると思うんですね。
 そうなると、やはりこれは厚生労働大臣への、許可ではなくて、届出で済むわけでございますので、そういう形でこの紹介予定派遣、要するにどこかの医療機関から麻酔医をよこしてくれ、そういうようなことで照会が来るということに対して、その現在雇用されている麻酔医の経歴等、そういったことをお知らせするという形の紹介予定派遣というのが起こり得るだろうということを申し上げているわけであります。
 もう一つ、どうでしょう、個人情報の関係は。

○政府参考人(岡島敦子君)
病院や診療所につきましては、個人情報保護法の規定に基づく個人情報の厳格な管理が義務付けられているところでございます。
 委員の御指摘が臨床研修歯科医の個人情報の問題ということと理解する場合には、厚生労働省におきまして、雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針というものを定めまして、これは取り扱う情報の量にかかわらずすべての関係事業者に適用になります。また、患者さんの立場の方の個人情報の保護ということになりますと、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドラインというものを定めておりまして、これも取り扱う個人情報の数にかかわらず適用になります。
 こういったものを定めておるところでございまして、事業者たる病院や診療所に対しまして、利用目的を具体的、個別的に特定した上で個人情報を取り扱うことや、第三者に個人情報を提供する場合の留意点などを具体的に示しているところでございます。臨床研修施設に雇用される研修歯科医等の個人情報の取扱いにつきまして、以上のように配慮しているところでございますので、引き続き機会をとらえてその周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

○中原爽君
ただいまの御説明もありましたように、研修希望者とそれから研修受入れの施設と、それとただいまのマッチング協議会、この三者の関係でこの義務化が成り立っていくわけでございますので、この辺の御指導も引き続いてよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。


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Last-modified: 2008-02-24 (日) 14:31:08 (3710d)